運送会社の人手不足と採用対策【2026年】原因・データ・着手の順番

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運送会社の人手不足は、採用対策を求人広告の出稿量だけで考えると解消しにくく、待遇と働き方、採用チャネル、求人情報、定着の順に見直すと手戻りを減らせるため、採用の現場で迷いやすい5つの場面と答えを以下の表にまとめました。

経営者が迷いやすい場面答え
求人を出しても応募がほとんど来ないが、うちの会社だけの問題なのか自社だけの問題ではない。トラックドライバーの求人は求職者を大きく上回り、業界全体で人を取り合っている。運送会社の人手不足の現状データへ
ドライバー不足は大げさだという話も聞くが、本当のところはどうなのか改善した数字はあるが、人手不足は続いている。改善と悪化の両方を数字で確かめてから判断する。ドライバー不足は嘘かの検証へ
2024年4月から残業の上限が変わり、今の人数で仕事を回せるのか不安だ運行ごとの拘束時間を記録し、上限内に収まるかを先に確かめる。上限を超える時間が、採用で補う人数の目安になる。2024年問題の影響へ
給料を大きく上げる余裕はないが、採用対策は何から手を付ければよいのか費用の少ない求人票の書き直しと、今いるドライバーの労働時間の確認から着手する。着手する順番は月ごとに整理できる。今月から着手する順番へ
求人媒体に毎月費用を払っているが、ホームページに力を入れる意味はあるのか意味はある。求人票に書ききれない仕事の中身を伝える場として、自社サイトは応募前の判断材料になる。ホームページとSEOの役割へ

この記事を読むと、自社の採用の苦戦が業界全体の数字と比べてどの程度かを把握し、今月から着手する対策の順番を決められるようになります。一方で、原因を確かめないまま求人広告の出稿量だけを増やすと、応募が集まっても早期の離職が続き、広告費と教育の時間が二重にかかるケースがあります。

まずは、物流業界と運送会社の人手不足がどの程度なのかを、厚生労働省と国土交通省のデータで確認しましょう。

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物流業界の人手不足の解決策は?運送会社の人手不足と採用対策をデータで確認

運送会社の人手不足は個社の採用対策だけでは説明できない業界全体の課題で、2026年8月の自動車運転従事者の有効求人倍率は2.54倍と、職業計の1.06倍の2倍を超えています。

物流業界の人手不足の解決策は、国による運賃や労働時間の制度改正と、各社の採用対策の両面で進められています。ここでは、次の3点を数字で確認します。

  • 運送会社の有効求人倍率は職業計の2倍超
  • 運送会社を支えるドライバーは20年で約2割減り、平均年齢は50.0歳
  • 物流業界の人手不足に国が示した解決策

3つの数字を押さえると、自社の採用の苦戦が個別の問題か、業界に共通する問題かを切り分けられます。

運送会社の有効求人倍率は職業計の2倍超

運送会社の人手不足を採用対策の前に数字で確かめると、求人の出し方を変えるか、労働条件を変えるかの判断に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、自社の苦戦を業界の数字と比べられる状態を目指しましょう。

厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」の参考統計表によると、常用(パート含む)の自動車運転従事者の有効求人倍率は2.54倍で、職業計の1.06倍を大きく上回っています。※1

主な指標を職業計と並べると、次のとおりです。

指標(2026年8月)自動車運転従事者職業計
有効求人倍率2.54倍1.06倍
新規求人倍率3.45倍1.98倍
有効求人数98,541人2,028,673人
有効求職者数38,750人1,914,602人

有効求人倍率とは、ハローワークに出された有効求人数を有効求職者数で割った値を指します。2.54倍は、求職者1人に対して求人が2.5件ある計算になります。この表の値は季節調整をしていない原数値で、厚生労働省の報道発表の見出しにある季節調整値とは別の数字です。

運送会社を支えるドライバーは20年で約2割減り、平均年齢は50.0歳

運送会社の人手不足を採用対策の視点で見るときは、求人倍率に加えて働き手の人数と年齢を確かめると、数年後の欠員を見通す判断に繋げやすくなります。以下の推移を見て、自社のドライバーの年齢構成と比べてみましょう。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の『日本労働研究雑誌』に掲載された論文「トラック運送業におけるドライバー不足問題の現状と今後の対応」は、国勢調査をもとにトラックの運転従事者数と平均年齢の推移を示しています。※2

年トラックの運転従事者数平均年齢
2000年97.3万人41.6歳
2010年78.4万人45.0歳
2020年77.9万人48.3歳

2000年から2020年までに、運転従事者数は約2割減った計算になります。2015年の76.7万人からは下げ止まった一方、平均年齢は上がり続けています。※2 公益社団法人全日本トラック協会「2025年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」でも、男性運転者の平均年齢は50.0歳(前年度49.7歳)です。※3

今いるドライバーが定年を迎える時期を年齢から逆算すると、採用で補う人数と時期を早めに見積もれます。年齢の分布は、社内の名簿から集計できます。

物流業界の人手不足に国が示した解決策

運送会社の人手不足への採用対策は、国の制度改正と組み合わせて進めると、賃上げの原資を確保し、受け入れる人材の幅を広げることに繋げやすくなります。以下の3つの制度を押さえ、自社の採用対策に使える状態を目指しましょう。

