フォークリフト作業計画書の書き方|記入例・必須項目・作成頻度を解説

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フォークリフトの作業計画書の書き方は、法令が求める運行経路と作業の方法を場所・車両・荷の条件に合わせて具体的に書き、作業指揮者を決めて関係労働者に周知するのが基本ですが、義務の範囲や作成頻度、様式の選び方で判断が分かれやすいため、現場で迷いやすい6つの場面と答えを以下の表にまとめました。

現場で迷いやすい場面答え
作業計画書を作れと言われたが、そもそも法律で決まった義務なのだろうかフォークリフトを使う作業では、事業者があらかじめ作業計画を定め、その計画どおりに作業させる義務がある。義務の根拠と罰則を見る
様式に欄がたくさんあるが、最低限なにを書けば足りるのか分からない法令が示すよう求めるのは運行経路と作業の方法の2事項。現場では荷・車両・合図・立入禁止・作業指揮者まで書く。必須項目と7つの記載項目を見る
白紙から作ることになったが、どの順番で書けばいいのか現場を歩いて経路と危険箇所を書き出すことから始め、6つの手順で仕上げる。作成の6手順を見る
記入例や厚生労働省の様式があるなら、それを使いたい労働局が参考様式と記載例を公開している。そのまま写さず、自社の経路と荷に書き換えて使う。記入例と参考様式を見る
作業者に紙を配ったが、これで周知したことになるのか不安だ周知は口頭でもよく、内容が複雑なときは文書の配布や掲示で行う。周知した日と相手を記録に残す。周知の方法を見る
毎日の入荷作業のたびに作業計画書を作り直すのだろうか条文に作成頻度の定めはない。場所・車両・荷・作業の方法のどれかが変わったときに見直す。作成頻度と見直しのタイミングを見る

この記事を読むと、法令が求める事項と現場で書き足す項目を区別して、自社の作業に合ったフォークリフトの作業計画書を1枚にまとめられるようになります。一方で、記入例を写しただけの計画は実際の通路や荷と合わず、労働基準監督署の調査や事故の後に作り直しが発生するケースがあります。

まずは、フォークリフトの作業計画書が義務になっている根拠から確認しましょう。

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フォークリフトの作業計画書の書き方の前に知る義務とは?いつから・誰が作るか

フォークリフトの作業計画書の書き方を学ぶ前提として、作業計画の作成は労働安全衛生規則第151条の3が事業者に課した義務です。1978年の施行通達で趣旨が示された規定で、作業の指揮は作業指揮者が担います。

義務の範囲を先に押さえるため、ここでは次の3点を確認します。

  • フォークリフトの作業計画書が義務になる根拠(安衛則第151条の3)
  • フォークリフトの作業計画書を作る人と作業指揮者(安衛則第151条の4)
  • フォークリフトの作業計画書がない場合の罰則

義務の範囲が分かると、次章以降で何を書けば法令の要件を満たせるかを判断しやすくなります。

フォークリフトの作業計画書が義務になる根拠(安衛則第151条の3)

フォークリフトの作業計画書の書き方は、根拠となる条文の要件から逆算すると、過不足のない計画に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、自社の作業が対象になるかを判断できる状態を目指しましょう。

労働安全衛生規則第151条の3と施行通達(昭和53年2月10日基発第78号)が定める要点は次のとおりです(※1)。

  • フォークリフトを含む車両系荷役運搬機械等で作業するときは、あらかじめ作業計画を定め、その計画により作業を行う
  • 計画は、作業場所の広さと地形、車両の種類と能力、荷の種類と形状等に適応させる
  • 「作業」には、貨物の積卸しのほか構内の走行も含む
  • 計画を定めたら、運行経路と作業の方法を関係労働者に周知する

作業計画の規定は新しいルールではありません。1978年(昭和53年)2月10日付の施行通達が、規定の趣旨を事前に作業の方法等を検討させるためと説明しています。

同じ規則の第151条の2は、フォークリフトのほかショベルローダー、構内運搬車、貨物自動車も車両系荷役運搬機械等に含めています。構内でトラックの荷台へ積み込む事業場は、フォークリフトと貨物自動車の両方を計画に書いておくと、対象の漏れを防げます。

(※1)出典:安全衛生情報センター「労働安全衛生規則 第2編 第1章の2 荷役運搬機械等」、厚生労働省 法令等データベース「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について」

