フォークリフトの特定自主検査の記録簿は、検査年月日や検査の結果など6つの事項を書いて3年間保存する書類ですが、月次点検の記録や検査標章との関係が条文だけでは読み取りにくいため、現場で迷いやすい6つの場面と答えを以下の表にまとめました。
| 現場で迷いやすい場面 | 答え |
|---|---|
| 年次の検査は業者に頼んでいるけれど、記録簿は自社でも持っておかないといけないのか | 持っておく必要があります。記録と保存の義務を負うのは、検査を行った業者ではなく事業者です。記録簿の根拠と保存する人を見る |
| 記録簿には、どこまで書けば足りるのか分からない | 検査年月日、検査方法、検査箇所、検査の結果、実施者の氏名、補修等の措置の内容の6項目を書きます。6項目の書き方を見る |
| 古い記録簿は、いつになったら処分してよいのか | 3年間の保存が義務です。期間内の記録簿は、すぐに提示できる場所にまとめて保管します。保存期間と保管のしかたを見る |
| 月次点検や始業前点検の紙も、記録簿と同じように扱えばいいのか | 月次の自主検査は年次と同じく記録して3年間保存します。始業前点検は、記録と保存を定めた条文の対象に入っていません。3種類の記録の違いを見る |
| 車体に検査済みのステッカーを貼っていれば、記録簿はなくてもいいのではないか | ステッカーと記録簿は別々の義務です。ステッカーは検査を行った年月を示し、記録簿は検査の中身を残します。検査標章との関係を見る |
| 2026年1月から検査のルールが変わったと聞いたが、記録簿も作り直すのか | 2026年1月1日から、特定自主検査は国の基準に従って行う義務になりました。記録簿の6項目は、引き続き条文で定められています。基準の変更点を見る |
この記事を読むと、記録簿に書く項目と保存のしかたを自社の様式に反映できるようになります。確認を飛ばして運用を始めると、監督署の調査や事故後の確認で記録の不足が見つかり、記録表を集め直す手戻りが生じるケースがあります。
まずは、記録簿が法令のどこに根拠を持つ書類なのかから確認しましょう。
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フォークリフトの特定自主検査の記録簿とは?法令が記録と3年保存を求める書類
フォークリフトの特定自主検査の記録簿は、年1回の特定自主検査の結果を6つの事項で書き残し、3年間保存する書類です。検査を業者に頼んだ場合も、記録と保存の義務を負うのは車両を使う事業者です。
フォークリフトの点検の義務は、労働安全衛生規則で年次・月次・始業前の3種類に分かれています。罰則を含む法令全体の位置づけは、フォークリフトの安全衛生法令の全体像で整理しています。
本項目では、次の2点を確かめます。
- 記録簿の根拠になる条文と、それぞれが定めている内容
- 業者に頼む場合と社内で検査する場合の、記録簿の作り手の違い
根拠となる条文を先に押さえると、取引先や監督署から記録の提示を求められたときに、どの条文に沿った書類かを説明できます。
記録簿の根拠になるフォークリフト特定自主検査の条文
フォークリフトの特定自主検査の記録簿を条文の順にたどって理解すると、自社の様式に足りない項目を見つけやすくなります。以下のポイントを押さえ、記録簿の根拠を説明できる状態を目指しましょう。
労働安全衛生法第45条は、事業者に対し、政令で定める機械について定期に自主検査を行い、その結果を記録するよう定めています。労働安全衛生規則第151条の21は、フォークリフトの定期自主検査を1年を超えない期間ごとに1回行うよう定めています(※1)。
記録簿に関わる条文と、その中身は次のとおりです。
| 条文 | 定めている内容 | 記録簿との関係 |
|---|---|---|
| 労働安全衛生法第45条 | 定期に自主検査を行い、その結果を記録する | 記録する義務の大元になる |
| 労働安全衛生規則第151条の21 | 1年を超えない期間ごとに1回、定期自主検査を行う | 特定自主検査にあたる年次の検査を定める |
| 労働安全衛生規則第151条の23 | 自主検査の結果を6つの事項で記録し、3年間保存する | 記録簿に書く項目と保存期間を定める |