2024年以降に動いた主な制度は、次のとおりです。

制度内容運送会社の採用対策との関係
標準的な運賃2024年3月22日に告示。運賃水準を8%引き上げ、荷役の対価等を加算運賃交渉の材料にし、賃上げの原資を確保する
時間外労働の上限2024年4月から、臨時的特別な事情がある場合でも年960時間1人が担える運行に上限がかかり、採用で補う量が増える
特定技能「自動車運送業」分野2024年3月29日に対象分野への追加を閣議決定外国人ドライバーを受け入れる選択肢が加わる

国土交通省の報道発表「新たなトラックの標準的運賃を告示しました」は、運賃水準を8%引き上げるとともに、荷役の対価等を加算したと説明しています。※4 国土交通省「特定技能制度における自動車運送業分野の制度概要」には、バス・タクシー・トラックの運転手を対象分野へ追加する閣議決定の日付が記載されています。※5 時間外労働の上限は、2024年問題を扱う章で詳しく確認します。

(※1)出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」参考統計表
(※2)出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構『日本労働研究雑誌』No.764(2024年2・3月号)
(※3)出典:公益社団法人全日本トラック協会「2025年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態(本編抜粋)」
(※4)出典:国土交通省「新たなトラックの標準的運賃を告示しました」(2024年3月22日)
(※5)出典:国土交通省「特定技能制度における自動車運送業分野の制度概要」(2024年3月)


ドライバー不足は嘘か?運送会社の人手不足と採用対策に関わる数字を検証

運送会社の人手不足は、離職率の低下や賃金の上昇など改善した数字もあるため「嘘」と言われることがありますが、有効求人倍率は2.54倍で、採用対策が必要な状況は続いています。

ドライバー不足は嘘かという疑問には、改善した指標と、悪化または横ばいの指標を分けて見ると答えが出ます。ここでは、次の2点を確認します。

  • ドライバー不足が嘘と言われる根拠になる改善した数字
  • 運送会社の人手不足が続いていると判断できる数字

2つを並べると、自社が新たに取り組むべき採用対策と、すでに業界で効果が出始めている取り組みを区別できます。

ドライバー不足が嘘と言われる根拠になる改善した数字

運送会社の人手不足を採用対策の効果から見ると、改善している数字があることを確認でき、定着の取り組みを続ける判断に繋げやすくなります。以下の表を見て、業界で改善が進んでいる点を押さえましょう。

指標変化読み方
運輸業,郵便業の離職率10.2%(2024年)→9.0%(2025年)辞める人の割合が下がった
運輸業,郵便業の入職超過率−0.2ポイント(2024年)→0.6ポイント(2025年)入る人が辞める人を上回った
男性運転者の月例賃金前年度比4.1%増の374,900円(2025年度版)賃上げが進んでいる
トラックの運転従事者数76.7万人(2015年)→77.9万人(2020年)減少が下げ止まった

離職率と入職超過率は、厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」と「令和6年雇用動向調査結果の概要」の産業別の値です。※1 入職超過率とは、入職率から離職率を引いた値を指します。2025年の運輸業,郵便業は、入職率9.6%が離職率9.0%を上回りました。※1 賃金は全日本トラック協会の賃金・労働時間等の実態調査の値です。※2

一部の数字が改善している背景には、標準的な運賃の引き上げや、働き方を見直した事業者の増加があると考えられます。改善している数字は、自社の対策にも効果が見込めることの裏付けとして使えます。

運送会社の人手不足が続いていると判断できる数字

運送会社の人手不足を採用対策の必要性から見直すと、求人倍率の高さと年齢の上昇が続いていることが分かり、対策を先送りしない判断に繋げやすくなります。以下の数字を押さえ、ドライバー不足が続いていると判断できる状態を目指しましょう。

人手不足が続いていると判断できる数字は、次のとおりです。

  • 自動車運転従事者の有効求人倍率は2.59倍(2025年8月)から2.54倍(2026年8月)へ下がったものの、職業計1.06倍の2倍を超える※3
  • 男性運転者の平均年齢は49.7歳から50.0歳へ上がり、高齢化が続く※2
  • 2015年から2020年の運転従事者数は横ばいだが、2000年の97.3万人と比べると約2割少ない※4

前年同月の値は厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年8月分)」の参考統計表で確認できます。※3 ドライバー不足は嘘という意見は、改善した数字の一部だけを見た場合に出やすい見方だと言われています。改善と悪化の両方を並べて、自社の判断材料にしてください。

(※1)出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」産業別の入職と離職、厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」産業別の入職と離職
(※2)出典:公益社団法人全日本トラック協会「2025年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態(本編抜粋)」
(※3)出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年8月分)」参考統計表、厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」参考統計表
(※4)出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構『日本労働研究雑誌』No.764(2024年2・3月号)


2024年問題でドライバー不足はどう変わったか?運送会社の人手不足と採用対策への影響

運送会社の人手不足は、2024年4月にトラック運転者の時間外労働へ年960時間の上限が適用されたことで、1人が担える運行量に限りが生じ、採用対策の必要性が高まりました。

