フォークリフトの用途外使用の罰則は拘禁刑か罰金|禁止事例と送検事例

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フォークリフトの用途外使用の罰則は、労働安全衛生法にもとづき6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金と定められている一方で、どこまでが禁止でどこからが例外かが現場で分かりにくいため、現場で迷いやすい6つの場面と答えを以下の表にまとめました。

現場で迷いやすい場面答え
棚の上の荷を確かめるだけなら、パレットに人を乗せて上げても大丈夫だろうかパレットやフォークに人を乗せて昇降させる使い方は、労働安全衛生規則第151条の14が例に挙げる用途外使用です。禁止事例を見る
用途外使用で罰せられるのは、運転していた本人だけなのか違反行為をした者に加え、両罰規定により法人や事業主にも罰金が科されます。罰則の仕組みを見る
用途外使用で、実際に送検まで進んだ例はあるのか2025年9月から2026年3月までに、労働基準監督署が用途外使用の疑いでの書類送検を少なくとも4件発表しています。送検事例を見る
手すりを付けたパレットなら、例外として認められるのではないか例外に当たるのは、転倒のおそれがなく、手すり等を設けたうえでパレットの固定または命綱の使用などの措置を講じた場合に限られます。例外の条件を見る
高所の作業やフレコンの荷役を、フォークリフトの代わりに何で行えばいいのか人の昇降は高所作業車や足場、荷のつり上げは専用の器具、牽引は牽引を前提にした車両に切り替えます。代わりの設備を見る
禁止を周知しても、急ぎの作業になると守られないのではないか作業計画に禁止事項と代わりの設備を書き、作業指揮者に計画どおり指揮させます。防ぐ手順を見る

この記事を読むと、労働安全衛生規則第151条の14が禁じる用途外使用の範囲、ただし書による例外の条件、代わりに使う設備を区別し、自社の作業計画と安全作業手順書に書き込めるようになります。禁止の範囲と例外の条件を確かめずに作業を組むと、高所の作業やフレコンの荷降ろしの当日に、設備の手配や手順の組み直しが発生しやすくなります。

まずは、用途外使用に科される罰則の中身と、罰則を定める条文のつながりから確認しましょう。

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フォークリフトの用途外使用の罰則は6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金

フォークリフトの用途外使用の罰則は、労働安全衛生法第119条により6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。同法第122条の両罰規定により、違反行為をした者に加えて法人や事業主にも50万円以下の罰金が科されます。

罰則の条文は、労働安全衛生法 第12章 罰則に置かれています。第119条は、第20条などの規定に違反した場合に「六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」を科すと定めています(※1)。罰則を含むフォークリフトの法令全体の位置づけは、フォークリフトの安全衛生法令の全体像で整理しています。

本項目では、次の2点を確かめます。

  • フォークリフトの用途外使用に罰則が科される3つの条文のつながり
  • 両罰規定でフォークリフトの用途外使用の罰則が法人にも及ぶ仕組み

条文のつながりを押さえると、社内で「誰が、どの条文で罰せられうるか」を説明するときに根拠を示せます。

フォークリフトの用途外使用に罰則が科される3つの条文のつながり

フォークリフトの用途外使用の罰則を条文の順に追うと、自社のどの行為が処罰の対象になるかを説明しやすくなります。以下の3つの条文を見比べ、義務と禁止と罰則の関係を自分の言葉で説明できる状態を目指しましょう。

用途外使用の罰則に関わる条文は、次のとおりです。

条文定めている内容用途外使用との関係
労働安全衛生法第20条機械等による危険を防止するため必要な措置を講じる事業者に危険防止の措置を義務づける
労働安全衛生規則第151条の14車両系荷役運搬機械等を主たる用途以外の用途に使用しない第20条の措置の具体的な中身として用途外使用を禁じる
労働安全衛生法第119条第1号第20条などの違反に6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金を科す用途外使用の違反に罰則を科す

公表された送検事例でも、違反条文は「労働安全衛生法第20条第1号」「労働安全衛生規則第151条の14」「労働安全衛生法第119条第1号」の組み合わせで示されています(※2)。用途外使用は規則だけの問題に見えますが、罰則は法律の第119条から科される点を押さえておきましょう。

第119条の「拘禁刑」は、2025年6月1日施行の刑法改正で、懲役と禁錮を廃止して創設された刑罰です(※3)。古い資料に「懲役」と書かれていても、罰則の重さを読み替える必要はありません。

両罰規定でフォークリフトの用途外使用の罰則が法人にも及ぶ仕組み

フォークリフトの用途外使用の罰則を受けうる人を個人と法人に分けて整理すると、現場の責任者と会社の両方に関わる問題だと社内で共有しやすくなります。以下の表を見て、個人と法人それぞれに科される内容を確かめましょう。

罰則を受けうる対象と内容は、次のとおりです。

対象根拠条文科される内容
違反行為をした者労働安全衛生法第119条第1号6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
法人または事業主労働安全衛生法第122条第119条の罰金刑(50万円以下の罰金)