| 労働安全衛生規則第151条の24 | 年次の自主検査を特定自主検査とし、資格を持つ者か検査業者に行わせる | 誰が検査し、何を車体に貼るかを定める |
条文を読む際は、特定自主検査が年次の定期自主検査を指す点を押さえてください。月次の自主検査は特定自主検査に含まれませんが、労働安全衛生規則第151条の23の記録と保存の定めは、年次と月次の両方にかかります。
業者に頼むか社内で行うかで変わるフォークリフト特定自主検査の記録簿の作り手
フォークリフトの特定自主検査の記録簿を誰が作るかを検査の実施者ごとに決めておくと、記録表の受け取り漏れや綴じ忘れを防ぎやすくなります。以下の違いを見て、自社の運用に当てはめましょう。
厚生労働省の特定自主検査制度の解説によると、特定自主検査を行えるのは、事業場内で検査者の資格を持つ者と、厚生労働大臣または都道府県労働局長の登録を受けた検査業者です。
| 実施者 | 検査を行う人 | 記録簿の扱い |
|---|---|---|
| 検査業者 | 厚生労働大臣または都道府県労働局長の登録を受けた検査業者 | 業者が作成した記録表を受け取り、事業者が綴じて保存する運用が多いと言われる |
| 事業内検査者 | 厚生労働省令で定める資格を持つ自社の検査者 | 自社で記録表を作成し、事業者が保存する |
どちらの場合も、労働安全衛生規則第151条の23が記録と保存を義務づけている相手は事業者です(※2)。業者から受け取った記録表を車両ごとに綴じ、自社で3年分を提示できる状態にしておきましょう。検査者の資格要件は本記事の主題と直接の関係がないため、記事末のよくある質問で扱います。
(※1)出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
(※2)出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
フォークリフトの特定自主検査の記録簿に書く6項目と書き方
フォークリフトの特定自主検査の記録簿には、検査年月日、検査方法、検査箇所、検査の結果、実施者の氏名、補修等の措置の内容の6項目を書きます。1項目でも欠けると、条文が求める記録になりません。
書き方で迷いやすい点は、次の3つに分けて解説します。
- 条文が定める6項目と、項目ごとの記入のコツ
- 検査で見つかった異常と補修の内容の書き残し方
- 記録表と記録簿の様式を社内でそろえる方法
3つを順に読むと、自社の記録表に足りない欄と、記入者が迷う欄の両方を洗い出せます。
フォークリフト特定自主検査の記録簿に書く6項目と記入のコツ
フォークリフトの特定自主検査の記録簿を6項目に沿って書くと、検査の中身を後から第三者が確かめられる記録に仕上がります。以下の記入のコツを押さえ、記入者によって書き方がばらつかない状態を目指しましょう。
労働安全衛生規則第151条の23が定める記録事項は、検査年月日、検査方法、検査箇所、検査の結果、検査を実施した者の氏名、補修等の措置の内容の6項目です(※1)。
| 項目 | 書く内容 | 記入のコツ |
|---|---|---|
| 検査年月日 | 検査を実施した年・月・日を書く | 車体に貼る検査標章の年月と食い違わないか確かめる |
| 検査方法 | 目視、測定、作動の確認など、どの方法で確かめたかを書く | 国の特定自主検査基準が示す検査方法の区分に合わせる |
| 検査箇所 | 原動機、制動装置、荷役装置など、確かめた箇所を書く | 基準の区分と同じ並びにして、確認漏れを見つけやすくする |
| 検査の結果 | 異常の有無や測定値など、判定の結果を書く | 判定基準と照らした結果が読み取れるように書く |
| 検査を実施した者の氏名 | 検査を行った人の氏名を書く | 業者に頼んだ場合は、検査業者の名称も残す |
| 補修等の措置の内容 | 検査の結果に基づいて補修などを行ったとき、その内容を書く | 措置が不要だった場合も、その旨が分かるようにする |
藤崎 遊は本記事の作成にあたり、記録簿の6項目を条文と建設荷役車両安全技術協会の資料の両方で確かめ、どちらでも確認できた項目だけを載せました。表の右列は、記入者が迷いにくくするための運用上の工夫です。