フォークリフトの作業計画書を作る人と作業指揮者(安衛則第151条の4)

フォークリフトの作業計画書の書き方を決める前に、作る人と現場で指揮する人を分けて考えると、責任の所在を明確にしやすくなります。以下のポイントを押さえ、誰が何を担うかを社内で説明できる状態を目指しましょう。

労働安全衛生規則第151条の4は、事業者に作業指揮者を定めさせ、作業計画に基づいて作業の指揮を行わせるよう求めています。役割の分担は次の表のとおりです。

役割法令上の位置づけ現場での例
事業者作業計画を定め、計画どおりに作業させる義務を負う安全管理担当者が原案を作り、拠点長が承認する
作業指揮者作業計画に基づいて作業の指揮を行う入荷・出荷の班長、フォークリフト作業のリーダー
関係労働者運行経路と作業の方法の周知を受けるフォークリフト運転者、ピッキング担当、トラック運転者

施行通達は、単独作業では作業指揮者の選任を特に要しないとし、はい作業主任者等が作業指揮を併せて行えるときは兼任してよいとしています(※1)。作業指揮者が運転者や誘導者を兼ねてよいかは、運転中に指揮が途切れるかどうかで判断が分かれるケースがあります。

兼務を認めるかどうかの基準は、フォークリフト誘導者の兼務と作業指揮者を兼ねる場合の判断基準で詳しく解説しています。

(※1)出典:厚生労働省 法令等データベース「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について(昭和53年2月10日基発第78号)」

フォークリフトの作業計画書がない場合の罰則

フォークリフトの作業計画書の書き方に迷って作成を後回しにすると違反の状態が続くため、罰則を先に確認しておくと、社内で作成の優先順位を上げる根拠に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、上司へ必要性を説明できる状態を目指しましょう。

作業計画の義務と罰則を結ぶ条文は次のとおりです。

労働安全衛生法第119条は、第20条の違反に6か月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金を定めています(※1)。厚生労働省の公表事案の一覧(2025年5月30日掲載)には、あらかじめ作業計画を定めずに作業させた事案が、労働安全衛生法第20条と労働安全衛生規則第151条の3の違反として掲載されています(※2)。

罰則を理由に作っただけの計画は、現場で読まれずに形だけになりやすいと言われています。作業計画以外にフォークリフトで守る規定は、フォークリフトに関わる安全衛生法令の全体像で整理しています。

(※1)出典:安全衛生情報センター「労働安全衛生法 第12章 罰則」 (※2)出典:厚生労働省労働基準局監督課「労働基準関係法令違反に係る公表事案」(国立保健医療科学院 健康危機管理支援ライブラリー掲載)


フォークリフトの作業計画書の書き方で押さえる必須項目は?法令の2事項と現場で書く7項目

フォークリフトの作業計画書の書き方で必須となる項目は、法令上は運行経路と作業の方法の2事項です。現場では荷・車両・合図・立入禁止・作業指揮者を加えた7項目で書くと、周知と見直しに使える計画になります。

法令の要件と現場での書き足しを分けるため、ここでは次の2点を整理します。

  • 法令がフォークリフトの作業計画書に示すよう求める2事項
  • 法令の2事項に加えてフォークリフトの作業計画書に書く7項目

2つを分けて理解すると、参考様式の欄が多くても、どこが必須でどこが現場の工夫かを迷わず判断できます。

法令がフォークリフトの作業計画書に示すよう求める2事項

フォークリフトの作業計画書の書き方の中心は、条文が示すよう求める2事項を具体的に書くことで、要件を満たした計画に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、2事項を自社の現場の言葉で書ける状態を目指しましょう。

労働安全衛生規則第151条の3第2項は、作業計画に運行経路と作業の方法が示されていることを求めています(※1)。2事項の書き方は次の表のとおりです。

事項書く内容具体例
運行経路車両が走る通路、出入口、交差点、一時停止の位置を示す入荷口から保管ラックまでの通路と、事務所前の横断箇所での一時停止
作業の方法積卸しの手順、荷の持ち方、走行の速度、作業に要する時間を示すフォークを根元まで差し込み、荷を低く保って構内を徐行で運ぶ

