ドライバーの採用単価の相場は、公表調査から計算すると全業種の中途採用で1人あたり約50万円ですが、求人広告・人材紹介・ハローワークのどれを使うかで費用の発生の仕方が変わるため、経営の現場で迷いやすい5つの場面と答えを以下の表にまとめました。
| 経営者の迷い | 答え |
|---|---|
| 「うちの採用単価がいくらなのか、そもそも計算したことがない」 | 採用単価は、媒体費・紹介手数料・社内人件費の合計を採用人数で割って求める。計算方法と計算例を見る |
| 「求人広告と人材紹介、結局どちらが安いのか分からない」 | 求人広告は掲載やクリックで、人材紹介は採用が決まった時点で費用が発生する。媒体別の費用構造を見る |
| 「大型と中型で、採用にかかる費用は変わるのか」 | 紹介手数料は年収に連動する形が多く、賃金水準が高い車種ほど高くなりやすい。車種別・雇用形態別の目安を見る |
| 「去年より応募が減ったのに、採用費ばかり増えている」 | 自動車運転従事者の有効求人倍率は職業計の2倍を超えており、1件の求人に集まる応募が少ない。採用単価が高騰する理由を見る |
| 「採用費を下げたいが、何から手を付ければよいか」 | 求人票の改善、自社サイトの求人ページ、SEO、媒体の見直しの順に進める。採用単価を下げる順番を見る |
この記事を読むと、自社の採用単価を計算して媒体ごとに比べ、どこから費用を下げるかを決められるようになります。一方で、採用単価を計算しないまま媒体を増やすと、どの媒体で採用できたのかが分からず、効果の薄い広告に費用を払い続けるケースがあります。
まずは、採用単価の定義と計算方法から確認していきましょう。
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ドライバーの採用単価の相場はいくら?計算方法と計算例
ドライバーの採用単価の相場を考える出発点は、全業種の中途採用で1人あたり約50万円という公表調査からの計算値です。自社の採用単価は、媒体費・紹介手数料・社内人件費の合計を採用人数で割って求めます。
本項目では、採用単価を自社の数字で計算するための次の3点を順に確認します。
- ドライバーの採用単価とは(定義と計算式)
- 公表データから見るドライバーの採用単価の相場
- ドライバーの採用単価を自社で計算する例
3点を押さえると、自社の採用単価を公表値と同じ物差しで比べられるようになり、次の章の媒体別の比較にも使えます。
ドライバーの採用単価とは(定義と計算式)
ドライバーの採用単価の相場と自社の数字を比べるときは、費用に含める範囲を先にそろえると、正しい比較に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、同じ物差しで採用単価を計算できる状態を目指しましょう。
採用単価とは、ドライバー1人を採用するまでにかかった費用の総額を、採用人数で割った金額を指します。計算式は採用単価=(媒体費+紹介手数料+社内人件費)÷採用人数です。
| 費用項目 | 含めるもの | 見落としやすい例 |
|---|---|---|
| 媒体費 | 求人サイトの掲載料、Indeedのクリック課金の請求額、求人チラシの印刷費 | 採用に至らなかった月の掲載料 |
| 紹介手数料 | 人材紹介会社へ支払った成功報酬 | 入社後に早期退職した場合の返金の有無 |
| 社内人件費 | 求人票の作成、面接、同乗研修に使った社員の時間×時給 | 経営者自身が面接に使った時間 |
社内人件費を含めずに計算すると、ハローワークのように掲載料がかからないチャネルの採用単価が0円となり、実態より安く見えます。面接1回あたりの所要時間と担当者の時給を決めておくと、毎回の計算が速くなります。
公表データから見るドライバーの採用単価の相場
ドライバーの採用単価の相場を公表データで確かめておくと、自社の数字が高いか低いかを判断する基準に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、公表値の読み方を誤らない状態を目指しましょう。
マイナビの「中途採用状況調査2026年版」では、2025年の年間採用費用は1社あたり平均609.9万円、平均採用人数は12.3人でした。※1
この2つの値から計算すると、中途採用1人あたりの採用費用は約49.6万円になります。前年は年間採用費用650.6万円・平均採用人数20.8人で、1人あたり約31.3万円の計算でした。
| 公表データ | 値 | 読み方 |
|---|---|---|
| マイナビ「中途採用状況調査2026年版」 | 1社平均609.9万円÷12.3人=約49.6万円(計算値) | 全業種の平均。ドライバーに限った値ではない |
| 同調査の前年値 | 1社平均650.6万円÷20.8人=約31.3万円(計算値) | 採用人数が減ると1人あたりの費用が上がる |
