フォークリフトの誘導中に起きた事故の事例を読み比べると、誘導者を置いたかどうかではなく、誘導者から見えない範囲を誰がどう埋めたかで結果が分かれやすいため、フォークリフト誘導中の事故事例を調べている方がつまずきやすい3点を以下にまとめました。
| 現場で出やすい受け取り方 | 本記事での答え |
|---|---|
| 誘導者を立たせているのだから、フォークリフトの誘導中に事故は起きないはずだ | 誘導者を置いても、誘導者から見えない範囲が残れば労働災害のおそれは残ります。フォークリフト誘導中の事故事例は3つの型に分けて整理できます。3つの型を見る |
| 事故の事例を集めたいが、自社では大きな災害が起きていないので材料がない | 厚生労働省の労働災害統計と労働基準監督署の管内集計から、事故の型と割合を読み取れます。統計で確かめる |
| 再発防止といっても、安全作業手順書に1行足して終わりになってしまう | 事例から手順を作る作業を4つの段階に分けると、書き足すだけで終わりません。4つの段階を見る |
本記事を読むと、誘導者が関わった労働災害を3つの型に仕分けし、労働安全衛生規則のどの定めが欠けていたかを自社の現場に当てはめて確かめられるようになります。型に仕分けせずに対策を決めると、安全作業手順書に注意書きだけが増え、現場では前と同じ立ち位置のまま作業が続くという手戻りが起きやすくなります。
まずは、フォークリフトの誘導中に起きた事故の事例がどの型に分かれるかを確かめていきましょう。
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フォークリフト誘導中の事故事例に共通する3つの型
フォークリフト誘導中の事故事例は、誘導者自身が接触した型、誘導していない側から人や車両が入った型、合図が伝わらないまま車両が動いた型の3つに分けて整理できます。型が決まると対策の置き場所も決まります。
本項目では、次の3つの型を順に取り上げます。
- 誘導者自身が接触したフォークリフト誘導中の事故事例
- 誘導していない側から入ったフォークリフト誘導中の事故事例
- 合図が伝わらないまま動いたフォークリフト誘導中の事故事例
3つの型は、災害が起きた瞬間の動きではなく、災害の前にどの取り決めが抜けていたかで分けています。以下の3項目を読み、自社の現場がどの型に近いかを確かめましょう。
誘導者自身が接触したフォークリフト誘導中の事故事例
誘導者自身が接触したフォークリフト誘導中の事故事例では、誘導者が車両の進行方向や旋回の内側に立っていたケースがあります。誘導者は運転者に合図を送る役であり、運転者から見える位置に立つことが前提になります。
厚生労働省が公表した令和7年の労働災害発生状況では、はさまれ・巻き込まれによる死亡者数は117人で、前年より7人、6.4パーセント増えました(※1)。フォークリフトと荷、フォークリフトと壁や棚のあいだに体が入る動きは、はさまれ・巻き込まれの典型です。
誘導者が立つ位置は、運転者の視界と車両の動く範囲の両方から決まります。以下のポイントを押さえ、誘導者が車両の動く範囲の外に立てる状態を目指しましょう。
- 旋回の内側は車体後部が振り出すため、立ち位置から外す
- 荷の真後ろは運転者から見えないため、荷の側方へずれて立つ
- 合図を送るあいだも、自分の背後に別の車両が入らない位置を選ぶ
誘導者が正しい位置に立っていても、運転者が誘導者を見失えば同じ災害が起きるおそれがあります。運転者が誘導者を見失った時点で車両を止める取り決めを、あらかじめ作業計画に書き入れてください。
(※1)出典:厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」
誘導していない側から入ったフォークリフト誘導中の事故事例
誘導していない側から入ったフォークリフト誘導中の事故事例では、誘導者が1台の車両に付いているあいだに、別の作業者や別の車両が作業範囲へ入るケースがあります。誘導者の目は1方向に向くため、背後の通路までは見きれません。
作業範囲へ人が入らないようにする措置は、誘導者の配置と立入禁止の2つがあります。労働安全衛生規則は、車両系荷役運搬機械等を用いる作業では労働者を接触の危険がある箇所に立ち入らせないこととし、誘導者を配置して誘導させるときを例外としています。
誘導者を置いた現場では、立入禁止の表示や区画が外されるケースがあります。誘導者を置く場合も、誘導者が見ていない方向の入口はロープや表示で閉じ、入る人が誘導者へ声をかける決まりを作ってください。
合図が伝わらないまま動いたフォークリフト誘導中の事故事例
