フォークリフトの荷崩れの原因と対策は、労働安全衛生規則第151条の10・第151条の11・第151条の18の3条文と、厚生労働省の「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」で具体的に整理されています。
| 現場で出てくる迷い | 結論と該当箇所 |
|---|---|
| フォークリフトの荷崩れはなぜ起きるのか | 労働安全衛生規則第151条の10が禁じる偏荷重、パレット上での積み方の不安定さ、走行時の急停止・急旋回が主な原因となる(荷崩れの原因へ) |
| 荷崩れを直す作業中に運転者が挟まれる災害はどう起きているのか | 厚生労働省の職場のあんぜんサイト災害事例No.1036は、運転席から身を乗り出して荷役操作レバーに接触し、マストとヘッドガードの間に挟まれ死亡した事例を記録している(災害事例へ) |
| 荷崩れ防止のために現場で何を実施すればよいのか | 厚生労働省のガイドラインは、フォークリフト運転者に荷崩れ防止措置を遵守させることと、収縮性プラスチックフイルムでパレットの荷を覆う措置等を挙げている(荷崩れ防止措置へ) |
| バックレストの装備義務は荷崩れとどう関係するのか | 労働安全衛生規則第151条の18は、マスト後方への荷の落下による労働者への危険を防ぐため、バックレストの装備を義務づけている(バックレストの義務へ) |
この記事を読むと、フォークリフトの荷崩れが起きる構造的な原因、労働安全衛生規則第151条の10と第151条の18の要件、災害事例に見る修復作業中の危険、厚生労働省のガイドラインが示す荷崩れ防止措置までを、実務判断で使える形で整理できます。読まずに進めた場合、荷崩れの修復作業中に運転席から身を乗り出す運転者が出て、はさまれ災害が発生します。
まずは、フォークリフトの荷崩れがどのような原因で起きるかを確認していきます。
フォークリフトの荷崩れが起きる原因
フォークリフトの荷崩れは、積載時の偏荷重、パレット上の積み方の不安定、走行時の急停止・急旋回の3系統の原因から発生します。厚生労働省の職場のあんぜんサイト災害事例No.1036は、パレット上の積荷が細長いロールで積荷同士の間隔が狭く、運搬中に荷崩れが生じ易い不安定な状態となっていたことを間接的な原因として記録しています。
積載時の偏荷重による原因
積載時の偏荷重は、フォークの左右で荷重が偏ることで走行時のバランスを崩し、荷崩れの起点となります。労働安全衛生規則第151条の10第1号は、車両系荷役運搬機械等に荷を積載するときに「偏荷重が生じないように積載すること」を義務づけています。
- 荷の重心がフォークの中心から左右いずれかにずれた状態で積載する
- 不揃いな荷を積み重ねてパレット上の高さが偏る
- 1つのパレットに重い荷と軽い荷を混載して重心が上部に偏る
災害事例No.1036の記録は、パレット上の積荷同士の間隔が狭く不安定な状態となっていたことを間接的な原因として明示しています。荷の形状・重量に応じた積み方の管理が、荷崩れ発生を左右する要素として同事例に位置づけられています。
走行時の急停止・急旋回による原因
走行時の急停止・急旋回は、慣性で荷がフォーク上を前後左右に動き、荷崩れの直接的な原因となります。厚生労働省の「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」(平成25年3月25日付け基発0325第1号)は、フォークリフトを用いて荷役作業を行う労働者に「急停止、急旋回を行わないこと」を遵守させることを陸運事業者の実施事項として挙げています。
- 制限速度を超えた走行から急ブレーキをかける
- 曲がり角で減速せずに旋回する
- 荷を上昇させたまま走行して重心を高くする
同ガイドラインは同じ章で「荷役作業場の制限速度を遵守すること」を並列して挙げており、急停止・急旋回の抑止と制限速度の遵守が一組の対策として示されています。
荷崩れ対策としてのバックレストと積載義務
荷崩れ対策の条文根拠は、労働安全衛生規則第151条の10(荷の積載)と第151条の18(バックレストの装備義務)の2本です。両条文はそれぞれ、荷崩れの発生と荷崩れ発生時の被害拡大を防ぐ機能を果たしています。
労働安全衛生規則第151条の10の積載義務
労働安全衛生規則第151条の10は、車両系荷役運搬機械等に荷を積載するときの遵守事項を規定しています。第1号は「偏荷重が生じないように積載すること」を義務づけ、第2号は不整地運搬車・構内運搬車・貨物自動車について「荷崩れ又は荷の落下による労働者の危険を防止するため、荷にロープ又はシートを掛ける等必要な措置を講ずること」を義務づけています。
| 号 | 条文が求める内容 | 対象機械 |
|---|---|---|