施行通達は、「作業の方法」に作業に要する時間が含まれ、「荷の種類及び形状等」の「等」に荷の重量や有害性が含まれるとしています。作業時間と荷の重量は、空欄にせず書いておくと要件との対応が明確になります。

(※1)出典:安全衛生情報センター「労働安全衛生規則 第2編 第1章の2 荷役運搬機械等」

法令の2事項に加えてフォークリフトの作業計画書に書く7項目

フォークリフトの作業計画書の書き方を7項目にそろえると、運転者以外の作業者にも危険な場所と動き方が伝わり、周知に使える計画に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、現場で読まれる計画を書ける状態を目指しましょう。

項目書く目的記入のポイント
作業の場所と経路運行経路を示す(法令の必須事項)通路図を添え、一時停止と後進の場所を書く
荷の種類・形状・重量荷に適応した計画にする最大重量と荷姿(パレット・ケースなど)を書く
使用する車両車両の種類と能力に適応させる車両番号、最大荷重、運転資格の区分を書く
作業の方法と順序作業の方法を示す(法令の必須事項)積卸しの順序、速度、所要時間を書く
合図運転者と周囲の作業者の意思をそろえる手信号・笛・無線のどれを使うかと合図者を書く
立入禁止区域車両や荷との接触を防ぐ区域の範囲と、表示やコーンなどの方法を書く
作業指揮者計画に基づく指揮の担い手を明示する氏名と、不在時の代行者を書く

日本産業車両協会が2025年7月に公表した資料では、フォークリフトによる死傷災害のうち「はさまれ・巻き込まれ」と「激突され」が合わせて62.7%を占めています(※1)。合図と立入禁止区域の欄は法令の必須事項ではありませんが、人と車両が近づく場面を減らすために書いておく価値があります。

(※1)出典:一般社団法人日本産業車両協会「フォークリフトに起因する労働災害の発生状況」(2025年7月4日)


フォークリフトの作業計画書の書き方は?白紙から作る6つの手順

フォークリフトの作業計画書の書き方は、現場を歩いて経路と危険箇所を確かめ、車両と荷の条件と作業の方法を書き、合図と立入禁止を決め、作業指揮者の確認と周知で仕上げる6つの手順で進めると漏れを防げます。

6つの手順は次のとおりです。

  1. 現場を歩いて運行経路を図に書く
  2. 経路上の危険箇所を書き出す
  3. 使う車両と荷の条件を書く
  4. 作業の方法と順序を書く
  5. 合図と立入禁止区域を決める
  6. 作業指揮者が確認し、関係労働者に周知する

ここでは、6つの手順を次の3つに分けて解説します。

  • 手順1〜2:現場を歩いてフォークリフトの運行経路と危険箇所を書き出す
  • 手順3〜4:フォークリフトと荷の条件、作業の方法を書く
  • 手順5〜6:合図と立入禁止を決めてフォークリフトの作業指揮者が確認する

手順の順番どおりに書くと、経路を決める前に作業の方法を書いてしまう手戻りを防げます。

手順1〜2:現場を歩いてフォークリフトの運行経路と危険箇所を書き出す

フォークリフトの作業計画書の書き方は、机の上ではなく現場を歩いて経路を確かめることから始めると、図面にない段差や死角を計画に反映しやすくなります。以下のポイントを押さえ、実際の通路どおりの経路図を描ける状態を目指しましょう。

現場を歩くときに書き出す箇所は次のとおりです。

  • 入荷口、保管場所、出荷口を結ぶ経路
  • 歩行者の通路と交わる交差点や出入口
  • 柱や棚で見通しが悪い曲がり角
  • 段差、傾斜、床の濡れやすい場所
  • トラックの荷台の端など、転落のおそれがある場所

岩手労働局 花巻労働基準監督署の資料によると、同署の管内では令和元年から令和5年までの5年間に、フォークリフトによる休業4日以上の死傷災害が24件発生しています(※1)。危険箇所は、作業者への聞き取りも合わせて書き出すと見落としを減らせます。

(※1)出典:岩手労働局 花巻労働基準監督署「フォークリフトを使用する事業場の皆様へ」(2024年12月)

手順3〜4:フォークリフトと荷の条件、作業の方法を書く

フォークリフトの作業計画書の書き方で車両と荷の条件を先に書くと、その条件に合う作業の方法を選びやすくなります。以下のポイントを押さえ、荷と車両の組み合わせに無理がない計画を書ける状態を目指しましょう。

