フォークリフトの用途外使用の罰則|条文と公表事例で読み解く現場対応

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フォークリフトの用途外使用の罰則は、条文と災害事例で押さえる論点が分かれるため、現場で迷いやすい4つの場面と答えを以下の表にまとめました。

現場で出てくる迷い結論と該当箇所
フォークリフトのツメに乗せて高所作業をさせている。用途外使用は具体的にどの条文で禁止されているのか労働安全衛生規則第151条の14が主たる用途以外の使用を禁止しており、違反は労働安全衛生法第20条違反として罰則の対象となる(条文整理へ
フレコンをフォークで吊り上げる作業を続けている。これも用途外使用にあたるのか荷のつり上げは条文で明示された用途外使用の代表例で、公表災害事例で死亡につながった事案が確認できる(災害事例へ
ただし書きの「危険を及ぼすおそれのないとき」は、どこまで許容されるのか労働安全衛生規則第151条の14のただし書きは限定的で、災害事例では墜落防止措置と作業計画が要件になっている(ただし書きの範囲へ
用途外使用で送検されるのはどのような場面か、罰金はいくらか労働安全衛生法第20条違反として6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象となり、両罰規定で法人にも罰金が及ぶ(罰則の全体像へ

この記事を読むと、フォークリフトの用途外使用の罰則にまつわる条文、公表災害事例、ただし書きの範囲、現場での排除方法までを、実務判断で使える形で整理できます。読まずに進めた場合、書類送検や重大災害の発生時に、事業者の措置義務違反として問われる場面で作業当日の対応にやり直しが発生します。

まずは、フォークリフトの用途外使用の罰則がどの条文構造で成り立っているかを確認していきます。

フォークリフトの用途外使用に定められた罰則の全体像

書類送検の直接根拠として使われる法体系として、フォークリフトの用途外使用の罰則は、労働安全衛生規則第151条の14の禁止規定と、労働安全衛生法第20条の事業者の措置義務違反に対する罰則が組み合わさって成立しています。

罰則の根拠は法律・規則・罰則条文の3つに分かれており、規則違反がなぜ法律違反として罰則に到達するのかを条文の連結関係で理解しておく必要があります。あわせて、行為者だけでなく法人にも罰金が及ぶ両罰規定の仕組みも押さえておく論点です。

  • 労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)
  • 労働安全衛生規則第151条の14(主たる用途以外の使用の制限)
  • 労働安全衛生法第119条第1号(罰則)

罰則を支える3層構造とフォークリフト用途外使用の位置づけ

3層構造の起点として、労働安全衛生法第20条は事業者に危険防止の措置義務を課し、労働安全衛生規則第151条の14がその措置の具体的中身としてフォークリフトの用途外使用を禁止して罰則につないでいます。

労働安全衛生規則第151条の14違反は、労働安全衛生法第20条の措置義務違反として構成され、労働安全衛生法第119条第1号により6月以下の拘禁刑(2025年6月1日施行の刑法改正で懲役から一本化された刑罰の名称)または50万円以下の罰金の対象になります。

根拠条文役割
法律労働安全衛生法第20条事業者の危険防止措置義務
規則労働安全衛生規則第151条の14主たる用途以外の使用の禁止
罰則労働安全衛生法第119条第1号6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金

労働安全衛生法第119条第1号の条文は労働安全衛生法 第12章 罰則に掲載されています。労働安全衛生法・労働安全衛生規則・構造規格・通達の位置関係はフォークリフトの安全衛生法令の全体像で確認できます。

両罰規定によって法人にも罰金が及ぶフォークリフト用途外使用の枠組み

両罰規定は労働安全衛生法第122条に置かれており、フォークリフトの用途外使用の罰則が行為者だけでなく法人にも同時に及ぶ構造を作っています。同条は、代表者や従業者が違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、法人または人にも各本条の罰金刑を科すことを定めています。

結果として、指示した現場責任者と会社の両方が罰金の対象となる構造になります。労働安全衛生法第119条第1号の罰金額は50万円以下で、両罰規定によって法人にも同額の罰金が並行して科される仕組みです。