補修の内容を書き残すときのフォークリフト特定自主検査の記録簿の注意点
フォークリフトの特定自主検査の記録簿に補修の内容まで書き残すと、同じ箇所の異常が繰り返し起きていないかを次回の検査でたどれるようになります。以下の注意点を押さえ、補修の経過が記録から読み取れる状態を目指しましょう。
神奈川労働局の資料が示すとおり、労働安全衛生規則第151条の26は、自主検査や点検で異常を認めたときに、直ちに補修その他必要な措置を講じるよう定めています(※2)。補修の記録は、次の3点を分けて書くと読み取りやすくなります。
- 見つかった異常の内容と、補修した内容を分けて書く
- 補修を行った日と、補修を行った者を書く
- 補修が済むまで使用を止めた場合は、止めた期間を書く
異常の内容と補修の内容を1行にまとめて書くと、何が直ったのかが後から分からなくなるケースがあります。補修を社外に頼んだ場合は、作業報告書を記録表と一緒に綴じておくと確かめやすくなります。
フォークリフト特定自主検査の記録簿の様式をそろえる方法
フォークリフトの特定自主検査の記録簿の様式を全車両でそろえると、記入する人や検査業者が変わっても、記録の抜けを同じ目線で確かめられるようになります。以下の様式を見て、自社で使う記録表と綴じ方を決めましょう。
建設荷役車両安全技術協会の記録表・台帳類には、検査結果と補修措置等を記録する記録表と、3年間保存する記録表を綴じておく記録簿があります(※3)。
| 様式 | 用途 | 入手先 |
|---|---|---|
| 特定(定期)自主検査記録表 | 検査の結果と補修措置等を記録する | 建設荷役車両安全技術協会の頒布品 |
| 特定自主検査記録簿 | 3年間保存する記録表を綴じておく | 建設荷役車両安全技術協会の頒布品 |
| 定期自主検査記録表(月次) | 月次の検査の結果と補修措置等を記録する | 建設荷役車両安全技術協会のサイトに掲載されたPDF |
市販の様式を使わずに自社で作る場合も、6項目の欄を必ず設けてください。記録を書く担当とタイミングを作業の手順に書き込む方法は、フォークリフトの安全作業手順書の作り方で解説しています。
(※1)出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
(※2)出典:神奈川労働局「特定自主検査の事後措置の徹底について」
(※3)出典:公益社団法人建設荷役車両安全技術協会「記録表・台帳類」
フォークリフトの特定自主検査の記録簿は何年保存?3年間の保管と提示への備え
フォークリフトの特定自主検査の記録簿は、労働安全衛生規則で3年間の保存が義務づけられています。保存期間中は、監督署の調査や事故後の確認ですぐ提示できるよう、車両ごとにまとめて保管すると確認の手間を減らせます。
保存については、次の3点を押さえておきます。
- 3年間の保存義務と、保存期間の数え始めの決め方
- 記録簿を後から検証できる形で残す理由
- 保管が続かない進め方と続く進め方の違い
3点を読み終えると、記録簿の保管場所・担当・処分の時期を社内で決められます。
フォークリフト特定自主検査の記録簿の3年間保存と数え始めの決め方
フォークリフトの特定自主検査の記録簿の保存期間を社内で数え方まで決めておくと、処分してよい記録の判断が人によってぶれにくくなります。以下のポイントを押さえ、処分の時期を誰でも判断できる状態を目指しましょう。
建設荷役車両安全技術協会の特定自主検査の解説によると、検査の結果は所定の記録表に記録し、3年間保存しなければなりません(※1)。保存の対象は年次の特定自主検査に限らず、月次の自主検査の記録も含みます。
数え始めの日を社内で決めていないと、担当者によって処分の時期が変わります。たとえば「記録表の検査年月日から3年」と社内の手順に書いておけば、記録簿の背表紙に処分できる年月を書いておくだけで判断が済みます。
フォークリフト特定自主検査の記録簿を後から検証できる形で残す理由
フォークリフトの特定自主検査の記録簿を後から検証できる形で残すと、検査を行ったという説明を書類で裏づけられるようになります。以下の体験と考え方を読み、記録を残す目的を社内で共有しましょう。