書く欄確認すること記入の例
使用する車両最大荷重と荷の重量の関係、運転資格の区分カウンターバランス式・最大荷重2.5t・技能講習修了者が運転
荷の条件荷姿、最大重量、崩れやすさ、有害性の有無パレット積みの段ボール、1パレット最大800kg
作業の方法と順序積卸しの手順、走行の速度、所要時間荷台後方から順に荷降ろし、構内は徐行、1台あたり約30分

表の記入の例は、書き方の粒度を示すために作った例です。自社の車両の能力表示と荷の実測値に置き換えて書いてください。作業の方法には、車両の能力を超える荷を扱わないための確認方法も書いておくと、運転者が迷わずに済みます。

手順5〜6:合図と立入禁止を決めてフォークリフトの作業指揮者が確認する

フォークリフトの作業計画書の書き方の最後に合図と立入禁止を決め、作業指揮者が現場で読み合わせると、計画と実際の作業のずれを周知の前に直せるようになります。以下のポイントを押さえ、作業指揮者が承認できる計画に仕上げましょう。

合図と立入禁止で決めておく事項は次のとおりです。

  • 合図の方法(手信号・笛・無線)と、合図を出す人
  • 立入禁止区域の範囲と、表示の方法
  • 作業指揮者の氏名と、不在時の代行者
  • 周知の方法と、周知した日

合図の方法を社内で統一する手順は、フォークリフトの誘導の合図の決め方で解説しています。作業指揮者は計画を現場で読み合わせ、経路図と実際の通路が一致しているかを確認してから承認すると、周知の段階での差し戻しを減らせます。


フォークリフトの作業計画書の書き方がわかる記入例と厚生労働省の参考様式

フォークリフトの作業計画書の書き方は、記入例で完成形を見ると早く理解できます。労働局が参考様式と記載例を公開しており、簡易版にする場合も運行経路と作業の方法を具体的に書けば法令の2事項を押さえられます。

ここでは、次の3点を紹介します。

  • 倉庫の入荷作業でのフォークリフト作業計画書の記入例
  • 厚生労働省(労働局)のフォークリフト作業計画の参考様式
  • フォークリフトの作業計画書を簡易版にするときの最低ライン

記入例で完成形をつかんでから参考様式を開くと、どの欄に何を書くかで手が止まりにくくなります。

倉庫の入荷作業でのフォークリフト作業計画書の記入例

フォークリフトの作業計画書の書き方を記入例で確かめると、各欄に書く具体性の水準をつかめるため、自社の計画に置き換えやすくなります。以下の例を参考に、自社の作業に合わせて書き換えられる状態を目指しましょう。

次の表は、物流倉庫でトラックからパレット荷を降ろして保管する作業を想定し、この記事のために作成した記入例です。

項目記入例書き方のポイント
作業名入荷トラックの荷降ろしと保管ラックへの格納作業の始まりと終わりが分かる名前にする
作業の場所と経路入荷口2番から通路Aを通り、保管ラック列まで。事務所前の横断箇所で一時停止通路図を添付し、一時停止の位置を図にも書く
荷の種類・形状・重量パレット積みの段ボール、1パレット最大800kg最も重い荷を基準に書く
使用する車両カウンターバランス式フォークリフト1台、最大荷重2.5t車両番号と運転者の資格区分を書く
作業の方法と順序荷台後方から順に降ろす。荷を低く保ち、構内は徐行。1台あたり約30分後進する区間と後進時の確認方法を書く
合図荷台上の作業者と運転者は手信号で合図し、合図者は1名に限る合図者の立ち位置も書く
立入禁止区域荷降ろし中は荷台後方3mをコーンで区切り、関係者以外の立入を禁止範囲を数値と方法で書く
作業指揮者入荷班長(不在時は副班長)氏名と代行者を書く
周知作業開始前の朝礼で読み合わせ、出席者が署名周知した日と相手を記録する

花巻労働基準監督署の資料では、管内のフォークリフトによる災害の約40%がバック走行時に発生しています(※1)。記入例のように、後進する区間と後進時の確認方法を作業の方法の欄に書いておくと、運転者ごとのばらつきを減らせます。