対象根拠条文科される内容
行為者(現場責任者・運転者)労働安全衛生法第119条第1号6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
法人(会社)労働安全衛生法第122条(両罰規定)50万円以下の罰金

両罰規定は、代表者や指示者を処罰するだけでは法人による組織的な違反行為が抑止できないという趣旨で置かれています。用途外使用を現場責任者が独断で行った場合でも、法人が安全教育や作業計画の整備を怠っていたと判断されれば、会社に対する罰金が並行して科されます。


労働安全衛生規則第151条の14が定めるフォークリフト用途外使用の罰則対象

罰則につながる中核条文として、フォークリフト用途外使用の禁止を直接定めているのが労働安全衛生規則第151条の14です。同条は事業者に対して、フォークリフトを含む車両系荷役運搬機械等を主たる用途以外の用途に使用してはならないと定めています。

労働安全衛生規則第151条の2は、車両系荷役運搬機械等として7種類の機械を列挙し、フォークリフトを第1号に位置づけています。第151条の14の禁止対象は、この7種類すべてに及びます。

  • 労働安全衛生規則第151条の14本文(禁止規定)
  • 労働安全衛生規則第151条の2(車両系荷役運搬機械等の定義)
  • 労働安全衛生規則第151条の14ただし書き(例外の範囲)

禁止規定の条文本文とフォークリフト用途外使用の例示

「事業者は、車両系荷役運搬機械等を荷のつり上げ、労働者の昇降等当該車両系荷役運搬機械等の主たる用途以外の用途に使用してはならない」というのが、労働安全衛生規則第151条の14に置かれた本文で、フォークリフト用途外使用の禁止規定と罰則の起点となる文言です。

禁止類型として明記されているのは「荷のつり上げ」と「労働者の昇降」の2つで、末尾の「等」により類似の目的外使用も包摂されます。ただし書きで「労働者に危険を及ぼすおそれのないとき」の例外を認めていますが、限定的な適用にとどまることが災害事例の対策項目から読み取れます。

条文の構成内容
主体事業者
対象機械車両系荷役運搬機械等(フォークリフトを含む)
禁止行為の例示荷のつり上げ、労働者の昇降
ただし書き労働者に危険を及ぼすおそれのないとき

労働安全衛生規則第151条の14の条文全文は労働安全衛生規則 第2編 第1章の2 荷役運搬機械等に掲載されています。

車両系荷役運搬機械等7種類とフォークリフト用途外使用の対象範囲

車両系荷役運搬機械等7種類を列挙している労働安全衛生規則第151条の2は、フォークリフト用途外使用の罰則が及ぶ機械の範囲を確定させる定義条文で、フォークリフトは第1号に位置づけられています。同条の定義がなければ、第151条の14の禁止対象がどの機械までを含むかを特定できません。

労働安全衛生規則第151条の14の禁止規定は、フォークリフトだけでなくショベルローダー・フォークローダー・ストラドルキャリヤー・不整地運搬車・構内運搬車・貨物自動車にも及びます。社内ルールを作る際にはフォークリフト以外の車両にも同じ視点で用途外使用を洗い出すことが必要です。

  • フォークリフト(第151条の2第1号)
  • ショベルローダー、フォークローダー、ストラドルキャリヤー
  • 不整地運搬車、構内運搬車、貨物自動車

フォークリフトが用途外使用の代表例として「荷のつり上げ」と並ぶのは、クレーンの機能ではなく荷役運搬の機能を主たる用途とする機械として第151条の2第1号に位置づけられているためです。定義条文と禁止条文はセットで読む対象です。


現場でよく起きるフォークリフトの用途外使用と罰則対象のパターン

職場のあんぜんサイトに罰則対象事案として掲載されているフォークリフト用途外使用のパターンは、労働安全衛生規則第151条の14の条文例示に沿って、「荷のつり上げ」と「労働者の昇降」の2類型が中核です。

厚生労働省 職場のあんぜんサイトに掲載された事例No.108は、フォークリフトのツメに労働者を乗せて昇降させ、フォーク先端が梱包箱に引っ掛かって梱包箱が崩れ落ち、床で安全確認していた被災者を直撃した死亡災害です。原因欄には労働安全衛生規則第151条の14違反が明記されています。