藤崎 遊は、AIに記事を書かせる際に自分の体験を混ぜようとして、AIが実際には無い経歴まで書いてしまう危険に気づきました。そこで体験を台帳にまとめてAIに参照させる方式に切り替え、便利さより後から検証できることを優先しました。
もっともらしい説明と、確かめられる事実は別物です。フォークリフトの検査も、検査をしたという説明だけでは中身を確かめられず、6項目がそろった記録簿が残って初めて第三者が検査の中身をたどれます。
フォークリフト特定自主検査の記録簿の保管が続く進め方
フォークリフトの特定自主検査の記録簿の保管を担当と時期まで決めて進めると、3年分の記録を探す手間が減ります。以下の比較を見て、自社の保管のしかたを見直しましょう。
保管が続かない進め方と続く進め方の違いは、次のとおりです。
| 観点 | 続かない進め方 | 続く進め方 |
|---|---|---|
| 保管場所 | 担当者の机や事務所ごとに記録表が散らばる | 車両ごとのファイルを1か所にまとめる |
| 綴じる担当 | 誰が綴じるかを決めていない | 記録表を受け取った人が当日中に綴じると決める |
| 処分の時期 | 期間を数えずに古い順にまとめて処分する | 3年を過ぎた分だけを年1回取り出して処分する |
記録簿を紙で綴じる方法は、停電や端末の故障に左右されない一方、拠点が複数あると探しにくい面があります。拠点が多い会社では、紙の原本の保管場所を一覧にしておくと、提示を求められたときに慌てずに済みます。
(※1)出典:公益社団法人建設荷役車両安全技術協会「特定自主検査」
フォークリフトの特定自主検査の記録簿と月次点検・始業前点検の記録の違い
フォークリフトの特定自主検査の記録簿と月次の自主検査の記録は、どちらも6項目を書いて3年間保存します。始業前点検は記録と保存を定めた条文の対象に含まれず、記録の残し方は事業者が決めます。
年次・月次・始業前の記録の違いは、次の3点で整理します。
- 年次・月次・始業前の3種類の頻度と記録の扱い
- 月次の自主検査の記録で押さえる点
- 始業前点検の結果を残すときの考え方
3種類の違いを区別できると、どの紙を何年残すかを社内の規程にそのまま書けます。
年次・月次・始業前で異なるフォークリフト特定自主検査の記録簿の扱い
フォークリフトの特定自主検査の記録簿と他の点検記録の違いを頻度と保存の2つの軸で比べると、書類ごとの扱いを取り違えにくくなります。以下の表を見て、自社で残している書類を3種類に振り分けましょう。
労働安全衛生規則第151条の22は月次の自主検査を1月を超えない期間ごとに1回行うよう定め、労働安全衛生規則第151条の25はその日の作業を始める前の点検を定めています(※1)。
| 区分 | 頻度と主な確認箇所 | 記録と保存 |
|---|---|---|
| 年次(特定自主検査) | 1年を超えない期間ごとに1回。原動機、動力伝達装置、走行装置など車両全体を確かめる | 6項目を記録して3年間保存する。検査標章を貼る |
| 月次(定期自主検査) | 1月を超えない期間ごとに1回。制動装置・クラッチ・操縦装置、荷役装置・油圧装置、ヘッドガード・バックレストを確かめる | 6項目を記録して3年間保存する |
| 始業前点検 | その日の作業を始める前。制動装置・操縦装置の機能、荷役装置・油圧装置の機能、車輪、前照灯・後照灯・方向指示器・警報装置の機能を確かめる | 記録と保存を定めた第151条の23の対象に含まれない |
労働安全衛生規則第151条の23の記録と保存の定めは、年次と月次の自主検査を対象にしています。始業前点検の用紙を月次の記録表の代わりに使うと、月次で確かめるべき箇所が抜けるため、用紙は分けて管理してください。
月次の記録でも押さえたいフォークリフト特定自主検査の記録簿との共通点
フォークリフトの特定自主検査の記録簿と同じ6項目で月次の記録も書くと、年次と月次の記録を並べて異常の経過を確かめられるようになります。以下のポイントを押さえ、月次の記録を年次と同じ基準で残せる状態を目指しましょう。