第122条は、法人の代表者や従業者が業務に関して第119条の違反行為をしたとき、行為者を罰するほか、法人にも罰金刑を科すと定めています(※1)。2026年3月に佐世保労働基準監督署が発表した事例では、法人と代表取締役の両方が書類送検されました(※2)。

書類送検は、労働基準監督署が事件を検察庁へ送る手続きであり、起訴や刑の確定を意味しません。ただし、送検の事実は報道発表として公表されるため、罰則が科されるかどうかとは別に、取引先や採用への影響を考えておく必要があります。

(※1)出典:安全衛生情報センター「労働安全衛生法 第12章 罰則(第115条の3-第123条)」

(※2)出典:佐世保労働基準監督署「労働安全衛生法違反容疑で書類送検~フォークリフトの用途外使用の疑い~」(令和8年3月10日)

(※3)出典:法務省「拘禁刑創設の趣旨」


第151条の14が禁じるフォークリフトの用途外使用と罰則の対象範囲

フォークリフトの用途外使用の罰則の対象は、労働安全衛生規則第151条の14が禁じる「主たる用途以外の用途」への使用です。条文は荷のつり上げと労働者の昇降を例に挙げ、フォークリフトを含む7種類の車両系荷役運搬機械等に適用されます。

車両系荷役運搬機械等とは、労働安全衛生規則第151条の2が定める、フォークリフトやショベルローダーなど荷役と運搬に使う7種類の機械を指します(※1)。

本項目では、次の2点を確かめます。

  • 第151条の14の条文が示すフォークリフトの用途外使用の範囲
  • 用途外使用の禁止が及ぶ7種類の車両系荷役運搬機械等とフォークリフト

条文の言葉を先に確かめると、次章の禁止事例が「なぜ違反になるか」を条文に戻って説明できます。

第151条の14の条文が示すフォークリフトの用途外使用の範囲

フォークリフトの用途外使用の罰則を条文の文言から読むと、例に挙がっていない使い方も対象になりうると判断しやすくなります。以下の条文と表を見て、禁止の範囲を自分で説明できる状態を目指しましょう。

労働安全衛生規則第151条の14(主たる用途以外の使用の制限)は、「事業者は、車両系荷役運搬機械等を荷のつり上げ、労働者の昇降等当該車両系荷役運搬機械等の主たる用途以外の用途に使用してはならない。ただし、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。」と定めています(※1)。

条文の構成と現場での読み方は、次のとおりです。

条文の部分定めている内容現場での読み方
本文主たる用途以外の用途への使用を禁じるフォークリフトは荷役と運搬以外に使わない
例示荷のつり上げ、労働者の昇降「等」とあるため、例示以外の使い方も対象になりうる
ただし書労働者に危険を及ぼすおそれのないときは除く通達が示す条件をすべて満たす場合に限る

昭和53年の通達「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について(基発第78号)」は、第151条の14について「墜落のみでなく、はさまれ、まき込まれ等の危険も併せて防止する趣旨」と説明しています(※2)。人が落ちる危険だけでなく、つり荷や機体に挟まれる危険も防ぐ規定として読むことが、条文の趣旨に沿った読み方です。

用途外使用の禁止が及ぶ7種類の車両系荷役運搬機械等とフォークリフト

フォークリフトの用途外使用の罰則が及ぶ機械の範囲を確かめると、構内のほかの荷役機械にも同じ禁止を当てはめて社内ルールを作れます。以下の一覧を見て、自社で使っている機械が対象に含まれるかを確かめましょう。

労働安全衛生規則第151条の2が定める車両系荷役運搬機械等は、次の7種類です(※1)。

  • フォークリフト
  • ショベルローダー
  • フォークローダー
  • ストラドルキャリヤー
  • 不整地運搬車
  • 構内運搬車
  • 貨物自動車

人を乗せる使い方は、第151条の14に加えて労働安全衛生規則第151条の13(搭乗の制限)にも関わります。第151条の13は、不整地運搬車と貨物自動車を除く車両系荷役運搬機械等を用いて作業を行うとき、乗車席以外の箇所に作業従事者を乗せることを禁じています(※1)。フォークやパレットの上は乗車席以外の箇所に当たるため、人を乗せて走行させる使い方もこの規定に関わります。

(※1)出典:安全衛生情報センター「労働安全衛生規則 第2編 第1章の2 荷役運搬機械等」

(※2)出典:厚生労働省 法令等データベース「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について」(昭和53年2月10日 基発第78号)


フォークリフトの用途外使用で罰則の対象になる禁止事例|人を乗せる・荷を吊る・牽引する

フォークリフトの用途外使用で罰則の対象になる代表的な事例は、フォークやパレットに人を乗せて昇降させる、フォークで荷を吊る、設備を牽引するの3つです。いずれも厚生労働省の災害事例や公表事案に、用途外使用として記録があります。