2024年問題とドライバー不足の関係は、労働時間のルールと輸送力の推計の2つに分けると整理できます。2024年問題は法令上の正式な呼称ではなく、2024年4月から自動車運転の業務に時間外労働の上限規制が適用されたことを指して使われている表現と考えられます。ここでは、次の2点を確認します。

  • 2024年4月から変わったトラック運転者の労働時間のルール
  • 2024年問題で見込まれた輸送力の不足と前提

2つを押さえると、自社に必要な採用の人数を、労働時間の上限から逆算できるようになります。

2024年4月から変わったトラック運転者の労働時間のルール

運送会社の人手不足を採用対策で補う量は、労働時間のルールに当てはめて運行を見直すと、何人を増やせばよいかの判断に繋げやすくなります。以下の上限を押さえ、自社の運行が収まっているかを確かめられる状態を目指しましょう。

改善基準告示とは、厚生労働大臣が定めた「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を指し、拘束時間や休息期間の上限を定めています。厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示」(自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト)が示す主な上限は、次のとおりです。※1

項目上限確認する記録
時間外労働原則月45時間・年360時間。臨時的特別な事情がある場合でも年960時間時間外労働の月別の累計
1年の拘束時間原則3,300時間以内(例外3,400時間以内)年間の拘束時間の累計
1か月の拘束時間原則284時間以内(例外310時間以内、年6か月まで)月別の拘束時間
1日の拘束時間原則13時間を超えない(始業時刻から起算し24時間)運転日報の始業・終業時刻
休息期間継続11時間を与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回らない終業から次の始業までの時間

上限を超えそうな運行は、採用で人数を増やすか、荷待ち時間を減らすかのどちらかで対応します。荷待ち時間の削減には荷主との交渉が必要なため、採用と並行して進めてください。

2024年問題で見込まれた輸送力の不足と前提

運送会社の人手不足を2024年問題の推計と合わせて読むと、採用対策を何年先まで続けるべきかの判断に繋げやすくなります。以下の前提を押さえ、推計の数字を正しく受け取れる状態を目指しましょう。

国土交通省「国土交通白書2024」のコラム「物流2024年問題への対応について」は、このまま対策を講じなければ、2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力が不足すると見込まれていると説明しています。※2 この値は対策を何も取らなかった場合の推計であり、確定した未来ではありません。放置した場合の上限値として受け取るのが適切です。

藤崎 遊も物流関連の記事を制作する中で、2024年問題と2030年問題が繰り返し論点として出てくることを確認しました。一方で、両者の違いを整理した情報は見つけにくく、用語だけが先行して中身が整理されていないと感じました。運送会社の採用対策では、用語の整理より、自社の運行が労働時間の上限に収まるかを数字で確かめることを優先してください。

(※1)出典:厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示」(自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト)
(※2)出典:国土交通省「国土交通白書2024」コラム「物流2024年問題への対応について」


運送業の人手不足の原因は?運送会社の人手不足と採用対策で見直す4つの要因

運送会社の人手不足の主な原因は、全産業より長い労働時間、全産業平均より低い賃金、業界イメージ、採用方法の固定化の4つで、採用対策はこの4つを自社に当てはめることから始まります。

運送業の人手不足の原因は、働く条件の問題と、求職者への伝え方の問題に分かれます。4つの原因と、自社で確かめることは次のとおりです。

原因根拠自社で確かめること
長い労働時間大型2,544時間、中小型2,508時間(全産業2,136時間、2023年)ドライバーごとの年間労働時間
低い賃金大型485万円、中小型438万円(全産業平均507万円、2023年)地域の同業他社の求人票の給与
業界イメージ長時間で体力が必要な仕事という印象が持たれやすいと言われる求人票と自社サイトの写真・文章
採用方法の固定化同じ求人媒体に同じ文面で掲載し続けるケースがある応募経路ごとの応募数

ここでは、次の2点を詳しく確認します。

  • 運送会社の労働時間と賃金は全産業とどれだけ違うか
  • 運送会社の業界イメージと採用方法の固定化が応募を減らす理由

原因を自社に当てはめると、費用をかけるべき対策と、費用をかけずに直せる対策を区別できます。

運送会社の労働時間と賃金は全産業とどれだけ違うか

運送会社の人手不足の原因を採用対策の材料にするには、労働時間と賃金を全産業と比べると、求人票で何を改善すべきかの判断に繋げやすくなります。以下の数字を押さえ、自社の条件を説明できる状態を目指しましょう。

国土交通省「国土交通白書2025」によると、2023年のトラックドライバーの年間労働時間は大型が2,544時間、中小型が2,508時間で、全産業の2,136時間より約2割長くなっています。※1 年間平均賃金は大型が485万円、中小型が438万円で、全産業平均の507万円より約5〜15%低い水準です。※1

自社のドライバーの年間労働時間と賃金をこの数字と並べると、求人票で強みとして示せる点と、改善が必要な点が分かります。全産業の水準を上回る項目があれば、求人票の冒頭に書いてください。

運送会社の業界イメージと採用方法の固定化が応募を減らす理由

運送会社の人手不足を業界イメージと採用方法の面から見直すと、費用をかけずに着手できる採用対策を見つけることに繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、求職者に伝わっていない情報を書き出せる状態を目指しましょう。