| 厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」 | 常用就職1件あたりの手数料 約103万円 | 全職種の人材紹介の平均。年収が高い職種も含む |
厚生労働省の集計では、有料職業紹介の常用就職1件あたりの手数料は約103万円で、前年度より10.9%増えています。※2 公表値はいずれも全業種・全職種の平均です。採用人数が少ない会社ほど、固定でかかる費用が1人あたりの金額を押し上げます。
ドライバーの採用単価を自社で計算する例
ドライバーの採用単価の相場と並べる前に、自社の1年分の費用を採用チャネル別に分けて計算すると、どのチャネルが割高かの判断に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、チャネルごとの採用単価を並べて比べられる状態を目指しましょう。
次の表は計算方法を示すための仮の数値です。相場を示すものではありません。
| 採用チャネル | かかった費用(仮の数値) | 採用人数と採用単価 |
|---|---|---|
| 求人サイト(掲載課金) | 掲載料60万円+社内人件費10万円=70万円 | 2人採用→1人あたり35万円 |
| 人材紹介 | 紹介手数料90万円+社内人件費5万円=95万円 | 1人採用→1人あたり95万円 |
| ハローワーク | 掲載料0円+社内人件費8万円=8万円 | 1人採用→1人あたり8万円 |
| 合計 | 173万円 | 4人採用→1人あたり約43万円 |
合計だけを見ると1人あたり約43万円でも、チャネル別に分けると8万円から95万円まで差があります。チャネル別に分けて記録しておけば、次の年にどの費用を減らすかを数字で決められます。
発信者の藤崎 遊は、AIに記事を書かせる際、自分の体験を台帳にして参照させる方式に切り替えました。便利さより、後から検証できることを優先すべきだと考えたためです。採用単価も同じで、チャネル別の費用と採用人数を毎年同じ形で記録しておくと、媒体を変えた効果を後から検証できます。
(※1)出典:マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」
(※2)出典:厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」
求人媒体別に見るドライバーの採用単価の相場と費用構造
ドライバーの採用単価の相場を求人媒体別の採用コストで比べると、費用が発生するタイミングが異なります。求人広告は掲載やクリック、人材紹介は採用決定、派遣は稼働時間で費用が発生し、ハローワークの求人掲載は無料です。
この章は、採用チャネルごとの費用の払い方を比べるための章です。すでに使うチャネルが決まっている読者は、該当する項目だけを読んでも差し支えありません。
| 採用チャネル | 費用が発生するタイミング | 確認できる公表値 |
|---|---|---|
| 求人広告 | 掲載期間ごと(掲載課金)、またはクリックごと(クリック課金) | Indeedのスポンサー求人はクリック課金で上限金額を設定できる |
| 人材紹介 | 採用が決まった時点(成功報酬) | 常用就職1件あたりの手数料 約103万円 |
| 派遣 | 派遣ドライバーが稼働した時間 | 派遣料金の平均 8時間換算26,257円 |
| ハローワーク | 求人の申込みは無料 | 全国500カ所以上のハローワークで公開 |
| 自社サイト・リファラル | 制作費・運用の手間、紹介した社員への謝礼 | 公的な集計値はない |
本項目では、次の4つの採用チャネルについて、費用の仕組みと注意点を確認します。
- 求人広告(掲載課金とクリック課金)の採用単価
- 人材紹介(成功報酬型の紹介料)の採用単価
- 派遣ドライバー(時間あたりの派遣料金)の費用
- ハローワーク・自社サイト・リファラルの採用単価
4つの仕組みの違いを知ると、自社の採用人数と予算に合うチャネルを選べるようになります。
求人広告(掲載課金とクリック課金)の採用単価
ドライバーの採用単価の相場を求人広告で比べるときは、掲載課金かクリック課金かを先に分けると、費用の見通しに繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、広告費が採用単価にどう反映されるかを説明できる状態を目指しましょう。
- 掲載課金:掲載期間に対して定額を支払う。応募がゼロでも費用が発生する
- クリック課金:求人が求職者にクリックされたときに費用が発生する。予算の上限を設定できる
- 採用単価への反映:広告費の総額を、その媒体経由の採用人数で割って計算する
Indeedの料金ページでは、スポンサー求人は求人がクリックされたときにのみ請求金額が加算されるクリック課金型と説明されており、あらかじめ上限金額も設定できます。※1 クリック課金は少額から始められる一方、クリックが応募や採用に結びつかなければ採用単価は上がります。
人材紹介(成功報酬型の紹介料)の採用単価