一般社団法人日本産業車両協会の資料によると、2018年から2022年の5年間のフォークリフトによる死亡災害のうち、持ち上げたパレット上で作業して転落したものが6件、持ち上げたフォーク上で作業して転落したものが3件ありました(※1)。

本項目では、次の3つの事例を確かめます。

  • フォークやパレットに人を乗せて昇降させるフォークリフトの用途外使用
  • フォークで荷を吊るフォークリフトの用途外使用とフレコンの事例
  • 設備の牽引に使うフォークリフトの用途外使用

事例ごとに起きた結果を知ると、自社の作業のどこに同じ使い方が含まれているかを見つけやすくなります。

フォークやパレットに人を乗せて昇降させるフォークリフトの用途外使用

フォークリフトの用途外使用のうち人の昇降を事例で確かめると、罰則の対象になるだけでなく、乗った人と周りの人の両方が被災しうると分かります。以下の2つの事例を見て、自社に同じ作業がないかを確かめましょう。

職場のあんぜんサイトに掲載された2つの事例は、次のとおりです(※2)(※3)。

事例作業の内容結果
フォークリフトのパレット上で作業中、墜落し死亡(その他の建設業)5段積みしたパレットにフォークを差し込み、その上に作業者を乗せて約4.5メートルの高さまで上げ、鳩よけのネットを取り外させた作業者がフォークリフトの近くの地面に倒れているのが見つかり、1人死亡
フォークリフトの用途外使用、落下した荷物の直撃で死亡(特定貨物自動車運送業)作業者をフォークのツメの中央に乗せ、床面から1.6メートル上昇させて梱包箱のロット番号を確かめさせたフォークの先端が3段目の梱包箱を持ち上げて上段の箱が崩れ、床で安全を確かめていた作業者に当たり、1人死亡

2つ目の事例のように、上げたフォークの近くに別の作業者がいると、乗った人以外も被災します。フォークなどの下へ作業従事者が立ち入ることを禁止する措置は、労働安全衛生規則第151条の9(立入禁止)で別に定められています。用途外使用をやめる際は、上げたフォークの下に人を入れない配置もあわせて確認してください。

フォークで荷を吊るフォークリフトの用途外使用とフレコンの事例

フォークリフトの用途外使用のうち荷のつり上げを事例で確かめると、罰則の問題に加えて、偏った荷重で機体ごと転倒する危険があると分かります。以下の事例と原因を見て、フレコンなどを吊る作業を見直しましょう。

職場のあんぜんサイトの事例「偏荷重となったフォークリフトが転倒し、誘導していた被災者が下敷きとなった」(貨物取扱業)は、米の入ったフレキシブルコンテナ(以下、フレコン。粉や粒状の荷を入れる大型の袋)の荷降ろしで起きました(※4)。倒れかかったフレコンを起こすため、吊り金具にロープを掛けて1本のフォークで吊り上げたところ、フォークリフトが左側に転倒し、誘導していた作業者が下敷きになって死亡しています。

同事例は原因を7項目挙げており、主なものは次のとおりです(※4)。

  • フォークリフトを使用して、主たる用途外使用である吊り上げ作業を行っていた
  • 1本のフォークで吊り上げたため、偏荷重になった
  • 傾斜に沿って横向きの状態で吊り上げた
  • 作業計画を定めず、作業指揮者も配置していなかった

誘導者を置いていても、つり荷と機体が倒れる範囲の中に立てば被災します。誘導者が担う役割と合図の全体像は、フォークリフト誘導者の役割と合図の種類で解説しています。

設備の牽引に使うフォークリフトの用途外使用

フォークリフトの用途外使用が条文の例示に限られないと事例で確かめると、牽引のような使い方も罰則の対象になりうると判断できます。以下の公表事案を見て、構内で牽引に使っている場面がないかを確かめましょう。

厚生労働省労働基準局監督課の「労働基準関係法令違反に係る公表事案(令和元年11月1日~令和2年10月30日公表分)」には、長野労働局が2020年5月22日に公表した事案として「フォークリフトを、主たる用途以外の用途(給湯タンクの牽引)に使用したもの」が載っています(※5)。違反法条は、労働安全衛生法第20条と労働安全衛生規則第151条の14です。

条文の例示は荷のつり上げと労働者の昇降ですが、「等」に含まれる使い方も対象になります。台車や設備を引く作業がある場合は、フォークリフトの取扱説明書で牽引の可否を確かめ、牽引を前提にした車両を使うことをおすすめします。

(※1)出典:一般社団法人日本産業車両協会「フォークリフトに起因する労働災害の発生状況 ―厚生労働省労働災害統計より―」(2024年7月3日)