(※1)出典:岩手労働局 花巻労働基準監督署「フォークリフトを使用する事業場の皆様へ」(2024年12月)

厚生労働省(労働局)のフォークリフト作業計画の参考様式

フォークリフトの作業計画書の書き方に慣れていない場合は、労働局の参考様式を土台にすると、必要な欄の抜けを防ぎやすくなります。以下の公開先を確認し、自社で使う様式を1つに決めましょう。

公開している機関公開されている資料使いどころ
鳥取労働局「フォークリフト作業計画の参考様式等をご活用ください」Word様式、Excel様式、PDFの記載例Excelで入力して管理したい場合
宮崎労働局「作業計画について」Word形式の作業計画書と記入例記入例と並べて書きたい場合
宮崎労働局「フォークリフトの作業計画作成マニュアル」作業計画が必要な理由と法令の解説社内で作成の目的を説明したい場合

参考様式は労働局ごとに欄の構成が異なります。法令に様式の定めはないため、どの様式を使う場合も、運行経路と作業の方法の2事項を具体的に書くことが要件を満たす前提になります。

フォークリフト作業計画の参考様式は労働局ごとに形式が異なるため、本記事では欄の名前ではなく、労働安全衛生規則と施行通達の文言を基準に項目を整理しました。

フォークリフトの作業計画書を簡易版にするときの最低ライン

フォークリフトの作業計画書の書き方を簡易版にしたい場合は、法令の2事項と周知の記録を残すことを最低ラインにすると、要件を外さずに書類を軽くできます。以下のポイントを押さえ、1枚で完結する計画を作れる状態を目指しましょう。

「簡易版」は法令上の用語ではなく、欄を絞った様式を指して使われている表現と考えられます。欄を絞る場合でも、次の項目は残してください。

  • 作成日と作成者
  • 運行経路(通路図でもよい)
  • 作業の方法(荷の重量と作業時間を含む)
  • 作業指揮者の氏名
  • 周知した日と相手

欄を減らすほど、書かれていない事項は口頭で補うことになります。合図や立入禁止区域を省いた場合は、朝礼で口頭の周知を行い、その記録を残すと説明がつきやすくなります。


フォークリフトの作業計画書の書き方と合わせて決める作業者への周知の方法

フォークリフトの作業計画書の書き方が整っても、運行経路と作業の方法が関係労働者に伝わらなければ義務を果たせません。周知は口頭でもよく、内容が複雑なときは文書の配布や掲示で行うとされています。

ここでは、周知を2つの面から解説します。

  • 口頭と書面のどちらでフォークリフトの作業計画を周知するか
  • フォークリフトの作業計画を現場に定着させる掲示と確認

周知の方法を作業計画書の中に書いておくと、作り直しのたびに伝え方を考え直す手間が減ります。

口頭と書面のどちらでフォークリフトの作業計画を周知するか

フォークリフトの作業計画書の書き方に周知の方法の欄を設けると、作業の複雑さに応じて伝え方を選びやすくなります。以下のポイントを押さえ、作業ごとに適した周知の方法を選べる状態を目指しましょう。

施行通達は、関係労働者への周知を口頭で行ってよいとし、内容が複雑で口頭による周知が難しいときは文書の配布や掲示によるとしています。方法ごとの違いは次の表のとおりです。

周知の方法向いている場面記録の残し方
口頭(朝礼・作業前の打ち合わせ)経路と方法が単純で、毎日同じ作業日付と出席者を朝礼記録に書く
文書の配布経路が複数ある、荷が日によって変わる受け取った人が署名する
掲示他社のトラック運転者など、入れ替わる人が多い掲示した日と場所を記録する

関係労働者には、自社の作業者だけでなく、荷を積み卸すトラック運転者も含まれ得ます。厚生労働省の発表では、令和7年の陸上貨物運送事業の休業4日以上の死傷者は15,632人でした(※1)。入れ替わりの多い運転者には、受付で経路図を渡す方法も考えられます。

(※1)出典:厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」(2026年5月27日)

フォークリフトの作業計画を現場に定着させる掲示と確認

フォークリフトの作業計画書の書き方を工夫しても、作業の直前に目に入らなければ内容は忘れられやすいため、掲示と確認の仕組みを合わせて決めると定着に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、計画どおりの作業が続く状態を目指しましょう。