合図が伝わらないまま動いたフォークリフト誘導中の事故事例では、誘導者と運転者が別々の合図を使っていたか、合図が見えない位置で送られていたケースがあります。合図は、誘導者と運転者の両方が同じ意味で覚えて初めて働きます。
合図の型で災害につながりやすいのは、進めの合図と止まれの合図が似ている場合と考えられます。手のひらを見せる動きと手を振る動きは、遠くから見ると区別がつきにくく、運転者が進めと読み違えるおそれがあります。合図は、止まれだけを他と大きく変えた動きにしてください。
誘導者の役割と合図の種類をまとめて確かめたい方は、フォークリフト誘導者とはどの役割を担う人かを解説した記事もあわせてお読みください。
フォークリフト誘導中の事故事例を労働災害の統計で確かめる方法
フォークリフト誘導中の事故事例は、自社の災害だけでは数がそろわないため、厚生労働省の労働災害統計と労働基準監督署の管内集計を並べて型と割合を読み取ります。全国の統計と管内の集計では、読み取れる中身が違います。
本項目では、全国の統計と監督署の管内集計を順に見ていきます。
- 全国の労働災害統計から見るフォークリフト誘導中の事故事例の位置
- 監督署の管内集計から見るフォークリフト誘導中の事故事例の型の割合
全国の統計は規模を示し、管内集計は型の内訳を示します。以下の2項目を読み、自社の現場で優先して手を打つ型を決めましょう。
全国の労働災害統計から見るフォークリフト誘導中の事故事例の位置
全国の労働災害統計には、フォークリフト誘導中の事故事例だけを取り出した欄がありません。厚生労働省の労働災害発生状況は、業種と事故の型で集計されているためです。
令和7年に休業4日以上の死傷者数は135,333人で、前年より385人、0.3パーセント減りました。陸上貨物運送事業の死傷者数は15,632人で、前年より660人、4.1パーセント減っています(※1)。フォークリフトを使う作業の多くは、陸上貨物運送事業と製造業の数字に含まれていると考えられます。
統計から自社の位置を読むときは、件数よりも事故の型の並び順を見てください。業種の合計だけを見ると、自社に当てはまらない災害まで対策の対象に入り、作業計画の見直しが進まなくなるケースがあります。
(※1)出典:厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」
監督署の管内集計から見るフォークリフト誘導中の事故事例の型の割合
フォークリフト誘導中の事故事例の型の割合は、労働基準監督署が管内の災害をまとめた資料から読み取れます。全国の統計よりも件数は少ない一方、事故の型の内訳が示されているためです。
岩手労働局の花巻労働基準監督署がまとめた資料では、管内で令和元年から令和5年までの5年間に発生したフォークリフトによる労働災害は24件で、内訳ははさまれ・巻き込まれが46パーセント、激突されが21パーセント、墜落・転落が17パーセント、その他が16パーセントでした(※1)。
| 事故の型 | 管内24件に占める割合 | 誘導者が関わる場面 |
|---|---|---|
| はさまれ・巻き込まれ | 46パーセント | 誘導者や作業者が車体と荷のあいだに入る |
| 激突され | 21パーセント | 誘導していない方向から入った人に車体が当たる |
| 墜落・転落 | 17パーセント | 荷台上での誘導や合図のやり取り中に落ちる |
| その他 | 16パーセント | 荷崩れや転倒など、上の3つに入らない災害 |
上の数字は1つの監督署の管内を5年間集計した結果であり、全国の割合ではありません。自社の現場で同じ割合になるとは限らないため、型の並び順を手がかりにして、自社の災害記録と突き合わせてください。
(※1)出典:岩手労働局 花巻労働基準監督署「フォークリフトを使用する事業場の皆様へ」
フォークリフト誘導中の事故事例に見る誘導者の配置
フォークリフト誘導中の事故事例では、誘導者が車両の進行方向や旋回の内側に入っていた場面が原因に挙げられるケースがあります。誘導者の配置は、立ち位置と兼務の可否の2つで決まります。
誘導者の立ち位置は、運転者から常に見え、かつ車両の動く範囲の外にある場所が基本です。荷を持ち上げた状態では前方の視界が塞がるため、誘導者は車体の側方へ回り、運転者と目が合う位置で合図を送ります。立ち位置の決め方と動き方の詳しい手順は、フォークリフト誘導の立ち位置と動き方を解説した記事で扱っています。