  • 労働者の昇降(ツメへの人乗せ、パレット上の作業)
  • 荷のつり上げ(フレコン吊り、ロープ掛け)
  • 連鎖する災害(用途外使用から派生する崩壊・落下)

ツメへの人乗せに起因するフォークリフト用途外使用の墜落災害

ツメやパレットに労働者を乗せて昇降させる使い方は、フォークリフト用途外使用として代表的な罰則対象のパターンです。職場のあんぜんサイト事例No.101149では、フォークに5段積みしたパレットを差し込み、その上に労働者を乗せて地上約4.5mまで上昇させた作業中に労働者が墜落して死亡しました。

同事例の対策項目には、高さ2m以上の場所における作業について墜落防止のための手すり等が取り付けられた作業床を必ず用意することと、フォークリフトのフォーク上では作業を行わないようにすることが記載されています。用途外使用は禁止規定違反であると同時に、労働安全衛生規則第518条以下の墜落防止措置の未履行としても評価されます。

事例情報内容
災害の型墜落、転落
建屋入口の高さ5m
被災者を上昇させた高さ地上約4.5m
結果死亡者1人

事例の全文は職場のあんぜんサイト 労働災害事例No.101149で確認できます。

荷のつり上げがもたらすフォークリフト用途外使用の落下・転倒災害

荷のつり上げはフォークリフト用途外使用の禁止例示に明記された類型で、罰則の対象事案として職場のあんぜんサイトに発生状況が掲載されています。ツメにロープやフレキシブルコンテナの吊り具を引っ掛けて吊り上げる作業がその典型例です。

職場のあんぜんサイト事例No.101393は、フォークリフト1本のフォークにロープを掛けてフレキシブルコンテナを吊り上げようとした結果、偏荷重となり傾斜路でフォークリフトが左側に転倒、誘導していた被災者がバックレスト部と地面の間に下敷きとなり死亡した災害を伝えています。原因欄の第1項目に「フォークリフトを使用して、主たる用途外使用である吊り上げ作業を行っていたこと」と明記されています。

事例情報内容
事例番号No.101393
災害の型転倒
業種貨物取扱業
結果死亡者1人

事例の全文は職場のあんぜんサイト 労働災害事例No.101393で確認できます。


公表事例から読み取るフォークリフト用途外使用と罰則対象の重大災害

厚生労働省 職場のあんぜんサイトの労働災害事例集には、フォークリフト用途外使用の重大災害が、労働安全衛生規則第151条の14違反として原因欄に明記された形で複数掲載され、罰則の対象事案の業種・災害の型・被害の内訳が整理されています。

職場のあんぜんサイト事例No.108は、S運輸株式会社の倉庫内で発生した死亡災害です。ロットナンバーの表示ラベル修正作業で梱包箱を確認する際、フォークのツメに労働者Bを乗せて上昇させたところ、フォーク先端が下から3段目の梱包箱の底板に引っ掛かり、梱包箱が崩れ落ちて床で安全確認していた被災者Cを直撃しました。

  • 職場のあんぜんサイト事例No.108(S運輸株式会社の死亡災害)
  • 職場のあんぜんサイト事例No.101393(フレキシブルコンテナ吊り上げ災害)
  • 職場のあんぜんサイト事例No.101149(フォーク上パレット墜落災害)

職場のあんぜんサイト事例No.108に見るフォークリフト用途外使用の連鎖

倉庫内でフォークリフトのツメに人を乗せた作業が、周囲の被災者を巻き込む連鎖災害を生んだ典型例が、事例No.108のフォークリフト用途外使用の死亡事故で、罰則条文の違反として原因欄に明記されています。使用されたフォークリフトは最大荷重2,000kg・最大揚高3,000mmのカウンターバランス式でした。

フォークを床面から1.6m上昇させたとき、フォーク先端が下から3段目の梱包箱の底板に引っ掛かり、フォーク先端が梱包箱から外れると同時に、3段目から上の梱包箱が崩れ落ちて被災者Cを直撃したという発生状況が記載されています。梱包箱1個の重量は約150kg、寸法は0.95m×0.75m×0.77mです。