定着のために取り組めることは次のとおりです。

  • 経路図を入荷口とフォークリフトの待機場所に掲示する
  • 作業指揮者が作業開始前に計画の要点を読み上げる
  • 新しく配属された作業者には初日に個別で説明する
  • 月に1回、計画どおりに作業しているかを作業指揮者が見回る

掲示物や確認の仕組みを現場のルールとして文書にまとめる方法は、フォークリフトの現場の安全ルールの作り方で解説しています。


フォークリフトの作業計画書の書き方と作成頻度は?毎日作るのか・見直すタイミング

フォークリフトの作業計画書の書き方に作成頻度の定めはなく、法令は場所・車両・荷に適応した計画を求めています。同じ条件で繰り返す作業は同じ計画を使い続け、条件が変わった時点で計画を見直します。

ここでは、次の3点を確認します。

  • フォークリフトの作業計画書を毎日作り直す必要があるか
  • フォークリフトの作業計画書を見直す6つのタイミング
  • 改善している指標から見るフォークリフトの作業計画の意味

見直しのタイミングを先に決めておくと、古い計画のまま作業が続く状態を防げます。

フォークリフトの作業計画書を毎日作り直す必要があるか

フォークリフトの作業計画書の書き方は、作成の頻度ではなく条件との一致で考えると、書類の手間と安全の両方を保ちやすくなります。以下のポイントを押さえ、作り直しが必要な場面を判断できる状態を目指しましょう。

労働安全衛生規則第151条の3は、作業計画を場所の広さと地形、車両の種類と能力、荷の種類と形状等に適応させるよう求めており、作成の頻度は定めていません(※1)。判断の目安は次のとおりです。

  • 同じ場所・車両・荷・方法で繰り返す作業は、1つの計画を使い続ける
  • 条件のどれかが変わる作業は、作業の前に計画を見直す
  • 一度だけの臨時の作業は、その作業のための計画を作る

毎日の入荷作業でも、トラックの台数や荷姿が日によって大きく変わる現場では、条件の変化を作業指揮者が朝に確認する運用が考えられます。

(※1)出典:安全衛生情報センター「労働安全衛生規則 第2編 第1章の2 荷役運搬機械等」

フォークリフトの作業計画書を見直す6つのタイミング

フォークリフトの作業計画書の書き方に見直しのきっかけを書き込んでおくと、変更のたびに誰が直すかで迷わずに済み、計画を現場の実態に合わせ続けられます。以下の表を参考に、自社の見直しのルールを決めましょう。

見直すきっかけ直す欄例
車両の入れ替え・増車使用する車両、作業の方法リーチ式を追加し、最大荷重が変わった
レイアウトの変更作業の場所と経路、立入禁止区域保管ラックを増設し、通路幅が変わった
荷の変更荷の種類・形状・重量、作業の方法長尺物や重量物を扱うことになった
作業者や作業指揮者の交代作業指揮者、周知班長が異動した
災害やヒヤリハットの発生該当する欄すべて交差点で歩行者と接触しそうになった
定期の見直し計画全体年に1回、作業指揮者と現場を歩いて確認する

藤崎 遊は、AIに記事を書かせる際に、AIが言いそうなことを生成すると実際には無い経歴まで書かれる危険があると気づき、体験を台帳にまとめて参照させる方式に切り替えました。便利さより、後から検証できることを優先すべきだと思ったためです。

フォークリフトの作業計画書も同じで、見直すたびに日付と変更点を残しておくと、事故やヒヤリハットの後に、どの計画で作業していたかを確かめられます。

改善している指標から見るフォークリフトの作業計画の意味

フォークリフトの作業計画書の書き方を整える取り組みは、改善している統計と合わせて見ると、続ける意味を社内で説明しやすくなります。以下の数値を押さえ、見直しを続ける根拠として使える状態を目指しましょう。

厚生労働省の発表では、令和7年の労働災害による死亡者数は700人で過去最少となり、陸上貨物運送事業の死亡者は80人(前年比28人・25.9%減)でした(※1)。日本産業車両協会の資料でも、2024年のフォークリフトによる死亡災害と死傷災害は2年連続で減少しています(※2)。