独立行政法人労働政策研究・研修機構『日本労働研究雑誌』掲載の論文によると、自動車運転の職業の求職者のうち60代以上の比率は、2012年度の27.3%から2020年度の39.8%に拡大しました。※2 若い世代の応募が少ない背景には、トラックドライバーの仕事に長時間で体力が必要という印象が持たれやすいことがあると言われています。

採用方法が固定化しているときに見られやすい状態は、次のとおりです。

  • 何年も同じ求人媒体に同じ文面で掲載している
  • 求人票に給与と勤務地だけを書き、1日の流れや積み荷を書いていない
  • 応募経路ごとの応募数と採用数を記録していない

3つのうち1つでも当てはまる場合は、労働条件を変える前に、伝え方を変える対策から着手すると費用を抑えられます。

(※1)出典:国土交通省「国土交通白書2025」第1章第1節「直面する課題」
(※2)出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構『日本労働研究雑誌』No.764(2024年2・3月号)


人手不足を放置するとどうなる?運送会社の人手不足と採用対策を先送りした損失

運送会社の人手不足を採用対策なしで放置すると、受注を断る場面が増え、残ったドライバーの負担と離職が重なり、事故のリスクも高まりやすくなります。2025年度の道路貨物運送業の人手不足倒産は55件です。

人手不足を放置したときの損失は、売上、人、安全の3つに分かれます。ここでは、次の3点を確認します。

  • 運送会社の人手不足による受注の減少と倒産の動向
  • 運送会社の人手不足が既存ドライバーの負担と離職を重ねる流れ
  • 運送会社の人手不足が事故のリスクを高める仕組み

損失の順番を知っておくと、採用対策の費用を経営判断として社内に説明しやすくなります。

運送会社の人手不足による受注の減少と倒産の動向

運送会社の人手不足が採用対策で解消できないまま続くと、ドライバーの数が運べる量の上限になり、受注を断ることに繋がりやすくなります。以下の数字を見て、人手不足が経営に与える影響を把握しましょう。

帝国データバンク「“道路貨物運送業”の倒産動向(2025年度)」によると、2025年度の道路貨物運送業の倒産は321件で、前年度を下回ったものの過去4番目の高水準でした。※1 人手不足倒産は全業種441件のうち道路貨物運送業が55件で、全体の12.5%を占めています。※1

運送の仕事は、ドライバーと車両の数が運べる量の上限を決めます。欠員が出ると、荷主の繁忙期の依頼に応えられず、取引の条件が見直されるケースがあります。荷主ごとの運行と担当ドライバーを一覧にし、欠員が出たときに代わりに走れる人を決めておいてください。

運送会社の人手不足が既存ドライバーの負担と離職を重ねる流れ

運送会社の人手不足を採用対策で補わずに残業で補うと、既存ドライバーの負担が増え、離職が次の欠員を生む流れに繋がりやすくなります。以下の流れを押さえ、どこで止めるかを決められる状態を目指しましょう。

欠員から離職が重なる流れは、次のとおりです。

  1. 欠員が出て、残ったドライバーの残業と休日出勤が増える
  2. 労働時間が上限に近づき、休みが取りにくくなる
  3. 負担を理由に別のドライバーが辞め、次の欠員が出る

藤崎 遊は宅配便を受け取る場面で、配達員によって応対の仕方に幅があると感じたことがあります。若い配達員と中高年の配達員のいずれにも、そう感じる場面がありました。教育や研修の時間が取れていないのかもしれないと考えています。人手が足りない職場では、採用の間口を広げる圧力と、教育の時間を削る圧力が同時にかかりやすくなります。

流れを止めるには、欠員が出る前に採用を始め、新人の教育の時間を配車の計画に組み込むことが大切です。

運送会社の人手不足が事故のリスクを高める仕組み

運送会社の人手不足を採用対策より先に労働時間の延長で補うと、疲労が重なりやすくなり、事故のリスクを高めることに繋がりやすくなります。以下の3段で、リスクと回避策を確認しましょう。

厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示」は、終業から次の始業までの休息期間について、継続11時間を与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回らないと定めています。※2

欠員を残業で補う状態が続くと、休息期間が下限に近い運行が増え、疲労による確認漏れが起きやすくなるケースがあります。

点呼の記録と運転日報から休息期間を週ごとに確かめ、9時間を下回りそうな運行は配車を組み替えてください。

(※1)出典:帝国データバンク「“道路貨物運送業”の倒産動向(2025年度)」(2026年4月8日)
(※2)出典:厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示」(自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト)


運送会社の人手不足と採用対策は何から?自社でできる5つの対策

運送会社の人手不足への採用対策は、待遇と働き方、採用チャネル、求人票と自社サイト、受け入れる人材の幅、定着の5つに分けると、費用の少ない対策から順に着手しやすくなります。

5つの対策は、どれも今いるドライバーと応募者の両方に効く点で共通しています。この章は5つの対策を順に扱います。自社で着手済みの対策は読み飛ばしても差し支えありません。