(※2)出典:職場のあんぜんサイト 労働災害事例「フォークリフトのパレット上で作業中、墜落し死亡」

(※3)出典:職場のあんぜんサイト 労働災害事例「フォークリフトの用途外使用、落下した荷物の直撃で死亡」

(※4)出典:職場のあんぜんサイト 労働災害事例「偏荷重となったフォークリフトが転倒し、誘導していた被災者が下敷きとなった」

(※5)出典:厚生労働省労働基準局監督課「労働基準関係法令違反に係る公表事案(令和元年11月1日~令和2年10月30日公表分)」(令和2年11月30日掲載)


フォークリフトの用途外使用で罰則の対象として書類送検された事例

フォークリフトの用途外使用は、罰則のある労働安全衛生法違反の疑いで書類送検された事例が公表されています。2025年9月~2026年3月の発表のうち今回確認した4件は、人の昇降が3件、荷のつり上げが1件でした。

本項目では、次の3点を確かめます。

  • 2025年9月~2026年3月に発表されたフォークリフトの用途外使用の送検事例
  • 送検事例に共通するフォークリフトの用途外使用の場面
  • 死亡者数が過去最少でもフォークリフトの用途外使用への対策が要る理由

実際の送検事例を知ると、社内で用途外使用の禁止を説明するときに、根拠を具体的に示せます。

2025年9月~2026年3月に発表されたフォークリフトの用途外使用の送検事例

フォークリフトの用途外使用の罰則が実際の送検でどう扱われたかを確かめると、違反条文の組み合わせと送検される対象を具体的に把握できます。以下の4件を見て、自社の作業と重なる場面がないかを確かめましょう。

今回確認した労働基準監督署の報道発表は、次の4件です(※1)(※2)(※3)(※4)。

発表日・発表した署用途外使用の内容送検された対象と主な違反条文
2025年9月18日 鹿屋労働基準監督署私有地から製材所まで、フォークリフトでつり上げた木の束を運搬した個人事業主。労働安全衛生法第20条第1号、労働安全衛生規則第151条の14。無資格運転の違反もあわせて送検
2025年10月8日 名護労働基準監督署農場で汚水を移す作業の際、フォークリフトに取り付けた搬器に労働者を乗せて上昇させた法人ほか1名。労働安全衛生法第20条第1号、第27条第1項、労働安全衛生規則第151条の14
2026年3月10日 佐世保労働基準監督署倉庫外壁の垂れ幕を撤去する際、フォークリフトのパレット上に労働者を乗せて上昇させた法人と代表取締役。労働安全衛生法第20条第1号、労働安全衛生規則第151条の14
2026年3月23日 淀川労働基準監督署倉庫内のピッキング作業で、パレットに労働者を乗せて高さ4.2メートルの棚上まで昇降させた法人ほか1名。労働安全衛生法第20条第1号、第27条第1項、労働安全衛生規則第151条の14

4件のうち鹿屋、名護、佐世保の3件では、作業中に労働者が死亡する災害が発生しています(※1)(※2)(※3)。送検後に起訴するかどうかは検察庁が判断するため、送検の時点では刑は確定していません。

送検事例に共通するフォークリフトの用途外使用の場面

フォークリフトの用途外使用で罰則の対象として送検された事例を作業の種類で分けると、荷役以外の作業で人を上げた事例が多いと分かります。以下の共通点を見て、自社で同じ作業が発生する場面を洗い出しましょう。

4件の事例から読み取れる共通点は、次のとおりです。

  • 4件のうち3件は、垂れ幕の撤去、棚上のピッキング、汚水の移動といった荷役以外の作業で人を上げていた
  • 人を乗せる台として、パレットやフォークリフトに取り付けた搬器を使っていた
  • 荷をつり上げた事例では、無資格での運転もあわせて送検されていた

高所の掲示物の撤去や設備まわりの作業のように、たまにしか発生しない作業は、作業計画に入っていないことがあります。手元のフォークリフトで済ませる判断が生じやすいため、こうした作業ほど事前に代わりの設備を決めておきましょう。

死亡者数が過去最少でもフォークリフトの用途外使用への対策が要る理由

フォークリフトの用途外使用の罰則を全体の災害統計と並べて見ると、改善している指標と、なお残る課題を分けて捉えられます。以下の数値を見て、自社の対策を続ける根拠として使いましょう。

厚生労働省によると、2025年(令和7年)の労働災害による死亡者数は700人で、前年より46人減って過去最少になりました(※5)。陸上貨物運送事業の死亡者数も80人で、前年より28人減っています(※5)。

全体の死亡者数が減る一方で、用途外使用による死亡災害と送検は2025年以降も発表されています。日本産業車両協会は、フォークリフトの「転倒」と「墜落・転落」による災害は、発生した場合に死亡に至る可能性が高いと指摘しています(※6)。人を上げる作業や荷を吊る作業は件数が少なくても、対策を続けることをおすすめします。

(※1)出典:鹿屋労働基準監督署「労働安全衛生法違反容疑で書類送検~無資格者がフォークリフトの運転業務と用途外使用を行った疑い~」(令和7年9月18日)