誘導者が運転者や作業指揮者を兼ねられるかは、作業の内容と人数によって変わります。運転しながら誘導することはできないため、兼務を認める場合も、誘導が必要な時間帯は誘導だけを担当させる形が基本になります。兼務の可否を判断する基準は、フォークリフト誘導者の兼務の判断基準を解説した記事で扱っています。
フォークリフト誘導中の事故事例で死角が生まれる場面
フォークリフト誘導中の事故事例で死角が生まれる場面は、荷が視線を遮るとき、後進するとき、誘導者が合図に集中したときの主に3つに整理できます。死角は設備と動きの両方から作られます。
死角は、フォークリフトの構造と現場の造りから生まれます。マストと荷が運転者の正面を塞ぎ、棚や柱が通路の交差部分を塞ぐためです。厚生労働省は、荷役作業の災害防止として、フォークリフトの走行場所と歩行通路を区分し、通路の死角部分へミラー等を設置することを示しています(※1)。死角を消し切れない場所では、誘導者を置くか、車両と人の通る時間帯を分けてください。
後進は、死角がもっとも大きくなる動きと言われています。岩手労働局の花巻労働基準監督署の資料では、管内のフォークリフトによる労働災害のうち約40パーセントがバック走行時に発生したとされています(※2)。後進で視界が利かなくなる理由と、運転者が確認しきれない範囲については、フォークリフトの後進が難しい理由を解説した記事で扱っています。
(※1)出典:厚生労働省「荷役作業での労働災害を防止しましょう(陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドラインのご案内)」
(※2)出典:岩手労働局 花巻労働基準監督署「フォークリフトを使用する事業場の皆様へ」
フォークリフト誘導中の事故事例と労働安全衛生規則の定め
フォークリフト誘導中の事故事例は、労働安全衛生規則が定める作業計画、制限速度、立入禁止、誘導者の配置、合図の5つの定めのどれかが欠けた場面で起きやすいと考えられます。5つの定めは、作業の段取りから合図まで順につながっています。
本項目では、条文と義務の範囲を順に確かめます。
- フォークリフト誘導中の事故事例に関係する労働安全衛生規則の5つの条文
- フォークリフト誘導中の事故事例で問われる事業者の義務の範囲
条文を先に押さえると、災害の後に何を点検すればよいかが決まります。以下の2項目を読み、自社の作業計画に抜けがないかを確かめましょう。
フォークリフト誘導中の事故事例に関係する労働安全衛生規則の5つの条文
フォークリフト誘導中の事故事例に関係する労働安全衛生規則の条文は5つあります。労働安全衛生規則は、フォークリフトを車両系荷役運搬機械等の1つとして扱い、作業の段取りから合図までを順に定めています。
| 条文 | 定めの要旨 | 誘導中の災害との関係 |
|---|---|---|
| 労働安全衛生規則 第151条の3 | 作業場所の広さや地形、荷の種類などに合う作業計画を定め、関係労働者へ周知する | 誘導者の配置と合図を作業計画に書き入れる根拠になる |
| 労働安全衛生規則 第151条の5 | 最高速度が毎時10キロメートルを超える機械を用いる作業では、制限速度を定めて作業を行う | 速度が高いほど誘導者の合図から停止までの距離が延びる |
| 労働安全衛生規則 第151条の6第2項 | 転倒や転落のおそれがある場所では、誘導者を配置して誘導させる | 路肩や傾斜地での誘導を義務づける定めに当たる |
| 労働安全衛生規則 第151条の7 | 接触の危険がある箇所へ労働者を立ち入らせない。誘導者を配置して誘導させるときを除く | 立入禁止と誘導者の配置が置き換えの関係にある |
| 労働安全衛生規則 第151条の8 | 誘導者を置くときは一定の合図を定め、誘導者に合図を行わせる | 合図を定めないまま誘導者だけを置く状態を禁じている |
上の5つは、どれか1つを満たせばよい関係ではありません。作業計画に誘導者と合図を書き、現場で立入禁止の区画を保ち、速度を守って初めて全部がつながります。条文の本文は、以下の出典から確かめてください(※1)。
(※1)出典:厚生労働省 法令等データベース「労働安全衛生規則」
フォークリフト誘導中の事故事例で問われる事業者の義務の範囲
フォークリフト誘導中の事故事例で問われるのは、誘導者個人の技量ではなく、事業者が誘導者を置く判断と合図を定める仕組みを整えていたかどうかです。労働安全衛生規則は、事業者に対して措置を義務づけています。
誘導者に免許や技能講習の定めがあるかどうかを最初に気にする方もいる一方、労働安全衛生法は誘導者そのものに資格を求めていません。誘導者に資格が必要かどうかの結論と根拠は、フォークリフト誘導者の資格の要否を解説した記事で扱っています。