  • 運送会社の待遇と働き方を見直す
  • 運送会社の採用チャネルを広げる
  • 運送会社の求人票と自社サイトを書き直す
  • 運送会社が未経験者・女性・シニア・外国人を受け入れる
  • 運送会社のドライバーが定着する仕組みを作る

対策ごとの効果と着手のしやすさは、次のとおりです。

対策主な効果着手のしやすさ
待遇と働き方の見直し応募と定着の両方を増やす運賃交渉と制度づくりが必要
採用チャネルの見直し応募の入口を増やすすぐ着手できる
求人票と自社サイトの改善応募前の不安を減らすすぐ着手できる
受け入れる人材の幅を広げる応募者の母数を増やす教育の準備が必要
定着の仕組みづくり離職による欠員を減らす数か月かけて整える

次の項目から、自社の状況に合う対策を選んで読み進めてください。

運送会社の待遇と働き方を見直す

運送会社の人手不足への採用対策として待遇と働き方を見直すと、応募の増加と離職の減少の両方に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、求人票に書ける条件を増やせる状態を目指しましょう。

見直しの対象になりやすい項目は、次のとおりです。

  • 運賃:国土交通省が告示した標準的な運賃(運賃水準8%引き上げ)を材料に荷主と交渉し、賃上げの原資を確保する※1
  • 働き方:休日を重視する働き方や、上限内でしっかり稼ぐ働き方など、複数のコースからドライバーが選べるようにする
  • 評価:運転の安全や荷主からの評価を等級と賃金に反映し、昇給の基準を示す
  • 休暇:男性も含めた育児休業の制度を、説明会などで周知する

全日本トラック協会の賃金・労働時間等の実態調査では、男性運転者の月例賃金は前年度比4.1%増でした。※2 同業他社も賃上げを進めているため、賃金だけで差をつけるより、働き方を選べることや評価の基準を示すことも組み合わせてください。

運送会社の採用チャネルを広げる

運送会社の人手不足への採用対策で採用チャネルを複数に広げると、1つの求人媒体の反応に左右されない状態に繋げやすくなります。以下の表を見て、自社がまだ使っていない入口を探しましょう。

チャネル特徴向いている場面
ハローワーク公共職業安定所が地域の求職者に求人を紹介する地元で長く働く人を採用したい
求人媒体・求人検索サイト掲載の量や期間に応じて費用がかかる短期間で応募を集めたい
社員紹介在籍ドライバーの知人に声をかけてもらう職場の雰囲気を知った人を採用したい
インターンシップ・職場体験学生や若年層が仕事を体験できる若手の採用を始めたい
自社サイト求人票に書けない情報を載せられる応募前の不安を減らしたい

全日本トラック協会「インターンシップ導入促進支援事業」は、中小企業に当たる会員事業者を対象に、3日間で9万円、4日間で11万円、5日間以上で13万円を助成しています。※3 申請は地方のトラック協会ごとに1事業者1回に限られます。※3

求人媒体だけに頼る採用は、掲載をやめると応募が止まり、費用が積み上がりやすいと言われています。ドライバー派遣会社を例にした求人媒体依存のリスクは、ドライバー派遣の採用難の原因と求人媒体依存のリスクを解説した記事で詳しく扱っています。

採用単価(採用1人あたりにかかる費用)は、チャネルごとに異なります。応募数だけでなく、採用数と費用を応募経路ごとに記録すると、費用をかけるべきチャネルが分かります。

運送会社の求人票と自社サイトを書き直す

運送会社の人手不足への採用対策で求人票と自社サイトを書き直すと、応募前の不安を減らし、応募の増加と入社後の定着に繋げやすくなります。以下の項目を押さえ、求職者が働く姿を想像できる求人情報を目指しましょう。

藤崎 遊は中学から高校のころ、どの仕事が自分に向いているか、その仕事が実際にどんな内容なのかを知りたくて、本屋を何度も回りました。しかし、知りたい情報はどこにも書かれていませんでした。仕事の中身が書かれていない求人票では、求職者が自分に合うかを判断できず、応募を見送るケースがあると考えています。

求人票と自社サイトに書く項目は、次のとおりです。

項目書く内容求職者が判断できること
1日の流れ出庫から帰庫までの時刻と作業生活のリズムに合うか
車種と積み荷運転する車両の大きさと、運ぶ荷物の種類必要な免許と体力
労働時間の実績月の拘束時間や休日数の実績家族との時間を取れるか
給与の内訳基本給、手当、賞与の内訳と昇給の基準収入の見通し
教育体制同乗研修の期間と担当者未経験でも始められるか

求人票の文字数に限りがある場合は、自社サイトに詳しい情報を載せ、求人票から自社サイトへ案内してください。数字は実績を書き、見込みの数字には「見込み」と添えると、入社後の食い違いを防げます。

運送会社が未経験者・女性・シニア・外国人を受け入れる

運送会社の人手不足への採用対策で受け入れる人材の幅を広げると、応募者の母数を増やすことに繋げやすくなります。以下の表を見て、自社が受け入れの準備をできる層から始めましょう。