減少の理由を作業計画だけに求めることはできませんが、運行経路と作業の方法を事前に決めて周知する取り組みは、減少を支える対策の1つと考えられます。

(※1)出典:厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」(2026年5月27日) (※2)出典:一般社団法人日本産業車両協会「フォークリフトに起因する労働災害の発生状況」(2025年7月4日)


フォークリフトの作業計画書の書き方でよくある不備と是正例

フォークリフトの作業計画書の書き方で起きやすい不備は、経路が抽象的、合図や立入禁止の欄が空欄、作業指揮者が未記入、条件が変わっても古い計画のまま、の4つと言われています。是正は具体化と更新で行います。

ここでは、次の2点を解説します。

  • フォークリフトの作業計画書で起きやすい4つの不備と是正例
  • 記入例をそのまま写したフォークリフトの作業計画書が現場に合わない理由

自社の計画を表と見比べると、作り直すべき欄を短時間で絞り込めます。

フォークリフトの作業計画書で起きやすい4つの不備と是正例

フォークリフトの作業計画書の書き方を不備の例と見比べると、自社の計画のどこを直せばよいかを判断しやすくなります。以下の表を参考に、続く書き方へ直せる状態を目指しましょう。

続かない書き方起きやすいこと続く書き方
経路を「構内一円」と書く運転者ごとに走る通路が変わり、歩行者が経路を予測できない通路図に経路と一時停止の位置を書く
合図と立入禁止の欄を空欄にする荷降ろし中に作業者が荷台後方へ入る合図者と立入禁止の範囲を数値で書く
作業指揮者の欄に役職名だけを書く不在の日に誰も指揮しない氏名と代行者を書く
作成日から更新していないレイアウト変更後も古い経路で周知が続く見直しのきっかけと更新日を書く

日本産業車両協会の資料では、フォークリフトによる死亡災害のうち「はさまれ・巻き込まれ」と「激突され」が40.7%、「転倒」と「墜落・転落」が35.2%を占めています(※1)。経路の欄に段差や荷台の端など転倒・転落につながる場所を書いておくと、死亡につながりやすい災害への備えになります。

(※1)出典:一般社団法人日本産業車両協会「フォークリフトに起因する労働災害の発生状況」(2025年7月4日)

記入例をそのまま写したフォークリフトの作業計画書が現場に合わない理由

フォークリフトの作業計画書の書き方で記入例を参考にするときは、自社の条件に書き換えることを前提にすると、現場に合った計画に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、記入例を土台として使える状態を目指しましょう。

藤崎 遊は小学生から中学生のころ、野球で肩が良くなるフォームを自分で2回見つけました。しかし父に見せたところ、父のフォームの方が速い球を投げられると言われてそちらに変え、2回とも肩は元に戻りました。他人の正解をそのまま採用すると、自分の条件で得た成果を手放すことがあります。

作業計画書の記入例も同じ構造を持っています。労働局の記載例は別の現場を想定した見本で、通路の幅や荷の重量は自社と一致しません。記入例の文言を写すと、実際の経路と異なる計画が周知され、作業者が計画と違う通路を走るケースが生じやすくなります。

記入例を使うときは、次の3点を自社の値に置き換えてください。

  • 運行経路と一時停止の位置を、自社の通路図に合わせる
  • 荷の重量と車両の最大荷重を、実測値と能力表示に合わせる
  • 作業指揮者と合図者を、実際の担当者の氏名にする

フォークリフトの作業計画書の書き方と関連する立入禁止・合図・作業手順書の扱い

フォークリフトの作業計画書の書き方では、立入禁止措置、合図、歩車分離、リスクアセスメント、作業手順書を計画の中で参照しますが、詳しい決め方は別のルールや書類で扱います。ここでは結論だけを確認します。

立入禁止措置は、労働安全衛生規則第151条の7が定める接触の防止にあたります。作業計画書には立入禁止区域の範囲と方法を書き、表示の作り方や誘導者を置く場合の扱いは、立入禁止措置のルールとして別に決めます。

合図は、作業計画書に方法と合図者を書いておくと、運転者と周囲の作業者の動きがそろいます。誘導者が担う役割と合図の種類は、フォークリフト誘導者の役割と合図の種類で解説しています。

歩車分離と通路の幅は、運行経路を決める段階で、歩行者の通路と車両の通路を分けられるかとして確認します。通路の幅や表示の基準は、作業計画書とは別に構内のレイアウトとして決める事項です。