災害の後に労働基準監督署は、作業計画の有無、立入禁止の措置、合図の取り決め、教育の記録などを確認すると言われています。フォークリフトに関する法令の並びを全体から確かめたい方は、フォークリフトに関する安全衛生法令の全体像を解説した記事もあわせてお読みください。
フォークリフト誘導中の事故事例から再発防止の手順を作る4つの段階
フォークリフト誘導中の事故事例から再発防止の手順を作るには、集める、分類する、手順書へ落とす、見直すの4つの段階を順に踏みます。段階を飛ばすと注意書きだけが増えやすくなります。
本項目は、安全衛生の担当者が再発防止の進め方を組み立てるための章です。誘導者として現場に立つ方は、段階1と段階2だけを読んでも差し支えありません。
| 段階 | 主な効果 | 着手のしやすさ |
|---|---|---|
| 段階1 集める | けがに至らなかった接触まで材料にできる | すぐ着手できる |
| 段階2 分類する | 対策の置き場所が型ごとに決まる | すぐ着手できる |
| 段階3 手順書へ落とす | 作業の場で読める形になる | 安全作業手順書の改訂が必要 |
| 段階4 見直す | 使われない手順を残したままにしない | 現場の意見を集める時間が必要 |
段階1で集める材料は、災害として届け出たものだけではありません。けがに至らなかった接触や急停止も、同じ型の災害の手前にある出来事として扱えます。
4つの段階は、上から順に進めても、段階2から始めても構いません。以下の4項目を読み、自社で止まっている段階から着手しましょう。
段階1 フォークリフト誘導中の事故事例を現場から集める
フォークリフト誘導中の事故事例を現場から集める作業は、聞き取りの設計で結果が変わります。被災した人と周囲の人が話せるのは、自分が見えていたことだけだからです。
岩手労働局の花巻労働基準監督署の資料に載る管内の災害事例3件では、休業の期間は2件が2か月、1件が70日でした(※1)。長く休業する災害ほど、当事者から詳しく聞ける時期が遅れやすくなります。災害の直後に、見えていた範囲と見えていなかった範囲を分けて記録してください。
聞き取りでは、以下のポイントを押さえ、気づけなかったことまで引き出せる状態を目指しましょう。
- どこを見ていたかではなく、どこを見ていなかったかを聞く
- 合図を送った側と受けた側の両方から、同じ場面を別々に聞く
- 作業計画に書かれた配置と、当日の実際の配置を並べて記録する
私は高校生のころ、宅配ピザ店でポスティングのアルバイトをしていました。音楽を聴きながら歌い、歩いて配って回っていたと記憶しています。毎日歌いっぱなしで楽しかった一方、後から考えると、歩いている当人は自分が周囲の音を聞いていないことに気づいていません。
聞かれていない音があったことは、本人の話には出てこないという点で、フォークリフト誘導中の事故事例の聞き取りと同じ形をしています。当事者に「なぜ気づかなかったのか」と尋ねても、気づかなかった理由は出てきません。聞き取りの質問を「どこを見ていなかったか」「何の音が消えていたか」に変えると、設備と配置の話として記録に残せます。
(※1)出典:岩手労働局 花巻労働基準監督署「フォークリフトを使用する事業場の皆様へ」
段階2 フォークリフト誘導中の事故事例を3つの型に分類する
フォークリフト誘導中の事故事例を3つの型に分類すると、対策を置く場所が決まります。誘導者が接触した型は配置の問題、別方向から入った型は区画の問題、合図が伝わらなかった型は合図の取り決めの問題だからです。
分類は、1件につき1つの型に決め切らなくて構いません。誘導者の立ち位置と合図の両方に原因がある災害は、両方の型に数えます。以下のポイントを押さえ、対策の抜けを見つけられる状態を目指しましょう。
- 型ごとに件数を数え、多い型から対策を決める
- けがの重さではなく、型で並べ替える
- どの型にも入らない災害は、型を増やして受け止める
けがの重さで並べ替えると、重い災害の対策だけが進み、件数の多い型が手つかずのまま残りやすくなります。型で並べ替えると、同じ原因を持つ災害をまとめて減らせます。
段階3 フォークリフト誘導中の事故事例への対策を安全作業手順書へ落とす
フォークリフト誘導中の事故事例への対策は、安全作業手順書の作業の順番の中へ書き込みます。注意事項の欄へ追記するだけでは、作業の途中で読まれないためです。
書き込む位置は、対策が働いてほしい時点の直前です。誘導者の立ち位置を変える対策であれば、車両が動き出す手順の直前に書きます。安全作業手順書の作り方と書き込む位置の決め方は、フォークリフトの安全作業手順書の作り方を解説した記事で扱っています。