対象現状の数字・制度受け入れの準備
未経験者全日本トラック協会に若年ドライバー等の運転免許取得支援助成事業がある※4準中型免許などの取得支援と同乗研修
女性トラックドライバーに占める女性の割合は2.3%(2020年)※5更衣室・トイレの整備、勤務時間の選択肢
シニア自動車運転の職業の求職者のうち60代以上が39.8%(2020年度)※6荷役の負担が軽い運行への配置
外国人特定技能「自動車運送業」分野の受入れ見込数は24,500人(2025年7月15日現在の掲載)※7運転免許の取得と生活の支援

女性ドライバーの割合は、運転者職場環境良好度認証制度のサイトの記事「女性トラックドライバー「トラガール」を促進すべき3つの理由と活躍の条件とは」が紹介している2020年の値です。※5 外国人ドライバーの受入れ見込数は、出入国在留管理庁「自動車運送業分野」に掲載されています。※7 受け入れの幅を広げるときは、教育の担当者と期間を先に決めてください。教育の時間がないまま採用すると、早期の離職に繋がりやすくなります。

運送会社のドライバーが定着する仕組みを作る

運送会社の人手不足への採用対策は、採用した人が定着する仕組みと組み合わせると、採用にかけた費用と時間を無駄にしないことに繋げやすくなります。以下の制度を押さえ、定着の取り組みを外部に示せる状態を目指しましょう。

制度・取り組み内容運送会社にとっての利点
運転者職場環境良好度認証制度(働きやすい職場認証制度)国土交通省が創設し、一般財団法人日本海事協会が認証する。一つ星から三つ星の3段階求職者に職場環境を示せる
人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)雇用管理制度や業務負担軽減機器等の導入で離職率の低下に取り組む事業主が対象制度づくりの費用の一部を賄える
定期面談と評価の基準ドライバーと定期的に面談し、評価の基準を示す辞める前に不満を把握できる

国土交通省の報道発表「「働きやすい職場認証制度」令和5年度認証事業者公表のお知らせ」によると、2024年4月5日の発表時点で認証事業者は3,735社、うちトラック事業者は2,502社です。※8 認証の手続きは運転者職場環境良好度認証制度の公式サイトで確認できます。人材確保等支援助成金の要件と助成額は、厚生労働省「人材確保等支援助成金」で確認してください。※9

(※1)出典:国土交通省「新たなトラックの標準的運賃を告示しました」(2024年3月22日)
(※2)出典:公益社団法人全日本トラック協会「2025年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態(本編抜粋)」
(※3)出典:公益社団法人全日本トラック協会「令和8年度インターンシップ導入促進支援事業」
(※4)出典:公益社団法人全日本トラック協会「若年ドライバー等確保のための運転免許取得支援助成事業」
(※5)出典:運転者職場環境良好度認証制度「女性トラックドライバー「トラガール」を促進すべき3つの理由と活躍の条件とは」(2022年5月27日)
(※6)出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構『日本労働研究雑誌』No.764(2024年2・3月号)
(※7)出典:出入国在留管理庁「自動車運送業分野」
(※8)出典:国土交通省「「働きやすい職場認証制度」令和5年度認証事業者公表のお知らせ」(2024年4月5日)
(※9)出典:厚生労働省「人材確保等支援助成金」


ホームページとSEOは役立つか?運送会社の人手不足と採用対策をWebで支える方法

運送会社の人手不足への採用対策では、求人票に書ききれない仕事の中身を自社のホームページで伝えると、応募者が働く姿を想像しやすくなり、面接の前に相性を判断してもらえるケースがあります。

公益社団法人全日本トラック協会「中小トラック運送事業者のためのITベスト事例集」は、営業所1か所・車両10台の事業者が、ホームページの作成と検索連動型広告の活用で、新規顧客の問い合わせを月平均10件程度に増やした事例を紹介しています。※1 同じ事例では、ホームページを見て業務や会社の雰囲気が合うと感じた応募者が好意的な印象で訪問するようになり、採用にも効果があったと報告されています。※1

藤崎 遊も、横浜パパblog(ksdtu.com)に公開したフォークリフト関連の記事に無料マニュアルの先行予約フォームを設置し、物流関連企業の登録を得ました。記事から実際に反応が返ってきた経験から、検索で見つけてもらえるページを持つことには、求人広告とは別の役割があると考えています。

SEO(検索エンジン最適化のこと)は、求職者や荷主が検索したときに、自社のページを上位に表示させるための取り組みです。運送会社が採用と集客の両方にSEOを使う考え方は、ドライバーSEOとは何かを解説した記事で詳しく扱っています。

求人媒体や広告と比べたときの費用面と資産面の違いは、ドライバーSEOのメリットと注意点を整理した記事で確認できます。

ホームページは採用だけでなく、荷主からの問い合わせを増やす集客の入口にもなります。荷主向けの集客は採用とは載せる情報が異なるため、求人の情報と分けてページを作ると、それぞれの読み手に伝わりやすくなります。

(※1)出典:公益社団法人全日本トラック協会「中小トラック運送事業者のためのITベスト事例集」


運送会社の改善事例は?国土交通省の好事例に学ぶ人手不足と採用対策の取り組み

運送会社の人手不足と採用対策の改善事例として、国土交通省の好事例集は、働き方を3つのコースから選べるようにしてドライバーの応募が前年の10倍の200人に増えた事業者を紹介しています。