事例情報内容
事例番号No.108
業種特定貨物自動車運送業
フォーク上昇高1.6m
梱包箱1個の重量約150kg
結果死亡者1人

事例の全文は職場のあんぜんサイト 労働災害事例No.108で確認できます。同事例は陸上貨物運送事業労働災害防止協会のフォークリフト災害事例集にも「用途外使用、落下した荷物の直撃で死亡」として掲載されています。

公表事例に共通するフォークリフト用途外使用と作業計画欠如の重なり

3つの公表事例をフォークリフト用途外使用と作業計画欠如の観点で並べると、罰則につながる共通の型が浮かび上がります。事例No.108・No.101149・No.101393のいずれも、条文の禁止類型(労働者の昇降または荷のつり上げ)に該当し、作業計画の欠如または墜落防止措置の未実施を伴っています。

事例No.101393の原因欄では、労働安全衛生規則第151条の3の作業計画未策定と、無資格運転、作業指揮者未配置、安全教育未実施が7項目に整理されています。用途外使用の禁止規定違反と作業計画・安全教育の未履行が重なるほど、死亡災害と罰則追及の距離が縮まる関係にあります。

  • 3事例すべてに労働安全衛生規則第151条の14違反が原因欄に記載
  • 2事例で作業計画未策定と安全教育未実施が原因に併記
  • 3事例すべてで死亡者1人という結果

事例No.101393は、フォークリフト用途外使用の吊り上げ作業を誘導していた被災者が下敷きとなった事案で、誘導者の位置と合図の設計は用途外使用防止と切り離せません。誘導者の役割と合図の種類の全体像はフォークリフト誘導者の役割と合図の種類で整理しています。


「危険を及ぼすおそれのないとき」ただし書きが認めるフォークリフト用途外使用と罰則除外の範囲

実務判断で迷いやすい論点となっているのが、労働安全衛生規則第151条の14のただし書きです。「労働者に危険を及ぼすおそれのないとき」という限定的な文言で書かれ、フォークリフト用途外使用の罰則を検討する上での例外規定の位置を占めます。

職場のあんぜんサイト事例No.101149の対策項目は、ただし書きを適用するための具体的措置として3点を挙げています。設置場所・パレット固定・墜落防止措置がすべて揃わなければ、危険を及ぼすおそれのない状態と判断できない設計です。

  • ただし書きの文言と対象
  • 「危険を及ぼすおそれのない」と判断される要件
  • ただし書きに頼らない運用の選択

ただし書きの文言と要件から見るフォークリフト用途外使用の免除枠

免除枠を定めるただし書きは、労働安全衛生規則第151条の14に「ただし、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない」と書かれ、フォークリフト用途外使用の罰則から外れる条件を限定的に示しています。適用要件は「危険を及ぼすおそれのないとき」の1点です。

職場のあんぜんサイト事例No.101149の対策項目には、止むを得ずフォークリフトを用途外で使用しなければならない場合には、フォークリフトを転倒するおそれのない場所に置き、パレットをフォークに固定し、パレットの周囲に十分な高さの手すりや枠を設ける等の墜落防止のための措置を講じた上で作業を行わせなければならないと記載されています。

要件労働災害事例No.101149の対策項目に示された内容
設置場所転倒するおそれのない場所に置く
パレット固定フォークに固定する
墜落防止周囲に十分な高さの手すりや枠を設ける

作業計画の作成・墜落防止措置・固定措置の3点が揃わなければ「危険を及ぼすおそれのないとき」と判断できず、日常の運用でただし書きに頼ることは実質的に困難な設計です。

ただし書きに頼らないフォークリフト用途外使用の代替運用

ただし書きの要件が揃わない場合にフォークリフト用途外使用の罰則を回避する現実的な選択肢は、高所作業車や作業床を別途用意する運用に切り替えることです。事例No.101149の対策項目には、高さ2m以上の場所における作業について、墜落防止のための手すり等が取り付けられた作業床を必ず用意することが明記されています。

職場のあんぜんサイト事例No.101149の対策項目は、作業用足場の設置・高所作業台・高所作業車の準備を選択肢として挙げています。ただし書き適用の判断を現場任せにしないためには、作業計画にただし書きの取り扱いを明文化することが起点となります。