建設荷役車両安全技術協会の定期自主検査記録表(月次)は、バッテリー式とエンジン式のフォークリフト用に様式が分かれており、記録は3年間の保存が必要とされています(※2)。
- 年次と同じく、検査年月日から補修等の措置の内容までの6項目を書く
- バッテリー式とエンジン式で、確認する箇所が異なる様式を使い分ける
- 月次で見つかった異常は、次の年次の検査を行う者にも伝わるよう同じファイルに綴じる
月次の記録表を年次の記録簿と同じファイルに綴じると、1台の車両の1年分の状態を一度に見渡せます。同協会は記録表の無断での複製を認めていないため、社内で配布する際は同協会の利用条件を確かめてください。
始業前点検の結果をフォークリフト特定自主検査の記録簿とは別に残す考え方
フォークリフトの特定自主検査の記録簿とは別に始業前点検の結果も残しておくと、日々の小さな異常が月次や年次の検査で見つかった不具合とつながっていないかを確かめやすくなります。以下の考え方を参考に、始業前点検の記録の残し方を社内で決めましょう。
始業前点検の結果を残すかどうかと、その様式は事業者が決めることになります。チェック表に点検者と異常の有無を残しておくと、異常の申し出を補修につなげやすくなると言われています。始業前点検を誰がいつ行うかを現場の決まりとして定める方法は、フォークリフトの現場の安全ルールの作り方で解説しています。
その日の作業を始める前には、車両の点検に加えて、誘導者の配置や合図の取り決めを確かめる現場もあります。誘導者が担う役割と合図の種類は、フォークリフト誘導者の役割と合図の種類で整理しています。
(※1)出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
(※2)出典:公益社団法人建設荷役車両安全技術協会「定期自主検査記録表(月次)」
フォークリフトの特定自主検査の記録簿と検査標章(ステッカー)の関係
フォークリフトの特定自主検査の記録簿と検査標章は、特定自主検査の後に事業者が果たす別々の義務です。標章は検査を行った年月を車体に示し、記録簿は検査の中身を書類で残すため、どちらか一方では足りません。
標章と記録簿の関係は、次の2点に分けて確かめます。
- 検査標章に表示する事項と、貼る場所
- 記録簿と検査標章の年月を一致させる確認の手順
2点を押さえると、現場で車体を見た人と事務所で書類を見た人が、同じ検査を同じ年月で確かめられます。
フォークリフト特定自主検査の記録簿と別に検査標章へ表示する事項
フォークリフトの特定自主検査の記録簿と別に検査標章へ何を表示するかを知っておくと、業者から届いた標章や自社で貼る標章の誤りに気づけるようになります。以下の表示事項を見て、自社の車両に貼られた標章を確かめましょう。
厚生労働省の通達「特定自主検査の検査標章等について」は、検査標章に「特定自主検査」の文字と検査を行った年月を表示するよう示しています。フォークリフトに貼る標章には、耐久性と耐候性を持つ材料を用いることとされ、耐候性は全天候下で1年以上屋外に置いたときの耐性を指します(※1)。
| 項目 | 事業内検査の場合 | 検査業者に頼んだ場合 |
|---|---|---|
| 標章の種類 | 事業内検査用の標章を使う | 検査業者用の標章を使う |
| 実施者の表示 | 検査を行った労働者の氏名を表示する | 「検査業者」の文字と検査業者の名称を表示する |
| 貼る位置 | 運転席の付近など見やすい箇所に貼る | 運転席の付近など見やすい箇所に貼る |
建設荷役車両安全技術協会の検査済標章の解説によると、標章の色は毎年1月1日に暦年ごとに変わり、前年に発行された標章は同日以降使えません(※2)。年をまたいで検査した場合は、検査年月と標章の色が合っているかを確かめてください。
フォークリフト特定自主検査の記録簿と検査標章の年月をそろえる確認手順
フォークリフトの特定自主検査の記録簿と検査標章の年月を検査のたびに突き合わせると、記録と車体の表示が食い違ったまま使い続ける事態を防げます。以下の手順を見て、検査後の確認を毎回同じ順番で行いましょう。
検査が済んだ後の確認は、次の順番で行います。
- 記録簿の検査年月日と、標章に表示された年月が同じかを確かめる