ドライバーの採用単価の相場の中で最も金額が大きくなりやすい人材紹介は、手数料の決まり方を知ると、他のチャネルとの比較に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、紹介手数料の見積もりを自社で読める状態を目指しましょう。
有料職業紹介の手数料は、職業安定法 第32条の3にもとづき、厚生労働省令で定める上限制手数料か、事業者が厚生労働大臣に届け出た手数料表による届出制手数料のどちらかで徴収されます。
- 上限制手数料:支払われた賃金額の11.0%(免税事業者は10.3%)が上限
- 届出制手数料:紹介会社ごとの手数料表で決まる。理論年収(入社後1年間に支払う見込みの年収)に一定の率を掛ける形が多いと言われている
- 公表値:有料職業紹介の常用就職1件あたりの手数料は約103万円(令和6年度・全職種)※3
上限制手数料の率は、厚生労働省の「紹介手数料の最高額の改正について」で確認できます。※2 届出制手数料が年収に連動する形の場合、同じ紹介会社でも、年収が高いドライバーほど紹介手数料が高くなります。
派遣ドライバー(時間あたりの派遣料金)の費用
ドライバーの採用単価の相場と派遣の費用を比べるときは、派遣には採用単価という考え方がないと理解すると、判断の誤りを防ぐことに繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、繁忙期の欠員を派遣で補うかどうかを判断できる状態を目指しましょう。
厚生労働省の「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」では、派遣料金の平均は8時間換算で26,257円、派遣労働者の賃金の平均は16,735円でした。※4 この値は全業務の平均で、派遣料金は消費税を含む額です。
派遣は採用活動の費用がかからない代わりに、稼働した時間分の派遣料金を払い続けます。長期間の欠員を派遣だけで補うと、直接雇用の採用単価を上回る費用になるケースがあります。
ハローワーク・自社サイト・リファラルの採用単価
ドライバーの採用単価の相場より費用を抑えやすいのは、掲載料がかからないハローワークと、自社で運用する自社サイトやリファラル(社員からの紹介による採用)です。以下のポイントを押さえ、媒体費以外にかかる手間を含めて比べられる状態を目指しましょう。
| チャネル | 費用の中心 | 注意点 |
|---|---|---|
| ハローワーク | 社内人件費(求人票の作成、面接) | 求人票の書き方で応募数が変わる |
| 自社サイト | 制作費と更新の手間 | 検索で見つけてもらう工夫が必要 |
| リファラル | 紹介した社員への謝礼 | 謝礼の金額や支払時期を社内で決めておく |
厚生労働省の案内によると、ハローワークに求人を申し込むと、無料で全国500カ所以上のハローワークやインターネットを通じて公開できます。※5 自社サイトは、制作後の掲載料がかからない資産になります。自社サイトを採用に使う考え方は、ドライバーSEOとは何かを解説した記事で確認できます。
(※1)出典:Indeed「料金および有料オプション掲載について」
(※2)出典:厚生労働省「紹介手数料の最高額の改正について」
(※3)出典:厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」
(※4)出典:厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」
(※5)出典:厚生労働省「ハローワークの求人者サービスのご案内」
車種別・雇用形態別に見るドライバーの採用単価の相場
ドライバーの採用単価の相場を車種別(大型・中型・軽貨物)の採用コストの目安で見ると、賃金水準が高い車種ほど、年収に連動する紹介手数料は高くなります。けん引と中型では、賞与込みの年収換算で約122万円の差があります。
本項目では、採用単価が車種と雇用形態でどう変わるかを、次の2点で確認します。
- 車種別の賃金水準とドライバーの採用単価の関係
- 雇用形態別(正社員・パート・アルバイト・派遣)の採用単価の考え方
2点を押さえると、募集する車種と雇用形態に合わせて、採用予算の目安を立てられるようになります。
車種別の賃金水準とドライバーの採用単価の関係
ドライバーの採用単価の相場を車種別に見積もるときは、車種ごとの賃金水準から年収を出しておくと、紹介手数料の見通しに繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、募集する車種の年収水準を説明できる状態を目指しましょう。
全日本トラック協会の「2025年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」では、男性運転者の賞与込み月額は車種ごとに次のとおりでした。※1
| 車種 | 賞与込み月額(男性運転者) | 年収換算(月額×12の概算) |
|---|---|---|
| けん引 | 481,500円 | 約578万円 |