  • 高所作業車を借用または保有し、正規の作業床で行う
  • 足場を設置し、フォークリフトを昇降手段として使わない
  • 作業計画で用途外使用を全面的に禁止する

3つの選択肢はいずれも、事例No.101149の対策項目の「フォークリフトのフォーク上では作業を行わないようにする」という指示に対応します。ただし書きに頼らない運用を作業計画へ書き込むことが、罰則リスクの排除に直結します。


用途外使用を作業計画と手順書から排除しフォークリフト罰則リスクを下げる運用

作業計画と作業指揮者の選任を組み合わせ、書面と現場運用の両方で用途外使用を排除する仕組みが、フォークリフト用途外使用の罰則リスクを現場から下げる本筋です。労働安全衛生規則第151条の3と第151条の4が土台となります。

職場のあんぜんサイト事例No.101393の原因欄では、7項目の原因のうち第5項目に「フォークリフト作業に関する作業計画が定められていなかったこと」、第6項目に「作業指揮者を配置していなかったこと」が挙げられています。作業計画と作業指揮者の欠如は、用途外使用の罰則追及に直結する要素です。

  • 作業計画による事前定義(労働安全衛生規則第151条の3)
  • 作業指揮者による現場統制(労働安全衛生規則第151条の4)
  • 安全作業手順書と安全ルールの明文化

作業計画・作業指揮者が担うフォークリフト用途外使用の排除

作業計画の作成を事業者に義務づけた労働安全衛生規則第151条の3は、フォークリフト用途外使用の罰則リスクを排除する第一歩となる条文です。同条は作業場所の広さ・地形、機械の種類・能力、荷の種類・形状等に適応する作業計画を定めることと、関係労働者への周知を求めています。

作業計画に用途外使用の禁止と代替手段(高所作業車・作業床など)を書き込むことで、現場での判断の揺れを止められます。労働安全衛生規則第151条の4は作業指揮者の選任を求めており、作業計画に基づく指揮を通じて用途外使用の実行を止める役割を担います。事例No.101393では作業指揮者未配置が7項目中の第6項目に位置づけられています。

条文要求事項用途外使用排除における役割
労働安全衛生規則第151条の3作業計画の作成・周知禁止類型と代替手段を書面で明示
労働安全衛生規則第151条の4作業指揮者の選任計画に基づく指揮と現場統制

作業計画は書面として残り、労働基準監督署の立ち入り時にも提示対象となる文書です。日々の現場ルールへ具体化する書き方はフォークリフトの現場安全ルールの作り方で扱っています。

安全作業手順書に落とし込むフォークリフト用途外使用の禁止項目

安全作業手順書にフォークリフト用途外使用の禁止類型と代替手段を明文化することが、罰則リスクを運用面から下げる有効な手立てです。事例No.101393の対策項目でも、フォークリフト作業計画の作成と関係者への周知徹底が最初に挙げられています。

手順書に書き込む項目は、条文の禁止類型(荷のつり上げ・労働者の昇降)を起点に、代替手段(高所作業車・作業床)と、ただし書きに頼らない運用方針の3点です。安全作業手順書と作業計画・チェックシートを紐づけることで、監督署への提示物として整理できます。

  • 荷のつり上げ・労働者の昇降の全面禁止を明記する
  • 代替手段として高所作業車・作業床・玉掛用具付きクレーンの使用を書き込む
  • ただし書き適用の判断は事業者に限定し、現場では適用しない

安全作業手順書の作り方と用途外使用禁止項目を織り込む章立ての例はフォークリフトの安全作業手順書の作り方で解説しています。


読者から寄せられるフォークリフト用途外使用の罰則の疑問

条文・災害事例・現場運用の3系統に分けて、読者から寄せられるフォークリフト用途外使用の罰則の疑問を整理しました。実務判断で迷いやすい論点に絞って回答しています。

質問は6項目に絞りました。それぞれの回答は100文字以上で、単体で意味が通る形で整理しています。

フォークリフトの用途外使用の罰則はいくらですか?