| 第1号 | 偏荷重が生じないように積載する | フォークリフトを含む車両系荷役運搬機械等すべて |
| 第2号 | 荷にロープまたはシートを掛ける等の措置を講ずる | 不整地運搬車・構内運搬車・貨物自動車 |
第2号のロープ・シート掛けの義務は、フォークリフト自体には直接適用されません。フォークリフトで運搬するパレット上の荷崩れ防止措置は、厚生労働省の陸上貨物運送事業ガイドラインが労働者の遵守事項として「荷崩れ防止措置を行うこと」を挙げる形で位置づけられています。
労働安全衛生規則第151条の18のバックレスト
労働安全衛生規則第151条の18は「事業者は、フオークリフトについては、バックレストを備えたものでなければ使用してはならない」と規定し、同条ただし書は「マストの後方に荷が落下することにより労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない」と定めています。バックレストは、荷崩れによりマスト後方に荷が落下することを物理的に阻止する装備です。
- フォークリフト運転席の直前に立てられた枠状の装備
- マスト後方への荷の落下を阻止し、運転者への危険を防ぐ
- ただし書によりマスト後方への荷落下の危険がない場合は装備義務が免除される
労働安全衛生規則第151条の22は月次点検の第3号として「ヘッドガード及びバックレストの異常の有無」を挙げており、バックレストは装備義務と月次点検義務の両方で管理される装備となります。装備そのものに破損・変形が生じた場合は、月次点検で発見して補修することが同規則第151条の26により義務づけられています。
荷崩れの原因と修復中の死亡事例と対策
荷崩れの修復作業中に発生した死亡事例として、厚生労働省の職場のあんぜんサイト災害事例No.1036が印刷業の事例を記録しています。運転席から身を前方に乗り出して荷役操作レバーに体の一部が接触し、マストとヘッドガードの間に挟まれ死亡した事例です。
災害事例No.1036の発生状況
災害事例No.1036の発生状況は、被災者がフォークリフトで倉庫からトラックへ製品を運搬中に積荷の荷崩れが生じ、その荷崩れを直そうとした際に発生しました。事業場は5〜15人規模の印刷業で、フォークリフト運転の有資格者が社内に1名のみで、有資格者が不在の時に無資格者である被災者が運転していたことも同事例の直接的な原因に含まれます。
- 事例No.1036の直接的な原因の1点目は、フォークリフトの運転席を離れる時に、フォークを最低下降位置に下げ、原動機を止め、ブレーキを確実にかけずに運転席を離れたこと
- 直接的な原因の2点目は、有資格者が1名のみで、有資格者不在時に無資格者が運転しなければならなかったこと
- 間接的な原因は、原動機キーが常時つけっぱなしで無資格者が使用できる状態にあったこと、倉庫内の照明が暗く通路が狭かったこと、パレット上の積荷が細長いロールで積荷同士の間隔が狭く不安定な状態だったこと
災害事例の全文は厚生労働省の職場のあんぜんサイト 労働災害事例No.1036で確認できます。事故の型は「はさまれ、巻き込まれ」、発生要因(物)は「通路が確保されていない」、発生要因(管理)は「機械装置等を運転したまま離れる」と記録されています。
事例No.1036の対策欄が示す5項目
事例No.1036の対策欄は、同種災害の防止のために必要な対策を5系統で挙げています。フォークリフト運転の有資格者確保、荷役運搬作業の作業計画作成、荷役運搬機械の管理体制、作業環境の点検、荷崩れ防止の5点です。
- 事例No.1036の対策(1)は、危険有害な業務に必要な有資格者の数を確保し、無資格者を就業させないこと、有資格者が不在の時には作業を行わないことを挙げています
- 対策(3)は、荷役運搬機械の管理責任者を定め、その者に車両のキーを管理させるとともに、点検・整備の管理を行わせることを挙げています
- 対策(4)は、フォークリフトの運行経路を定期的に点検し、運行に支障のある凹凸箇所等の修復を行うこと、倉庫内の作業に支障のないよう必要な照度を確保することを挙げています
- 対策(5)は、荷の高さ及び大きさ、形状により運搬中に荷崩れのおそれがある場合には、荷崩れ防止のため、収縮性プラスチックフイルムでパレットの荷を覆う措置等を行うことを挙げています
対策(2)は荷役運搬作業の作業計画の作成を挙げており、この点は労働安全衛生規則第151条の3の作業計画義務と対応します。労働安全衛生法・労働安全衛生規則・構造規格の位置関係はフォークリフトの安全衛生法令の全体像で確認できます。
陸上貨物運送事業ガイドラインの荷崩れ防止措置
厚生労働省の「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」(平成25年3月25日付け基発0325第1号)は、フォークリフトによる労働災害の防止対策の章で、労働者に遵守させる11項目を挙げています。荷崩れ防止措置はその第2号として明記されています。