| 大型 | 441,100円 | 約529万円 |
| 準中型 | 407,500円 | 約489万円 |
| 普通 | 404,600円 | 約486万円 |
| 中型 | 380,000円 | 約456万円 |
年収換算は月額に12を掛けた概算です。届出制の紹介手数料は年収に一定の率を掛けて決まる形が多いと言われているため、同じ率であれば、けん引と中型では年収換算の差の分だけ手数料にも差が出る計算になります。
軽貨物は同資料の集計区分に含まれていないため、本記事では賃金水準から目安を出していません。軽貨物の配送は雇用ではなく業務委託で契約するケースもあり、その場合は採用単価ではなく委託条件で比べる形になります。
雇用形態別(正社員・パート・アルバイト・派遣)の採用単価の考え方
ドライバーの採用単価の相場は雇用形態によって比べ方が変わるため、雇用形態ごとに費用の考え方を分けると、予算の配分に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、雇用形態ごとに何を比べればよいかを判断できる状態を目指しましょう。
| 雇用形態 | 費用の考え方 | 確認できる公表値 |
|---|---|---|
| 正社員 | 採用単価に加え、定着するまでの教育費を含めて比べる | 中途採用1人あたり約49.6万円(全業種の計算値) |
| パート・アルバイト | 採用人数が多くなりやすく、1人あたりの単価と年間の総額を両方見る | 採用費が前年より増えた企業21.1% |
| 派遣 | 採用単価はかからず、稼働時間あたりの派遣料金で比べる | 派遣料金の平均 8時間換算26,257円 |
マイナビの「アルバイト採用活動に関する企業調査 2025年」では、アルバイトの採用費が前年より増えた企業は21.1%でした。※2 パート・アルバイトの1人あたりの採用単価を示す公的な集計は見当たらないため、自社で計算した値を基準にしてください。派遣料金の平均は、厚生労働省の集計による全業務の値です。※3
(※1)出典:全日本トラック協会「2025年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態(本編抜粋)」
(※2)出典:マイナビ「アルバイト採用活動に関する企業調査 2025年」
(※3)出典:厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」
ドライバーの採用単価の相場が高騰する理由
ドライバーの採用単価が高騰する理由は、求人に対して求職者が少ないこと、労働時間と賃金の条件で応募が集まりにくいこと、離職すると採用費がもう一度かかることの3つで、3つの要因が相場を押し上げています。
採用難そのものの背景には、ドライバーの高齢化や労働時間に関する規制の強化など、運送業界全体に共通する要因が重なっていると言われています。本記事では採用単価に関わる部分だけを扱います。統計と原因を詳しく知りたい場合は、ドライバー派遣の採用難の現状と原因を解説した記事で確認できます。
本項目では、採用単価を押し上げる3つの要因を順に確認します。
- ドライバー(自動車運転従事者)の有効求人倍率が職業計の2倍を超えている
- 労働時間と賃金の条件で応募が集まりにくい
- 早期離職で採用をやり直す費用が重なる
3つの要因を知ると、自社でどの要因に手を打てるかを切り分けられるようになります。
ドライバー(自動車運転従事者)の有効求人倍率が職業計の2倍を超えている
ドライバーの採用単価の相場が上がる最も大きな要因は、求人の数に対して仕事を探す人が少ないことであり、この差を数字で知ると、媒体費が増えやすい理由の理解に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、自社の採用環境を数字で説明できる状態を目指しましょう。
厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」では、自動車運転従事者の有効求人倍率は2.54倍で、職業計の1.06倍の2倍を超えていました。※1
同じ月の自動車運転従事者の有効求人数は98,541人、有効求職者数は38,750人です。求職者1人に対して約2.5件の求人がある計算になり、1件の求人に集まる応募は少なくなります。応募が少ないほど、1人を採用するまでに広告の掲載期間が延び、採用単価が上がります。
労働時間と賃金の条件でドライバーの応募が集まりにくい
ドライバーの採用単価の相場を押し上げる2つ目の要因は、他の職業と比べた労働条件の差であり、差の大きさを知ると求人票で何を示すべきかの判断に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、求職者が比べる条件を把握できる状態を目指しましょう。
国土交通省の「国土交通白書2025」では、2023年のトラックドライバーの年間労働時間は大型トラックで2,544時間、中小型トラックで2,508時間で、全産業の2,136時間より約2割長いとされています。※2 年間平均賃金は大型トラックで485万円、中小型トラックで438万円で、全産業平均の507万円より約5〜15%低いとされています。※2