リスクアセスメントは、作業に潜む危険を洗い出して評価する取り組みで、作業計画書は評価の結果として決めた方法を示す書類です。危険の洗い出しを先に行うと、作業計画書の立入禁止や合図の欄に何を書くべきかが明確になります。

作業手順書は、1つの作業を動作の順に分け、急所を示す社内の書類として作られることが多い書類です。作業計画書が場所・経路・方法を作業単位で定めるのに対し、作業手順書の例は動作単位の書き方になるため、フォークリフトの安全作業手順書の作り方を参考に分けて作成してください。


フォークリフトの作業計画書の書き方に関するよくある質問

フォークリフトの作業計画書の書き方に関するよくある質問として、義務の有無、作成者、Excelでの作成、作成頻度、作業計画が不要な場合、作業指揮者の資格の6つに、条文と施行通達をもとに回答します。

フォークリフトの作業計画書は義務ですか?

フォークリフトの作業計画書の書き方に入る前提として、作業計画の作成は労働安全衛生規則第151条の3が事業者に課した義務です。フォークリフトで荷を積み卸す作業や構内を走る作業では、あらかじめ計画を定め、その計画どおりに作業させる必要があります。違反は労働安全衛生法第20条の違反として罰則の対象になります。

フォークリフトの作業計画書は誰が作成するのですか?

フォークリフトの作業計画書の書き方に作成者の資格の定めはなく、義務を負うのは事業者です。現場では安全管理担当者が原案を作り、拠点長が承認し、作業指揮者が計画に基づいて指揮する分担が考えられます。作業指揮者は労働安全衛生規則第151条の4で定めることが求められています。

フォークリフトの作業計画書はエクセル(Excel)で作成できますか?

フォークリフトの作業計画書の書き方に様式の指定はなく、エクセル(Excel)で作成できます。鳥取労働局はフォークリフト作業計画の参考様式をWord・Excelの2形式で公開し、PDFの記載例も掲載しています。Excelで作る場合も、運行経路と作業の方法の2事項を具体的に書くことが前提です。

フォークリフトの作業計画書は毎日作成する必要がありますか?

フォークリフトの作業計画書の書き方を定める労働安全衛生規則第151条の3に、作成頻度の定めはありません。同じ場所・車両・荷・作業の方法で繰り返す作業は1つの計画を使い続け、条件のどれかが変わったときに見直します。一度だけの臨時の作業は、その作業のための計画を作ります。

フォークリフトの作業計画が不要な場合はありますか?

フォークリフトの作業計画書の書き方を定める労働安全衛生規則第151条の3に、事業場の規模や作業時間で作業計画を省ける定めはありません。一方、施行通達は、単独作業では作業指揮者の選任を特に要しないとしています。作業計画の作成と作業指揮者の選任を分けて判断してください。

フォークリフトの作業指揮者に資格は必要ですか?

フォークリフトの作業計画書の書き方で作業指揮者の欄に書く人について、労働安全衛生規則第151条の4に資格の定めはありません。計画の内容を作業者に説明でき、作業中に全体を見渡せる人を選ぶことが大切です。運転者と兼ねる場合は、運転中に指揮が途切れないかを確認してください。


フォークリフトの作業計画書の書き方に関するまとめ

フォークリフトの作業計画書の書き方の要点は、法令の2事項を具体的に書き、現場の7項目で補い、作業指揮者と周知の記録で仕上げ、条件が変わるたびに見直すことです。最後に要点を5つにまとめます。

この記事の要点は次のとおりです。

  • 作業計画の作成は労働安全衛生規則第151条の3が事業者に課した義務で、違反は罰則の対象になる
  • 法令が示すよう求めるのは運行経路と作業の方法の2事項で、荷・車両・合図・立入禁止・作業指揮者を加えると周知に使える
  • 書き方は、現場を歩いて経路と危険箇所を書き出すことから始め、6つの手順で仕上げる
  • 周知は口頭でもよく、内容が複雑なときは文書の配布や掲示で行い、周知した日と相手を記録する
  • 作成頻度の定めはなく、場所・車両・荷・作業の方法が変わったときに見直す

まずは自社の通路図を1枚用意し、運行経路と一時停止の位置を書き込むところから始めましょう。

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