(※2)出典:名護労働基準監督署「労働安全衛生法違反容疑で書類送検~フォークリフトを労働者の昇降等,その主たる用途以外の用途に使用した疑い~」(令和7年10月8日)

(※3)出典:佐世保労働基準監督署「労働安全衛生法違反容疑で書類送検~フォークリフトの用途外使用の疑い~」(令和8年3月10日)

(※4)出典:淀川労働基準監督署 報道発表(令和8年3月23日)

(※5)出典:厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」(令和8年5月27日)

(※6)出典:一般社団法人日本産業車両協会「フォークリフトに起因する労働災害の発生状況 ―厚生労働省労働災害統計より―」(2024年7月3日)


ただし書でフォークリフトの用途外使用が罰則の対象外になる範囲

フォークリフトの用途外使用が罰則の対象外になるのは、第151条の14ただし書の「労働者に危険を及ぼすおそれのないとき」に限られます。通達は、転倒のおそれがないことに加え、手すり等を設け、固定または命綱等の措置を講じた場合と説明しています。

本項目では、次の3点を確かめます。

  • 通達が示すフォークリフトの用途外使用の適用除外の条件
  • 荷のつり上げでフォークリフトの用途外使用の例外を考えるときの注意点
  • ただし書に頼らずフォークリフトの用途外使用をなくす判断

例外の条件を正確に知ると、「手すりがあるから大丈夫」といった思い込みで作業を始める事態を防げます。

通達が示すフォークリフトの用途外使用の適用除外の条件

フォークリフトの用途外使用の罰則が除外される条件を通達の文言で確かめると、自社の設備が条件を満たすかを1つずつ点検できます。以下の表を見て、すべての条件がそろっているかを確かめましょう。

昭和53年2月10日の通達「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について(基発第78号)」は、ただし書の「危険を及ぼすおそれのないとき」を次の条件で説明しています(※1)。

条件通達の文言現場で確かめること
機体の安定フォークリフト等の転倒のおそれがない場合床の傾斜、地盤、荷重の偏りで機体が転倒しない
墜落を防ぐ囲いパレット等の周囲に十分な高さの手すり若しくはわく等を設け乗る台の全周に、作業中に身を乗り出しても落ちない高さの手すりがある
台の固定または命綱パレット等をフォークに固定すること又は労働者に命綱を使用させること等の措置台がフォークから外れないよう固定してある、または命綱を掛けている

通達は「かつ」で条件をつないでいるため、手すりだけ、命綱だけでは条件を満たしません。どれか1つが欠けた状態で人を上げた場合は、ただし書に当たらず、用途外使用として扱われるおそれがあります。

荷のつり上げでフォークリフトの用途外使用の例外を考えるときの注意点

フォークリフトの用途外使用の罰則の例外を荷のつり上げに当てはめる前に根拠を確かめると、自己判断で作業を進める事態を避けられます。以下のポイントを押さえ、判断に迷ったときの確認先を決めておきましょう。

昭和53年の通達の説明は、手すり、パレットの固定、命綱といった人の昇降を前提にした条件です。荷のつり上げについて、どのような措置を講じれば「危険を及ぼすおそれのないとき」に当たるかを示した公的な基準は、今回確認した範囲では見当たりませんでした。

職場のあんぜんサイトのフレコンの事例は、対策として「やむを得ずフォークリフトでフレキシブルコンテナ等を吊り上げる場合、専用の器具等を使用して作業すること」を挙げ、専用の器具の許容重量を確認するよう求めています(※2)。荷を吊る作業をフォークリフトで行う必要がある場合は、作業を始める前に所轄の労働基準監督署へ相談することをおすすめします。

ただし書に頼らずフォークリフトの用途外使用をなくす判断

フォークリフトの用途外使用の罰則を避ける方法として、ただし書の条件を整えるより先に専用の設備への切り替えを検討すると、判断の手間と事故の危険を同時に減らせます。以下の比較を見て、自社が取る進め方を決めましょう。

ただし書に頼る進め方と、専用の設備に切り替える進め方の違いは、次のとおりです。

項目ただし書に頼る進め方専用の設備に切り替える進め方
毎回の確認転倒、手すり、固定または命綱の条件を作業ごとに確かめる設備の点検と運転資格の確認で済む
条件が欠けたとき用途外使用として扱われるおそれがある用途外使用の問題が生じない
現場への伝え方「条件を満たせば乗ってよい」と例外が先に伝わりやすい「フォークリフトに人を乗せない」と一律に伝えられる

職場のあんぜんサイトのパレット上の墜落事例は、高さが2メートル以上の場所での作業には手すり等を取り付けた作業床を用意し、フォークリフトのフォーク上では作業を行わないよう対策に挙げています(※3)。作業の高さが2メートル以上になる場合は、ただし書の条件を検討する前に、作業床を備えた設備を使う計画を立てましょう。

(※1)出典:厚生労働省 法令等データベース「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について」(昭和53年2月10日 基発第78号)