求職者は、労働時間と賃金を他の職業と比べて応募先を選びます。条件の差を求人票で説明できないと、応募が集まらず、媒体費をかけ続けることになりやすくなります。
早期離職でドライバーの採用をやり直す費用が重なる
ドライバーの採用単価の相場は採用した時点の費用で計算しますが、入社後に退職されると同じ費用がもう一度かかるため、定着まで含めて考えると実質の負担の把握に繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、離職による採用費の重なりを防げる状態を目指しましょう。
厚生労働省の「令和7年雇用動向調査結果の概況」では、運輸業,郵便業の離職率は9.0%で、産業計の13.7%より低い値でした。※3 運輸業,郵便業の離職率は産業計より低いものの、1年間で在籍者の9.0%にあたる人数が離職しています。
採用単価は、採用した人が定着して初めて回収できる費用です。入社後の教育や配車の説明が不足すると、早い時期に退職されて採用費が無駄になるケースがあります。入社後の同乗研修の期間と相談相手を入社前に決めておくと、早期離職の防止につながるケースがあります。
(※1)出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」参考統計表
(※2)出典:国土交通省「国土交通白書2025」
(※3)出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」
ドライバーの採用単価の相場を把握せずに採用を続けたときの損失
ドライバーの採用単価の相場と自社の数字を比べないまま採用を続けると、採用費が利益を削り、欠員で受注を断り、残ったドライバーの負担が増えるという損失が重なりやすくなります。
帝国データバンクの「『道路貨物運送業』の倒産動向(2025年度)」では、2025年度の道路貨物運送業の倒産は321件で、このうち人手不足倒産は55件でした。※1 人手不足は、運送会社の経営を左右する要因の1つになっています。
本項目では、採用単価を把握しないまま採用を続けた場合に起きやすい損失を、次の2点で確認します。
- 採用費が利益を削り、受注の機会を逃す
- 既存ドライバーの負担が増え、離職が続く
2つの損失の仕組みを知ると、採用単価の計算を後回しにしない理由を社内で説明できるようになります。
採用費が利益を削り、ドライバー不足で受注の機会を逃す
ドライバーの採用単価の相場を知らずに媒体を増やすと、費用が膨らんでも原因が分からないため、利益の管理に繋げにくくなります。以下のポイントを押さえ、採用費と売上の関係を確認できる状態を目指しましょう。
- 構造:採用費は売上にかかわらず先に支払う費用で、採用できなくても掲載料は戻らない
- 起きやすいこと:採用単価を計算しないまま媒体を増やすと、採用できない月の費用が積み上がり、利益を削るケースがある
- 回避策:媒体ごとに応募数・採用数・費用を毎月記録し、採用単価が自社の基準を超えた媒体は次の契約で見直す
ドライバーが足りない状態が続くと、荷主から依頼があっても車両を出せず、受注を断ることになりやすくなります。採用単価の基準は、ドライバー1人が生み出す粗利から逆算して決めると、どこまで採用費をかけてよいかを判断できます。
既存ドライバーの負担が増え、離職が続く
ドライバーの採用単価の相場を超える費用をかけても採用できない期間が続くと、在籍しているドライバーの運行が増え、離職が続く原因になりやすくなります。以下のポイントを押さえ、欠員の期間を短くできる状態を目指しましょう。
- 構造:欠員の分の運行は、在籍しているドライバーで分担する
- 起きやすいこと:残業や休日出勤が増え、在籍しているドライバーまで退職するケースがある
- 回避策:欠員が出たら、採用と並行して運行の組み替えや一時的な派遣の利用を検討する
離職が続くと、採用しなければならない人数が増え、採用費の総額も増えます。採用単価の計算は、採用費を減らすためだけでなく、欠員の期間を短くする判断材料にもなります。
(※1)出典:帝国データバンク「『道路貨物運送業』の倒産動向(2025年度)」
ドライバーの採用単価の相場を下げる手がかりになる改善指標
ドライバーの採用単価の相場に関わる指標には、改善しているものもあります。運輸業,郵便業の離職率は令和6年の10.2%から令和7年は9.0%に下がり、男性運転者の月例賃金は前年より4.1%増えました。
| 指標 | 前回と今回 | 採用単価への意味 |
|---|---|---|
| 運輸業,郵便業の離職率 | 10.2%(令和6年)→9.0%(令和7年) | 定着が進めば、採用し直す人数が減る |
| 男性運転者の月例賃金 | 374,900円(対前年4.1%増) | 賃金の差が縮むと、応募が集まりやすくなる |