労働安全衛生法第119条第1号により、フォークリフトの用途外使用の罰則は6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。労働安全衛生規則第151条の14違反は労働安全衛生法第20条の措置義務違反として構成され、行為者に対して同罰則が科されます。加えて、労働安全衛生法第122条の両罰規定により、法人にも50万円以下の罰金が併せて科されます。「拘禁刑」は2025年6月1日施行の刑法改正で懲役と禁錮が一本化された刑罰の名称です。

フォークのツメに人を乗せて高所作業をさせるのは違反ですか?

フォークのツメに人を乗せる高所作業は、労働安全衛生規則第151条の14が禁止する「労働者の昇降」に該当する用途外使用で、罰則の対象です。職場のあんぜんサイト事例No.101149は、フォークに5段積みしたパレットを差し込み、その上に労働者を乗せて地上約4.5mまで上昇させた作業中に死亡災害が発生したケースを報告しています。事例No.108も同様の使い方で梱包箱が崩れ、床の被災者を直撃した死亡災害を示しています。

フォークリフトでフレコンを吊り上げるのは用途外使用ですか?

フレコンをフォークで吊り上げる作業は、労働安全衛生規則第151条の14が禁止する「荷のつり上げ」に該当する用途外使用で、罰則の対象です。条文はフォークリフトを含む車両系荷役運搬機械等について、荷のつり上げを主たる用途以外の使用として例示しています。職場のあんぜんサイト事例No.101393では、1本のフォークにロープを掛けてフレキシブルコンテナを吊り上げた結果、偏荷重で転倒し、誘導者が死亡した災害が報告されています。

ただし書きが適用されるのはどのような場面ですか?

「労働者に危険を及ぼすおそれのないとき」に限って、労働安全衛生規則第151条の14のただし書きは適用されます。職場のあんぜんサイト事例No.101149の対策項目には、止むを得ずフォークリフトを用途外で使用する場合には、転倒するおそれのない場所に置き、パレットをフォークに固定し、周囲に十分な高さの手すりや枠を設ける等の墜落防止措置を講じる必要があると記載されています。日常の運用でただし書きを適用することは実質的に困難な設計です。

用途外使用で送検されるのは事業者だけですか?

労働安全衛生法第122条の両罰規定により、行為者と法人の両方が処罰の対象となります。行為者本人が労働安全衛生法第119条第1号により6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象となり、これに加えて法人にも50万円以下の罰金が科されます。両罰規定は、代表者や指示者を処罰するだけでは法人による組織的な違反行為を抑止できないという趣旨で置かれた条文です。

2025年の刑法改正で「拘禁刑」に変わったのはなぜですか?

2025年6月1日施行の刑法改正で、それまでの「懲役」と「禁錮」が「拘禁刑」に一本化されました。労働安全衛生法第119条の現行条文でも、フォークリフトの用途外使用の罰則を含む第119条各号違反は「六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」と記載されています。改正前の資料では「6月以下の懲役」と書かれている場合がありますが、現行条文の刑罰名称は「拘禁刑」に統一されています。


まとめとしてのフォークリフト用途外使用の罰則の要点

4本の条文が連結した法体系として、労働安全衛生規則第151条の14の禁止規定・労働安全衛生法第20条の措置義務・第119条第1号の罰則・第122条の両罰規定が組み合わさり、フォークリフト用途外使用の罰則が運用されています。

本記事で整理してきた論点は、条文の3層構造・禁止類型・公表災害事例・ただし書きの範囲・現場運用の5系統です。以下に要点を並べます。

  • 労働安全衛生規則第151条の14が主たる用途以外の使用を禁止
  • 行為者に6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、法人にも両罰規定で罰金
  • 荷のつり上げ・労働者の昇降が代表的な禁止類型
  • 職場のあんぜんサイト事例No.108・No.101149・No.101393が典型的な公表事例
  • 作業計画・作業指揮者・安全作業手順書で用途外使用を排除する

フォークリフトの用途外使用の罰則を「起きなければ問題にならない」と読み替えると、公表事例が示すとおり、重大災害の発生と同時に行為者と法人の両方に罰則が及ぶ状況が生まれます。禁止類型の理解・作業計画への織り込み・ただし書きに頼らない運用の3点で、現場と書面の両方から用途外使用を排除することが起点となります。

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