(※2)出典:職場のあんぜんサイト 労働災害事例「偏荷重となったフォークリフトが転倒し、誘導していた被災者が下敷きとなった」

(※3)出典:職場のあんぜんサイト 労働災害事例「フォークリフトのパレット上で作業中、墜落し死亡」


フォークリフトの用途外使用をやめて罰則を避けるための代わりの設備

フォークリフトの用途外使用をやめて罰則を避けるには、作業の目的ごとに専用の設備へ切り替えます。人の昇降は高所作業車や足場、荷のつり上げは専用の器具やクレーン設備、牽引は牽引を前提にした車両を使い、作業計画に書き込みます。

用途外使用ごとの代わりの設備と、切り替えるときに必要な準備は、次のとおりです。

用途外使用代わりの設備着手のしやすさ
人の昇降高所作業車、足場、手すり付きの作業台作業日までに設備の手配と運転資格の確認が必要
荷のつり上げフォークリフト用の専用の器具、クレーン設備器具の許容重量と取付け方法の確認が必要
牽引牽引を前提にした車両車両の選定と社内ルールの変更が必要

本項目では、次の3点を確かめます。

  • 人の昇降に使っていたフォークリフトの用途外使用の代わりの設備
  • 荷のつり上げに使っていたフォークリフトの用途外使用の代わりの器具
  • 牽引に使っていたフォークリフトの用途外使用の代わりの車両

作業ごとの代わりの設備を決めておくと、急ぎの作業でもフォークリフトで済ませる判断を防げます。

人の昇降に使っていたフォークリフトの用途外使用の代わりの設備

フォークリフトの用途外使用の罰則を避けるため人の昇降に使う設備を切り替えると、墜落の危険と法令違反の両方をなくせます。以下の設備を比べ、作業の高さと場所に合うものを選べる状態を目指しましょう。

人の昇降の代わりに使える主な設備は、次のとおりです。

  • 高所作業車:人を乗せて昇降させることを前提にした作業床を備える車両
  • 足場:作業する高さに作業床と手すりを組んで設ける設備
  • 手すり付きの作業台:棚の上段など低めの高さの作業で使う、持ち運びできる作業床

職場のあんぜんサイトのパレット上の墜落事例は、高さが2メートル以上の場所での作業には手すり等を取り付けた作業床を用意するよう対策に挙げています(※1)。高所作業車は、作業床の高さによって運転に必要な資格が異なるため、手配の段階で運転者の資格を確かめてください。

荷のつり上げに使っていたフォークリフトの用途外使用の代わりの器具

フォークリフトの用途外使用の罰則を避けるため荷のつり上げを専用の器具やクレーン設備に切り替えると、偏荷重による転倒の危険を減らせます。以下のポイントを押さえ、器具を選ぶときに確かめる項目を決めておきましょう。

荷のつり上げを切り替えるときに確かめる項目は、次のとおりです。

  • フォークリフトでやむを得ず吊る場合は、専用の器具を使う
  • 専用の器具の許容重量を確かめ、荷の重さが超えないようにする
  • 1本のフォークにロープを掛けるなど、偏荷重になる吊り方をしない
  • 荷を吊る作業が日常的にある場合は、クレーン設備で行う計画を検討する

1つ目から3つ目は、職場のあんぜんサイトのフレコンの事例が挙げた原因と対策にもとづく項目です(※2)。専用の器具を付けた場合にただし書に当たるかを示した公的な基準は、今回確認した範囲では見当たらないため、導入前に機体のメーカーと所轄の労働基準監督署に確認しましょう。

牽引に使っていたフォークリフトの用途外使用の代わりの車両

フォークリフトの用途外使用の罰則を避けるため牽引の作業を専用の車両に切り替えると、機体の能力を超えた使い方を防げます。以下のポイントを押さえ、構内の牽引作業を見直しましょう。

昭和53年の通達は、構内運搬車には牽引車両により被牽引車を牽引する方式のものが含まれると説明しています(※3)。台車や設備を引く作業が日常的にある場合は、牽引を前提にした構内運搬車などの車両を使う方法があります。

フォークリフトで牽引できるかどうかは、機体ごとに取扱説明書で確かめます。取扱説明書に牽引の記載がない場合は、メーカーや販売店に確認するまで牽引に使わないことをおすすめします。

(※1)出典:職場のあんぜんサイト 労働災害事例「フォークリフトのパレット上で作業中、墜落し死亡」

(※2)出典:職場のあんぜんサイト 労働災害事例「偏荷重となったフォークリフトが転倒し、誘導していた被災者が下敷きとなった」

(※3)出典:厚生労働省 法令等データベース「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について」(昭和53年2月10日 基発第78号)


作業計画と作業指揮者でフォークリフトの用途外使用を防ぎ罰則を避ける手順

フォークリフトの用途外使用を防いで罰則を避けるには、第151条の3の作業計画に禁止事項と代わりの設備を書き、第151条の4の作業指揮者に計画どおり指揮させます。安全作業手順書と掲示で、作業の直前に禁止事項が目に入るようにします。