| 自動車運転従事者の有効求人倍率 | 2.59倍(令和7年8月)→2.54倍(令和8年8月) | 求職者1人あたりの求人がわずかに減った |
厚生労働省の雇用動向調査では、運輸業,郵便業の離職率は令和6年の10.2%から令和7年の9.0%へ1.2ポイント下がりました。※1※2 全日本トラック協会の調査では、男性運転者の月例賃金は374,900円で、対前年4.1%増でした。※3
自動車運転従事者の有効求人倍率は、令和7年8月の2.59倍から令和8年8月の2.54倍へ下がりました。※4※5 ただし、同じ期間に有効求人数も100,464人から98,541人へ減っており、採用が楽になったとは言い切れません。
離職率の低下と賃金の上昇は、定着と待遇の改善に取り組む会社が増えていることを示している可能性があります。自社でも離職率と賃金を毎年記録しておくと、改善の効果を採用単価の変化で確かめられます。
(※1)出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」
(※2)出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」
(※3)出典:全日本トラック協会「2025年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態(本編抜粋)」
(※4)出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年8月分)」参考統計表
(※5)出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」参考統計表
ドライバーの採用単価を相場より下げる4つの順番
ドライバーの採用単価を相場より下げるには、求人票の改善、自社サイトの求人ページ、SEO、媒体の見直しの順に進めます。費用のかからない施策から始め、効果を測れる状態を作ってから媒体費を見直す順番です。
この章は、採用費を下げる手順を順番どおりに進めるための章です。すでに自社サイトに求人ページがある読者は、3つ目のSEOから読み進めても差し支えありません。
| 対策 | 主な効果 | 着手のしやすさ |
|---|---|---|
| 1 求人票の改善 | 同じ媒体費で応募数を増やす | すぐ着手できる |
| 2 自社サイトの求人ページ | 掲載料のかからない応募の受け皿を作る | 制作の時間が必要 |
| 3 SEO | 検索から求人ページへの流入を増やす | 効果が出るまで時間がかかると言われている |
| 4 媒体の見直し | 採用単価の高い媒体の費用を減らす | 1〜3の効果を測ってから判断する |
求人ページのSEOと、求人をGoogle検索の求人情報の枠に表示させるJobPosting構造化データは、自社サイトの求人ページを作った後に取り組みます。設定方法はJobPosting構造化データでGoogleしごと検索に求人を表示する方法で確認できます。
運送会社の人手不足への対策全体や、ホームページで荷主と求職者を集める方法は、本記事の主題と分けて扱います。本記事では、採用単価を下げる順番だけに絞って説明します。
本項目では、採用単価を下げる4つの手順を、次の順番で確認します。
- 求人票をドライバーの目線で改善する
- 自社サイトにドライバーの求人ページを作る
- SEOでドライバーの求人ページへの検索流入を増やす
- 媒体をドライバーの採用単価で見直す
順番どおりに進めると、媒体費を減らしても応募数を保てる状態を作れます。
1 求人票をドライバーの目線で改善する
ドライバーの採用単価の相場より費用を下げる最初の手順は求人票の改善で、求人票を数字で具体的に書くと、同じ媒体費で応募を増やすことに繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、求職者が知りたい情報がそろった求人票を作れる状態を目指しましょう。
- 賃金:月給の幅だけでなく、モデル年収と賞与の実績を書く
- 車種と運行:乗務する車種、走行エリア、日帰りか泊まりかを書く
- 休日と時間:年間休日、出庫と帰庫の目安の時刻を書く
- 教育:同乗研修の期間と、免許取得の支援の有無を書く
全日本トラック協会の調査では、男性運転者の賞与込み月額の平均は423,300円です。※1 自社の賃金がこの平均より高いか低いかを確かめてから、求人票で何を強調するかを決めると、比べられたときに選ばれる理由を示せます。
藤崎 遊は中学から高校にかけて、どの仕事が自分に向いているか、その仕事が実際にどんな内容なのかを知りたくて本屋を何度も回りましたが、知りたい情報はどこにも書かれていませんでした。仕事を探す人は、仕事の中身を知りたいと考えています。ドライバーの求人票でも、1日の運行の流れを書くだけで、応募前の不安を減らせます。
2 自社サイトにドライバーの求人ページを作る