- 標章の色が、検査を行った年のものかを確かめる
- 標章が汚れや剥がれで読み取れなくなっていないかを確かめる
標章が読み取れない車両があった場合は、記録簿で検査の実施を確かめたうえで、標章の扱いを検査業者や建設荷役車両安全技術協会に相談してください。記録簿があっても、標章を貼る義務がなくなるわけではありません。
(※1)出典:安全衛生情報センター「特定自主検査の検査標章等について」
(※2)出典:公益社団法人建設荷役車両安全技術協会「標章・シール類」
2026年1月からのフォークリフト特定自主検査基準と記録簿への影響
フォークリフトの特定自主検査の記録簿に関わる検査は、2026年1月1日から国が告示で定めた基準に従って行う義務になりました。記録する6項目は引き続き条文で定められており、検査方法と検査箇所の欄の見直しが中心になります。
基準の変更が記録簿に与える影響は、次の2点で確かめます。
- 指針から基準へ変わった内容
- 記録簿の様式を見直すときの確認点
変更点と確認点を押さえると、業者から受け取る記録表や自社の様式が新しい基準に沿っているかを判断できます。
指針から基準へ変わったフォークリフト特定自主検査の記録簿の前提
フォークリフトの特定自主検査の記録簿の前提となる検査のルールが、指針から従う義務のある基準へ変わった点を押さえると、記録表の検査方法の欄をどう見直せばよいかが分かります。以下の比較を見て、変わった点と変わらない点を区別しましょう。
厚生労働省の通達「高所作業車特定自主検査基準等の制定等について」によると、特定自主検査は改正法により国の基準に従って行う義務になりました。フォークリフト特定自主検査基準は2025年12月24日に厚生労働省告示第321号として定められ、2026年1月1日から適用されています(※1)。
| 項目 | 2025年12月まで | 2026年1月から |
|---|---|---|
| 検査のよりどころ | フォークリフトの定期自主検査指針 | フォークリフト特定自主検査基準(厚生労働省告示第321号) |
| 位置づけ | 適切な検査の実施を図るために国が公表した指針 | 特定自主検査を行うときに従う義務がある基準 |
| 扱い | 新しい基準の制定に伴い廃止された | 2026年1月1日から適用されている |
同じ通達は、検査業者が新しい基準に従わなかった場合に、改善命令や登録の取消し、6月を超えない範囲での業務停止を命じられることを示しています(※1)。建設荷役車両安全技術協会は、検査や必要な措置を怠ったときに50万円以下の罰金等の罰則が適用されると説明しています(※2)。
新しい基準に合わせたフォークリフト特定自主検査の記録簿の見直し点
フォークリフトの特定自主検査の記録簿の様式を新しい基準の区分と照らし合わせると、検査箇所の書き漏れを防ぎやすくなります。以下の確認点を見て、2026年1月以降の記録表を点検しましょう。
フォークリフト特定自主検査基準は、原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置、荷役装置、油圧装置、車体関係、総合テストなどの区分ごとに、検査方法と判定基準を定めています。記録表を見直す際は、次の3点を確かめてください。
- 記録表の検査箇所の並びが、基準の区分とそろっている
- 業者から受け取る記録表が、2026年1月以降の基準に沿った様式になっている
- 自社の様式を使う場合、記入者が基準の検査方法と判定基準を参照できる
基準に沿った様式かどうかは、検査を頼んでいる業者に確認するのが確実です。自社で様式を作る場合は、建設荷役車両安全技術協会の記録表が改訂されていないかも併せて確かめると、確認の手戻りを減らせます。
(※1)出典:安全衛生情報センター「高所作業車特定自主検査基準等の制定等について」
(※2)出典:公益社団法人建設荷役車両安全技術協会「特定自主検査」
フォークリフトの特定自主検査の記録簿に関するよくある質問
フォークリフトの特定自主検査の記録簿について、基準の中身、義務化の範囲、点検記録の保管期間、記録を保存する人、社内検査の資格、検査標章の貼り忘れの6問に答えます。
フォークリフトの特定自主検査基準は?