職場のあんぜんサイトのフレコンの事例では、原因7項目のうち2項目が、作業計画を定めていなかったことと作業指揮者を配置していなかったことでした(※1)。用途外使用を防ぐ手順は、次の4つです。

  1. 用途外使用が起きやすい作業を洗い出す
  2. 作業計画に禁止事項と代わりの設備を書く
  3. 作業指揮者を決め、計画どおりに指揮させる
  4. 安全作業手順書と掲示で、作業の直前に禁止事項が目に入るようにする

本項目では、次の3点を確かめます。

  • 作業計画にフォークリフトの用途外使用の禁止と代わりの設備を書く
  • 作業指揮者がフォークリフトの用途外使用を止める役割
  • 安全作業手順書と掲示でフォークリフトの用途外使用の禁止を作業の直前に示す

手順を順に進めると、用途外使用の禁止を知っている状態から、作業の場で守られる状態に移せます。

作業計画にフォークリフトの用途外使用の禁止と代わりの設備を書く

フォークリフトの用途外使用の罰則につながる行為を作業計画で禁じておくと、現場で迷ったときに計画書を見て判断できます。以下の項目を押さえ、計画書に書く内容をそろえましょう。

労働安全衛生規則第151条の3(作業計画)は、車両系荷役運搬機械等を用いて作業を行うときに、作業計画を定めることを事業者に求めています(※2)。昭和53年の通達は、作業の方法などを事前に検討させ、作業計画を定めさせるための規定だと説明しています(※3)。

作業計画に書き加える項目は、次のとおりです。

  • フォークやパレットに人を乗せない、荷を吊らない、牽引しない
  • 高所の作業に使う設備(高所作業車、足場など)
  • 荷を吊る必要がある場合の専用の器具と許容重量
  • たまにしか発生しない作業(掲示物の撤去、棚上の確認など)の進め方

4つ目の項目を空欄にしておくと、送検事例と同じように、荷役以外の作業で手元のフォークリフトを使う判断が生じやすくなります。年間の作業予定を見直し、該当する作業を1つずつ書き出しておきましょう。

作業指揮者がフォークリフトの用途外使用を止める役割

フォークリフトの用途外使用の罰則を防ぐ役割を作業指揮者に持たせると、計画にない使い方を作業の場で止められます。以下のポイントを押さえ、作業指揮者が確かめる項目を決めましょう。

労働安全衛生規則第151条の4(作業指揮者)は、車両系荷役運搬機械等を用いて作業を行うときに、作業指揮者を定め、作業計画にもとづいて作業の指揮を行わせることを事業者に求めています(※2)。

作業指揮者が作業の前に確かめる項目は、次のとおりです。

  • 作業計画にない使い方(人を乗せる、荷を吊るなど)が予定されていないか
  • 代わりの設備が作業場所に届いているか
  • 上げたフォークの下や機体が倒れる範囲に、作業者が立っていないか

作業指揮者を誘導者や運転者と兼ねるかどうかの判断は、フォークリフト誘導者と運転者・作業指揮者の兼務の判断基準で整理しています。

安全作業手順書と掲示でフォークリフトの用途外使用の禁止を作業の直前に示す

フォークリフトの用途外使用の罰則につながる行為を安全作業手順書と掲示に書き込むと、作業の直前に禁止事項を確かめられます。以下のポイントを押さえ、禁止事項が目に入る場所を決めましょう。

藤崎 遊は、AIに記事を書かせる際、自分の体験を混ぜようとしたところ、AIが言いそうなことを生成すると実際には無い経歴まで書かれる危険があると気づき、体験を台帳にして参照させる方式に切り替えました。人の記憶に任せるより、使う瞬間に参照できる形にした方が誤りを防げると考えています。

フォークリフトの用途外使用の禁止も、教育で一度伝えるだけでは、急ぎの作業で抜け落ちるおそれがあります。禁止事項と代わりの設備を、運転席から見える位置や作業計画書の冒頭に書き、作業の直前に目に入るようにしましょう。

禁止事項を手順書に書き込む方法はフォークリフトの安全作業手順書の作り方で、構内全体のルールの決め方はフォークリフトの現場の安全ルールの作り方で解説しています。

(※1)出典:職場のあんぜんサイト 労働災害事例「偏荷重となったフォークリフトが転倒し、誘導していた被災者が下敷きとなった」

(※2)出典:安全衛生情報センター「労働安全衛生規則 第2編 第1章の2 荷役運搬機械等」

(※3)出典:厚生労働省 法令等データベース「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について」(昭和53年2月10日 基発第78号)


フォークリフトの用途外使用の罰則に関するよくある質問

フォークリフトの用途外使用の罰則について、罰則の重さ、罰せられる対象、フレコンの吊り上げ、アタッチメント、牽引、適用除外、爪の曲がり、拘禁刑の8問に、条文と公的資料をもとに答えます。

各回答は単独で読める形にしているため、気になる質問から読み進めてください。

フォークリフトの用途外使用の罰則はどのくらいですか?