手順書へ落とすときは、以下のポイントを押さえ、現場で判断できる文にしましょう。
- 「注意する」ではなく、誰が何を見て何をするかを書く
- 止める条件を先に書き、進める条件を後に書く
- 1つの手順に対策を2つ以上入れない
1つの手順に対策を詰め込むと、現場では前半だけが守られるケースがあります。対策が2つある場合は、手順を2行に分けて書いてください。
段階4 フォークリフト誘導中の事故事例をもとに決めた手順を見直す
フォークリフト誘導中の事故事例をもとに決めた手順は、現場で使われているかどうかを見て残すか外すかを決めます。使われない手順を残すと、手順書全体が読まれなくなるためです。
| 区分 | 続かない見直し方 | 続く見直し方 |
|---|---|---|
| 時期 | 災害が起きたときだけ見直す | 月に1度、決めた日に見直す |
| 対象 | 手順書の全文を読み直す | 前の月に守られなかった手順だけを見る |
| 記録 | 変えた結果だけを残す | 変える前の手順と、変えた理由も残す |
私は不要になった表や列を扱うとき、削除せず、廃止と書いたうえで、どうなったら元に戻すかという条件と、戻すときの手順を添えて残しました。元に戻せない変更をしない、捨てる前に戻し方を書く、という進め方です。
同じ進め方は、誘導の手順の見直しにも移せます。前の立ち位置や合図を手順書から消すのではなく、いつ廃止したか、どの条件なら戻すかを1行添えて残してください。前の手順を消してしまうと、新しい手順が現場に合わなかったときに、記憶を頼りに戻すことになります。現場のルールを決めて運用する全体の流れは、現場の安全ルールの作り方を解説した記事で扱っています。
フォークリフト誘導中の事故事例から読み取れる改善している指標
フォークリフト誘導中の事故事例に関係する指標のうち、労働災害による死亡者数は減っています。減った理由を読み取ると、自社の対策の置き場所を決められます。死亡に至る災害とけがの件数は、別々に見る必要があります。
本項目では、全国の数字と自社の測り方を順に見ていきます。
- 全国の死亡者数の減り方から見るフォークリフト誘導中の事故事例の変化
- 自社でフォークリフト誘導中の事故事例の減り方を測る3つの指標
全国の数字は対策の方向を示し、自社の指標は進み具合を示します。以下の2項目を読み、自社で毎月数えられる指標を決めましょう。
全国の死亡者数の減り方から見るフォークリフト誘導中の事故事例の変化
フォークリフト誘導中の事故事例を含む労働災害のうち、死亡に至る災害は減っています。厚生労働省の集計では、令和7年の死亡者数は700人で、前年より46人、6.2パーセント減り、過去最少となりました(※1)。
陸上貨物運送事業の死亡者数は80人で、前年より28人、25.9パーセント減っています(※1)。休業4日以上の死傷者数が0.3パーセントの減少にとどまるなかで、死亡者数が大きく減っている点は、重い災害を止める仕組みが働いている可能性を示しています。
死亡者数が減る一方で、けがの件数は横ばいです。死亡を防ぐ措置と、けがを防ぐ措置は別に用意してください。
(※1)出典:厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」
自社でフォークリフト誘導中の事故事例の減り方を測る3つの指標
自社でフォークリフト誘導中の事故事例の減り方を測るには、災害の件数ではなく、災害の手前で止めた回数を数えます。件数は数年に1件程度という現場もあり、対策の効き目が見えないためです。
以下のポイントを押さえ、毎月数えられる指標を持ちましょう。
- 誘導者が止めの合図を出し、運転者が停止した回数
- 立入禁止の区画へ人が入り、作業を中断した回数
- 作業計画に書いた配置と、当日の配置が違った日数
止めた回数を数える取り組みは、止めた人が責められない状態でなければ続きにくくなります。止めた結果として作業が遅れても責任を問わないことを、事業者の側から先に伝えてください。合図の種類と社内での決め方は、フォークリフトの誘導合図の決め方を解説した記事で扱っています。
フォークリフト誘導中の事故事例に関するよくある質問
フォークリフト誘導中の事故事例について、資格、調べ方、記録の残し方、荷主先での扱い、対象の範囲、見直しの周期という6つの質問に答えます。回答はいずれも労働安全衛生規則の定めに沿っています。
フォークリフト誘導中の事故事例を受けて、誘導者に資格を取らせる必要はありますか?