運送会社の改善事例と取り組みに共通するのは、ドライバーが自分の働き方や評価の基準を理解できるようにした点です。ここでは、国土交通省「トラック運送業も雇用改革 好事例集」(令和7年3月)から、次の2点を確認します。

  • 運送会社が働き方を選べるようにした改善事例
  • 運送会社が評価と休暇の制度を整えた改善事例

取り上げる3社はいずれも従業員30名台の事業者で、中小の運送会社が自社に置き換えて検討しやすい事例です。

運送会社が働き方を選べるようにした改善事例

運送会社の人手不足への採用対策として働き方を選べる仕組みを作ると、生活に合わせて働きたい求職者の応募に繋げやすくなります。以下の事例を見て、自社で用意できるコースを考えてみましょう。

愛知県みよし市の株式会社mirai計画(従業員35名、うちドライバー32名)は、働き方を3つのコースから選べる制度を設けました。※1 3つのコースの内容は、次のとおりです。

  • ライトコース:土日・祝日休みで、残業を極力なくす
  • バランスコース:残業を1日2時間程度までにし、収入と生活を両立する
  • プロフェッショナルコース:時間外労働の上限規制の範囲内でしっかり稼ぐ

株式会社mirai計画では、この仕組みを取り入れてからドライバーの応募が前年の10倍の200人に増え、そのうち15人を正社員として採用しました。※1

コースを設ける前に、運行ごとの労働時間を把握しておく必要があります。どの運行をどのコースに割り当てられるかが分からないと、ドライバーとのコースの約束を守れなくなるためです。

運送会社が評価と休暇の制度を整えた改善事例

運送会社の人手不足への採用対策として評価と休暇の制度を整えると、在籍するドライバーの納得感を高め、定着に繋げやすくなります。以下の表を見て、自社に取り入れやすい制度を選びましょう。

事業者取り組み結果
株式会社カワキタエクスプレス(三重県亀山市、従業員34名)360度評価を導入し、男性社員に育児休暇の制度の周知と説明会を実施した男性の育児休暇の取得率が100%になった(利用者は年2〜3名、取得期間は1か月程度)
サイショウ・エクスプレス株式会社(東京都江東区、従業員34名)全社員で評価項目と等級の制度を作り、1枚1,000円を支給するサンクスカードを導入した好事例集に数値の記載はない

いずれも国土交通省「トラック運送業も雇用改革 好事例集」に掲載された取り組みです。※1 2020年3月に公表された国土交通省「運送事業者の好事例集」にも、人材確保や育成に取り組む事業者の事例が掲載されています。※2 評価制度は、ドライバー自身が項目づくりに参加すると、基準への納得感が高まりやすいと言われています。

(※1)出典:国土交通省 物流・自動車局 貨物流通事業課「トラック運送業も雇用改革 好事例集」(令和7年3月)
(※2)出典:国土交通省 自動車局 貨物課「運送事業者の好事例集」(令和2年3月)


今月から何をするか?運送会社の人手不足と採用対策に着手する順番

運送会社の人手不足への採用対策は、ドライバーの年齢と労働時間の確認、求人票の書き直し、採用チャネルと自社サイトの整備、働き方と評価の見直し、定着の仕組みづくりの順に進めると手戻りが少なくなります。

着手の順番は、費用が少なく結果がすぐ分かる対策を先に置き、制度づくりを後に置いています。月ごとの目安は、次のとおりです。

時期やること確認する数字
1か月目ドライバーの年齢と、運行ごとの拘束時間を集計する1か月の拘束時間が原則284時間以内か
2か月目求人票を書き直し、ハローワークと求人媒体の文面をそろえる応募経路ごとの応募数
3か月目自社サイトに採用ページを作り、求人票から案内する採用ページの閲覧数と応募数
4〜6か月目働き方のコースと評価の基準を決め、荷主と運賃を交渉する離職者数と応募数の前年比
7か月目以降認証制度の取得や助成金の活用で定着の仕組みを整える1年後の在籍率

1か月目に確かめる拘束時間は、厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示」で1か月原則284時間以内と定められています。※1 ここでは、次の2点を詳しく確認します。

  • 運送会社が最初の3か月で着手する採用対策
  • 運送会社が半年以降に整える人手不足対策

前半と後半で確かめる数字を分けておくと、どの対策が効いたかを後から振り返れます。

運送会社が最初の3か月で着手する採用対策

運送会社の人手不足への採用対策を最初の3か月で現状把握と情報発信に絞ると、費用を抑えながら応募の変化を確かめることに繋げやすくなります。以下の手順を押さえ、3か月後に効果を比べられる状態を目指しましょう。

最初の3か月の手順は、次のとおりです。

  1. ドライバー全員の年齢と、運行ごとの拘束時間を一覧にする
  2. 求人票に1日の流れ、車種と積み荷、労働時間の実績、給与の内訳、教育体制を書き足す
  3. 自社サイトに採用ページを作り、求人票と同じ情報に写真を添えて載せる
  4. 応募経路ごとの応募数と採用数を記録し始める

採用ページを検索で見つけてもらうための手順は、ドライバーSEOのやり方を解説した記事にまとまっています。地域名で検索する求職者に向けた対策は、ローカルSEO・MEO対策で地域の採用と集客を強める方法が参考になります。