フォークリフトの特定自主検査の記録簿に関わる検査は、2026年1月1日から適用されている「フォークリフト特定自主検査基準」(厚生労働省告示第321号)に従って行います。基準は原動機、制動装置、荷役装置などの区分ごとに検査方法と判定基準を定めており、従来の定期自主検査指針に代わるものです。
フォークリフトの特定自主検査は義務化されましたか?
フォークリフトの特定自主検査の記録簿の作成を含め、フォークリフトの特定自主検査は以前から労働安全衛生法第45条にもとづく事業者の義務です。2026年1月1日からは、検査を国の基準に従って行うことも義務になりました。基準に従わない検査業者は、改善命令や登録の取消しなどの対象になります。
フォークリフトの点検記録の保管期間は?
フォークリフトの特定自主検査の記録簿と月次の自主検査の記録は、労働安全衛生規則第151条の23により3年間の保存が必要です。始業前点検は、この保存の定めの対象に含まれていません。始業前点検の記録を残す場合の保管期間は、社内の規程で決めておくと処分の判断がぶれません。
特定自主検査を業者に頼んだ場合、フォークリフトの記録簿は誰が保存しますか?
フォークリフトの特定自主検査の記録簿を保存する義務は、検査を頼んだ事業者にあります。労働安全衛生規則第151条の23は、記録と保存の義務を事業者に課しているためです。業者から受け取った記録表は車両ごとに綴じ、3年間、自社で提示できる状態にしておきましょう。
フォークリフトの特定自主検査を社内で行うには資格が必要ですか?
フォークリフトの特定自主検査の記録簿を社内で作る場合も、検査を行う人には資格が必要です。労働安全衛生法第45条は、厚生労働省令で定める資格を持つ者か、登録を受けた検査業者に特定自主検査を行わせるよう定めています。資格を持つ人が社内にいない場合は、登録を受けた検査業者に依頼します。
フォークリフトに検査標章を貼り忘れた場合、記録簿があれば足りますか?
フォークリフトの特定自主検査の記録簿があっても、検査標章を貼る義務は別に残ります。標章は検査を行った年月を車体に示すもので、事業者が見やすい箇所に貼る必要があります。貼り忘れに気づいたら、記録簿の検査年月日と同じ年月の標章を、検査業者や建設荷役車両安全技術協会に相談して用意しましょう。
フォークリフトの特定自主検査の記録簿に関するまとめ
フォークリフトの特定自主検査の記録簿は、6項目を書いて3年間保存する、事業者の義務にもとづく書類です。月次の記録も同じく3年間保存し、検査標章の貼付と2026年1月からの基準への対応も併せて確かめます。
この記事の要点は、次の5つです。
- 記録と保存の義務は、検査を業者に頼んだ場合も事業者が負う
- 記録簿には検査年月日、検査方法、検査箇所、検査の結果、実施者の氏名、補修等の措置の内容を書く
- 年次と月次の記録は3年間保存し、始業前点検の記録は社内の規程で扱いを決める
- 検査標章と記録簿は別々の義務であり、年月が一致しているかを検査のたびに確かめる
- 2026年1月1日からは国の基準に従って検査を行い、記録表の検査箇所の並びを基準の区分に合わせる
記録簿は、検査を行ったことを第三者に示せる書類です。次の検査の前に、自社の記録表に6項目の欄があるか、3年分がそろっているかを確かめてみてください。
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