フォークリフト誘導中の事故事例を受けても、誘導者に免許や技能講習を取らせる法令上の義務は生じません。労働安全衛生法が資格を求めているのはフォークリフトの運転であり、誘導そのものではないためです。ただし、誘導の内容を教える教育は事業者の責任で行います。災害の後は、資格の取得ではなく、合図の取り決めと教育の記録から点検してください。
フォークリフト誘導中の事故事例は、どこで調べられますか?
フォークリフト誘導中の事故事例は、厚生労働省の職場のあんぜんサイトに載る労働災害事例と、各労働局および労働基準監督署がまとめた管内向けの資料から調べられます。全国の労働災害統計には誘導中という区分がないため、事故の型と起因物から絞り込みます。業界団体や労働災害防止団体が公表する資料も、同じ型の災害を探す手がかりになります。
フォークリフト誘導中の事故事例を社内で記録するとき、何を残せばよいですか?
フォークリフト誘導中の事故事例の記録には、発生の日時と場所、誘導者と運転者の配置、送った合図と受け取った合図、作業計画に書かれた配置との違いを残します。けがの程度だけを残すと、後から型に分類できません。図や写真で配置を残すと、同じ場所で起きた災害をまとめて読み返せます。
荷主先で起きたフォークリフト誘導中の事故事例は、どちらが対策を決めますか?
荷主先で起きたフォークリフト誘導中の事故事例では、構内の造りに関わる対策を荷主等が、作業の進め方に関わる対策を陸運事業者が担う形が基本と考えられます。厚生労働省の陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドラインは、荷主等にも実施事項を示し、運送契約時に荷役作業の役割分担を明確にすることを求めています。どちらが決めるかを災害の後に話し合うと時間がかかるため、作業を始める前に分担を決めておいてください。
けがのない接触も、フォークリフト誘導中の事故事例として扱うべきですか?
けがのない接触も、フォークリフト誘導中の事故事例として扱ってください。荷や設備に当たっただけの接触は、人が立っていれば人に当たっていた出来事だからです。休業に至った災害だけを集めると、材料が年に数件程度にとどまるケースがあり、型ごとの傾向が読み取りにくくなります。物損と人身を同じ様式で記録し、集計のときに分けるやり方をおすすめします。
フォークリフト誘導中の事故事例をもとに決めた対策は、どのくらいの周期で見直しますか?
フォークリフト誘導中の事故事例をもとに決めた対策は、月に1度の短い見直しと、年に1度の全体の見直しに分けます。月の見直しでは前の月に守られなかった手順だけを見て、年の見直しでは手順書の全体を読み直します。荷の種類や取引先が変わった月は、周期を待たずに作業計画から見直してください。
フォークリフト誘導中の事故事例に関するまとめ
フォークリフト誘導中の事故事例から分かることは、誘導者を置くだけでは災害は止まらず、誘導者から見えない範囲を誰が埋めるかを決めて初めて手順が働くという点です。記事の要点を5つにまとめます。
- フォークリフト誘導中の事故事例は、誘導者が接触した型、別方向から入った型、合図が伝わらなかった型の3つに分けて整理できる
- 全国の統計には誘導中という区分がないため、事故の型と監督署の管内集計から割合を読み取る
- 労働安全衛生規則は、作業計画、制限速度、立入禁止、誘導者の配置、合図の5つを定めている
- 再発防止は、集める、分類する、手順書へ落とす、見直すの4つの段階に分けて進める
- 前の手順は消さずに、廃止した日と戻す条件を添えて残す
自社の記録を3つの型に並べ替えるところから始めてください。型ごとに件数を数えるだけで、次に手を入れる場所が決まります。
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