3か月目の時点で応募数が変わらない場合は、求人票の内容より先に、掲載している媒体と地域の範囲が自社の採用したい層に合っているかを確かめてください。

運送会社が半年以降に整える人手不足対策

運送会社の人手不足への採用対策は、半年以降に働き方と定着の制度を整えると、採用した人が辞めにくい職場に繋げやすくなります。以下の取り組みを押さえ、1年後の在籍率で成果を確かめられる状態を目指しましょう。

半年以降に整える取り組みは、次のとおりです。

  • 働き方のコースと評価の基準を決め、全ドライバーに説明する
  • 標準的な運賃を材料に荷主と運賃を交渉し、賃上げの原資を確保する
  • 運転者職場環境良好度認証制度の取得を検討する
  • 人材確保等支援助成金など、制度づくりに使える助成を確認する

制度は一度に全部を作らず、ドライバーの意見を聞きながら1つずつ決めると、運用が続きやすくなります。

(※1)出典:厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示」(自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト)


運送会社の人手不足と採用対策に関するよくある質問

運送会社の人手不足と採用対策について、応募が来ない理由、対策の種類、解消した事例、業界で当たり前と言われる背景、外国人の採用、助成金、消費者ができることの7つにお答えします。

人手不足なのに採用されないのはなぜですか?

運送会社が人手不足なのに採用対策の効果が出にくい主な原因は、求職者1人を複数の会社で取り合う状況で、求人票から仕事の中身や労働時間の実績が伝わっていないことにあると言われています。条件を変える前に、1日の流れや給与の内訳を求人票と自社サイトに書き足すことから着手できます。

トラックドライバー不足への対策にはどのようなものがありますか?

運送会社が人手不足のトラックドライバーを確保するための採用対策は、待遇と働き方の見直し、採用チャネルの拡大、求人票と自社サイトの改善、未経験者・女性・シニア・外国人の受け入れ、定着の仕組みづくりの5つに分けられます。人手不足の度合いと予算に応じて、費用の少ない求人票の改善から着手すると効果を確かめやすくなります。

人手不足を解消した事例はありますか?

運送会社の人手不足を採用対策で改善した事例として、国土交通省の「トラック運送業も雇用改革 好事例集」には、働き方を3つのコースから選べるようにした愛知県の株式会社mirai計画が掲載されています。株式会社mirai計画では、ドライバーの応募が前年の10倍の200人に増え、そのうち15人を正社員として採用しました。

運送業の人手不足が当たり前と言われるのはなぜですか?

運送業の人手不足が当たり前と言われる背景には、運送会社のドライバーの労働時間が全産業より約2割長く、賃金が全産業平均より低い状態が続き、採用対策を取っても応募が集まりにくいと受け止められてきたことがあります。ただし、離職率の低下など改善した数字もあり、対策を取った会社から状況は変わり始めていると考えられます。

外国人ドライバーを採用できますか?

運送会社は、2024年3月29日に特定技能の対象分野へ自動車運送業を追加する閣議決定がされたことで、人手不足への採用対策として外国人ドライバーを受け入れる道が開かれました。受け入れには分野ごとの要件があるため、出入国在留管理庁と国土交通省の公表資料で最新の要件を確認してください。

採用対策に使える助成金はありますか?

運送会社の人手不足に向けた採用対策では、厚生労働省の人材確保等支援助成金や、全日本トラック協会の運転免許取得支援助成事業、インターンシップ導入促進支援事業を使える場合があります。対象や助成額は年度や地方のトラック協会によって異なるため、申請の前に各団体の公式ページで確認してください。

荷主や消費者は運送会社の人手不足にどう関われますか?

運送会社の人手不足は、採用対策だけでなく、荷主や消費者の協力でも和らげることができます。荷主は荷待ち時間を減らし、消費者は宅配便の受け取り日時を指定して再配達を減らすと、ドライバー1人が担える運行が増えやすくなります。運送会社の経営者自身も、荷物を受け取る立場で協力できます。


運送会社の人手不足と採用対策に関するまとめ

運送会社の人手不足は業界全体の課題ですが、改善している数字もあり、採用対策は原因を自社に当てはめ、費用の少ない求人票の改善から順に進めると効果を確かめやすくなります。

この記事の要点は、次のとおりです。

  • 自動車運転従事者の有効求人倍率は2.54倍(2026年8月)で、職業計の2倍を超える
  • 離職率の低下や賃上げなど、改善している数字もある
  • 2024年4月からの上限規制で、1人が担える運行に上限がかかった
  • 対策は待遇と働き方、採用チャネル、求人票と自社サイト、受け入れの幅、定着の5つ
  • 着手はドライバーの年齢と労働時間の確認、求人票の書き直しから始める

運送会社の人手不足と採用の対策を、検索の面から見直したい経営者様へ

藤崎 遊は、毎月3社限定で、運送会社様向けの「無料SEO簡易診断」を実施しているので、以下からお気軽にご連絡ください。

メール:yu@ufu3.com
件名:「運送会社の採用について」
本文:「簡易診断希望」または「ちょっと聞きたいです」

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