フォークリフトの用途外使用の罰則は、労働安全衛生法第119条により6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。用途外使用を禁じる労働安全衛生規則第151条の14に違反すると、同法第20条の違反として第119条の罰則の対象になります。法人や事業主には、第122条により50万円以下の罰金が科されます。

フォークリフトの用途外使用で罰則を受けるのは運転者ですか、会社ですか?

フォークリフトの用途外使用の罰則は、運転していたかどうかではなく、違反行為をした者が対象です。公表された送検事例では、労働者を乗せて昇降させた会社側の担当者や代表取締役が、法人とともに送検されています。労働安全衛生法第122条の両罰規定により、法人や事業主にも罰金刑が科されます。

フォークリフトでフレコンを吊るのは用途外使用で罰則の対象ですか?

フォークリフトでフレコンを吊る作業は荷のつり上げに当たり、用途外使用の罰則の対象になりえます。職場のあんぜんサイトの事例では、1本のフォークにロープを掛けてフレコンを吊り上げた結果、機体が転倒し、誘導していた作業者が亡くなりました。同事例は原因の1つ目に「主たる用途外使用である吊り上げ作業」を挙げています。

フォークリフトに吊り上げ用のアタッチメントを付ければ用途外使用の罰則は避けられますか?

フォークリフトに吊り上げ用のアタッチメントを付けた場合に用途外使用の罰則の対象外になるかを示した公的な基準は、今回確認した範囲では見当たりませんでした。職場のあんぜんサイトの事例は、やむを得ず吊り上げる場合に専用の器具を使い、許容重量を確認するよう対策に挙げています。導入前に、機体のメーカーと所轄の労働基準監督署に確認してください。

フォークリフトで牽引するのは用途外使用で罰則の対象ですか?

フォークリフトでの牽引も、主たる用途以外の使い方として用途外使用の罰則の対象になりえます。厚生労働省の労働基準関係法令違反に係る公表事案には、フォークリフトを給湯タンクの牽引に使ったとして、労働安全衛生法第20条と労働安全衛生規則第151条の14に違反した事案が載っています。牽引の可否は、機体の取扱説明書で確かめてください。

フォークリフトの用途外使用禁止の適用除外はどんな場合に認められますか?

フォークリフトの用途外使用の罰則が適用除外になるのは、労働安全衛生規則第151条の14ただし書の「労働者に危険を及ぼすおそれのないとき」です。昭和53年の通達(基発第78号)は、転倒のおそれがない場合で、パレット等の周囲に十分な高さの手すりやわく等を設け、かつ、パレット等の固定または命綱の使用等の措置を講じたときと説明しています。

フォークリフトの爪が曲がったまま使うと用途外使用の罰則の対象になりますか?

フォークリフトの爪の曲がりは、用途外使用の罰則を定めた第151条の14よりも、点検と補修の規定に関わる問題です。労働安全衛生規則第151条の25は、その日の作業を開始する前に荷役装置及び油圧装置の機能を点検するよう定め、第151条の26は、異常を認めたときに直ちに補修その他必要な措置を講じるよう定めています。爪の曲がりを見つけたら、補修が済むまで使用を止めましょう。

フォークリフトの用途外使用の罰則で「懲役」ではなく「拘禁刑」と書かれているのはなぜですか?

フォークリフトの用途外使用の罰則が拘禁刑と書かれているのは、2025年6月1日施行の刑法改正で懲役と禁錮が廃止され、拘禁刑に一本化されたためです。法務省の資料「拘禁刑創設の趣旨」が、この改正を説明しています。現在の労働安全衛生法第119条は、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金と定めています。古い資料には「懲役」と書かれたものもあります。


フォークリフトの用途外使用の罰則に関するまとめ

フォークリフトの用途外使用の罰則は、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、法人にも罰金が科されます。人を乗せる、荷を吊る、牽引するといった使い方をやめ、作業計画で代わりの設備を決めておくことが対策の中心です。

この記事の要点は、次の5つです。

  • 用途外使用の禁止に違反すると、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になり、両罰規定で法人にも罰金が科される
  • 条文が例に挙げる荷のつり上げと労働者の昇降に加え、牽引も公表事案で用途外使用とされている
  • 2025年9月から2026年3月に、用途外使用の疑いでの書類送検が少なくとも4件発表されている
  • ただし書の例外は、転倒のおそれがなく、手すり等と固定または命綱等の措置がそろった場合に限られる
  • 人の昇降は高所作業車や足場、荷のつり上げは専用の器具に切り替え、作業計画と作業指揮者で守らせる

まずは、自社の作業のうち、フォークリフトで人を上げている作業や荷を吊っている作業がないかを、作業計画と現場の両方で確かめてみてください。

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