ドライバーの採用単価の相場を下回る費用で応募を集めるには、掲載料のかからない自社サイトに求人ページを持つと、媒体に頼らない応募の受け皿づくりに繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、求人媒体から自社サイトへ求職者を呼び込める状態を目指しましょう。
- 求人ページ:求人票の内容に加え、車両や営業所の写真、先輩ドライバーの1日を載せる
- 応募フォーム:スマートフォンから入力項目を少なく応募できる形にする
- 地図検索:Googleビジネスプロフィールに営業所の情報と求人ページのURLを登録する
求職者は、求人媒体で見つけた会社の名前を検索して、自社サイトを確認することがあると言われています。営業所の近くで仕事を探す求職者に見つけてもらう方法は、物流・運送業のローカルSEOとMEO対策の記事で確認できます。
3 SEOでドライバーの求人ページへの検索流入を増やす
ドライバーの採用単価の相場を継続して下回るには、検索エンジンから求人ページに求職者が訪れる状態をSEO(検索結果で上位に表示させる取り組み)で作ると、媒体費を減らすことに繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、検索から応募が届く流れを作れる状態を目指しましょう。
- キーワード:「地域名+ドライバー+求人」など、求職者が検索する語を求人ページの見出しに入れる
- 記事:車種ごとの仕事内容や、未経験者の研修の流れを記事にして求人ページへつなぐ
- 計測:Google Search Consoleで、どの検索語から求人ページに訪れたかを確認する
SEOは掲載料がかからない一方、効果が出るまでに時間がかかると言われています。具体的な手順は、ドライバーSEOのやり方を手順ごとにまとめたマニュアルで確認できます。
藤崎 遊が運営する横浜パパblog(ksdtu.com)でも、フォークリフト関連の記事を公開し、記事内に設置した無料マニュアルの先行予約フォームから、物流関連企業の登録を獲得しました。検索から読まれる記事は、掲載期間の終わりがない点で求人広告と異なります。
4 媒体をドライバーの採用単価で見直す
ドライバーの採用単価の相場と媒体ごとの実績を比べ、最後に媒体の契約を見直すと、効果の低い費用を減らすことに繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、媒体ごとに続けるか止めるかを判断できる状態を目指しましょう。
| 確認すること | 判断の目安 | 見直しの例 |
|---|---|---|
| 媒体別の採用単価 | 自社の基準を上回っていないか | 掲載課金の媒体をクリック課金に切り替える |
| 応募から採用までの割合 | 応募は多いが採用に至らないか | 求人票の条件を見直し、応募者とのずれを減らす |
| 採用後の定着 | 入社半年以内の退職が続いていないか | 定着した人が多い媒体に予算を寄せる |
ハローワークは、全国500カ所以上で求人を無料で公開できます。※2 Indeedのクリック課金は上限金額を設定できるため、予算を決めて効果を試せます。※3 媒体を止める判断は、1〜3の手順で自社サイトからの応募が増えたことを確かめてから行います。
(※1)出典:全日本トラック協会「2025年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態(本編抜粋)」
(※2)出典:厚生労働省「ハローワークの求人者サービスのご案内」
(※3)出典:Indeed「料金および有料オプション掲載について」
ドライバーの採用単価の相場だけを見て安さで選ぶ失敗
ドライバーの採用単価の相場より安いチャネルだけを選ぶと、応募が集まらず欠員の期間が延びたり、採用できても定着せず採用をやり直したりする失敗が起きやすくなります。採用単価は定着まで含めて比べます。
| 場面 | 続かない進め方 | 続く進め方 |
|---|---|---|
| チャネルを選ぶ | 費用が安いチャネルだけに絞る | 欠員の期間と費用の両方で選ぶ |
| 媒体を比べる | 応募単価だけで比べる | 採用単価と定着率で比べる |
| 費用を減らす | 効果を測る前に媒体を止める | 自社サイトの応募を確かめてから止める |
本項目では、安さだけで選んだときに起きやすい失敗を、次の2点で確認します。
- 無料のチャネルだけに絞り、ドライバーの欠員が長引く
- 応募単価だけで媒体を比べ、ドライバーが定着しない
2つの失敗を知ると、採用単価を下げながら欠員の期間も短くする選び方ができるようになります。
無料のチャネルだけに絞り、ドライバーの欠員が長引く
ドライバーの採用単価の相場を下げたいからといって無料のチャネルだけに絞ると、応募が来るまでの期間が読めないため、欠員の期間と費用を両方見ると判断の誤りを防ぐことに繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、無料のチャネルと有料のチャネルを組み合わせられる状態を目指しましょう。
厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」では、自動車運転従事者の紹介件数は9,841件、就職件数は3,938件でした。※1 紹介件数に対する就職件数の割合は、約4割の計算です。
ハローワークは費用がかからない一方、応募から採用までに時間がかかるケースがあります。欠員による受注の損失が大きい時期は、有料のチャネルを期間を決めて併用します。求人媒体と自社サイトの役割の違いは、ドライバーSEOのメリットと求人媒体との比較をまとめた記事で確認できます。
応募単価だけで媒体を比べ、ドライバーが定着しない
ドライバーの採用単価の相場と比べる指標を応募単価(応募1件あたりの費用)だけにすると、応募は多くても採用や定着に至らない媒体を選ぶため、比べる指標をそろえると予算の無駄を防ぐことに繋げやすくなります。以下のポイントを押さえ、媒体を定着まで含めて評価できる状態を目指しましょう。
- 応募単価:応募1件あたりの費用。応募の集めやすさを示す
- 採用単価:採用1人あたりの費用。採用までの効率を示す
- 定着後の単価:費用の総額を、半年後も在籍している人数で割った値。実質の負担を示す
応募単価が安くても、条件が合わない応募ばかりでは面接の手間が増え、社内人件費が採用単価を押し上げます。媒体の比較は、半年後に在籍している人数で費用を割った値まで出すと、続ける媒体を選びやすくなります。
(※1)出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」参考統計表
ドライバーの採用単価の相場に関するよくある質問
ドライバーの採用単価の相場について、運転手を雇う費用、アルバイトの採用コスト、採用単価の下げ方、人材紹介の紹介料、応募単価との違い、ハローワークの費用の6つの質問に答えます。
運転手(ドライバー)を雇うのに費用はどのくらいかかりますか?
ドライバーの採用単価の相場は、全業種の中途採用の公表調査から計算すると1人あたり約50万円です。人材紹介を使うと、全職種の平均で1件あたり約103万円の手数料がかかります。ハローワークは掲載料がかからず、面接などの社内人件費が中心になります。
アルバイトのドライバーの採用コストは1人あたりどのくらいですか?
アルバイトのドライバーの採用単価の相場を1人あたりの金額で示した公的な集計は見当たらず、自社で計算した値を基準にするのが確実です。マイナビの調査では、アルバイトの採用費が前年より増えた企業は21.1%でした。年間の費用を採用人数で割って、媒体ごとに比べてください。
ドライバーの採用単価を下げるにはどうすればよいですか?
ドライバーの採用単価を相場より下げるには、求人票の改善、自社サイトの求人ページ、SEO、媒体の見直しの順に進めます。費用のかからない求人票の改善から始め、自社サイトからの応募が増えたことを確かめてから、採用単価の高い媒体の費用を減らします。
人材紹介の紹介料・成功報酬の相場はどのくらいですか?
人材紹介の紹介料・成功報酬の相場は、ドライバーの採用単価の中で最も高くなりやすい費用で、厚生労働省の集計では全職種の常用就職1件あたり約103万円です。届出制の手数料は紹介会社ごとの手数料表で決まり、年収に連動する形が多いと言われています。
採用単価と応募単価の違いは何ですか?
ドライバーの採用単価の相場と比べるときは、採用単価と応募単価を区別します。応募単価は応募1件あたりの費用で、採用単価は採用1人あたりの費用です。応募単価が安くても、採用に至らなければ採用単価は高くなるため、媒体は採用単価と定着の状況で比べます。
ハローワークだけで採用すれば採用単価はゼロになりますか?
ハローワークだけで採用しても、ドライバーの採用単価の相場と比べる値はゼロになりません。求人の申込みは無料ですが、求人票の作成や面接に社員の時間を使うため、その時間に時給を掛けた社内人件費が採用単価になります。
ドライバーの採用単価の相場のまとめ
ドライバーの採用単価の相場は、全業種の中途採用で1人あたり約50万円が出発点です。自社の採用単価をチャネル別に計算し、求人票、自社サイト、SEO、媒体の見直しの順に費用を下げていくと、定着まで含めた採用の効率を高められます。
- 採用単価は、媒体費・紹介手数料・社内人件費の合計を採用人数で割って求める
- 人材紹介は常用就職1件あたり約103万円(全職種)で、年収に連動する手数料表では年収が高い車種ほど手数料が上がる
- 自動車運転従事者の有効求人倍率は2.54倍で、職業計の2倍を超えている
- 採用単価を下げる順番は、求人票の改善、自社サイトの求人ページ、SEO、媒体の見直し
- 安さだけで選ばず、欠員の期間と定着まで含めてチャネルを比べる
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メール:yu@ufu3.com
件名:「運送会社の採用について」
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