ガイドラインが労働者に遵守させる11項目
同ガイドラインの「フォークリフトを用いて荷役作業を行う労働者に、次の事項を遵守させること」の項目は、荷崩れ防止・シートベルト・逸走防止・はさまれ防止・急停止禁止・制限速度遵守など11項目で構成されています。荷崩れに直接関わる項目に加え、荷崩れ発生時の被害を拡大させない項目も含まれています。
- フォークリフトの用途外使用(人の昇降等)をしないこと
- 荷崩れ防止措置を行うこと
- シートベルトを装備しているフォークリフトの運転時にはシートベルトを着用すること
- フォークリフトを停車したときは逸走防止措置を確実に行うこと。万一、フォークリフトが動き出したときは、止めようとしたり、運転席に乗り込もうとしないこと
- マストとヘッドガードに挟まれる災害を防止するため、運転席から身を乗り出さないこと
- 急停止、急旋回を行わないこと
- 荷役作業場の制限速度を遵守すること
- バック走行時には、後方(進行方向)確認を徹底すること
- フォークに荷を載せての前進時には、前方(荷の死角)確認を徹底すること
- 構内を通行する時は、他者が運転するフォークリフトとの接触を防ぐため、安全通路を歩行するとともに、荷の陰等から飛び出さないこと
ガイドラインの本文は宮城労働局の陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドラインで確認できます。上記の第5号「運転席から身を乗り出さないこと」は、事例No.1036が示す荷崩れ修復中の挟まれ災害への直接の対策として位置づけられています。
ガイドラインが陸運事業者に挙げる4項目
同ガイドラインの同じ章は、労働者への遵守事項に加えて、陸運事業者が実施する事項として、有資格者による運転、定期自主検査、作業計画の作成、作業指揮者の配置、構内のルール掲示、死角部分へのミラー設置、走行場所と歩行通路の区分の各項目を挙げています。荷崩れ対策は、装備・作業計画・現場運用の3層で構成される形になっています。
- ガイドラインは、フォークリフトの運転を最大荷重に合った資格を有している労働者に行わせることを挙げています
- ガイドラインは、構内におけるフォークリフト使用のルール(制限速度、安全通路等)を定め、荷役作業を行う労働者の見やすい場所に掲示することを挙げています
- ガイドラインは、通路の死角部分へのミラー設置等を行うとともに、フォークリフトの運転者にこれらを周知することを挙げています
- ガイドラインは、フォークリフトの走行場所と歩行通路を区分することを挙げています
作業計画・作業指揮者・制限速度・接触防止措置に共通する労働安全衛生規則の条文の詳細はフォークリフトの現場安全ルールの作り方で扱っています。
運転位置離脱時の措置と荷崩れの関係
労働安全衛生規則第151条の11は、車両系荷役運搬機械等の運転者が運転位置から離れるときの措置を義務づけており、荷崩れ修復のためにフォークリフトを離れる場面でもこの条文が適用されます。事例No.1036の直接的な原因の1点目は、この条文の遵守が欠けていたことでした。
労働安全衛生規則第151条の11第1項の2つの措置
労働安全衛生規則第151条の11第1項は、運転者が運転位置から離れるときの措置として2点を義務づけています。第1号は「フォーク、ショベル等の荷役装置(テールゲートリフターを除く。)を最低降下位置に置くこと」、第2号は「原動機を止め、かつ、停止の状態を保持するためのブレーキを確実にかける等の車両系荷役運搬機械等の逸走を防止する措置を講ずること」です。
- 第1号:フォーク・ショベル等の荷役装置を最低降下位置に置く
- 第2号:原動機を止め、ブレーキを確実にかける等の逸走を防止する措置を講ずる
労働安全衛生規則第151条の11第2項は、運転者に対しても運転位置から離れるときに前項各号の措置を講じる義務を課しています。事業者だけでなく運転者本人にも義務が課される二段構えの規定となっており、事例No.1036の直接的な原因の1点目はこの第2項違反として整理される内容です。
荷崩れ修復中の運転席から身を乗り出す動作
荷崩れの修復作業を運転席に座ったまま行うと、身を前方に乗り出す動作が発生し、荷役操作レバーに体の一部が接触するリスクが高まります。厚生労働省のガイドラインは、フォークリフトを用いて荷役作業を行う労働者に「マストとヘッドガードに挟まれる災害を防止するため、運転席から身を乗り出さないこと」を遵守させることを陸運事業者に求めています。
事例No.1036が示す構造は、荷崩れが発生した時点で運転席から降り、労働安全衛生規則第151条の11の措置を講じてから修復に取り掛かる必要があるという二段の条文適用です。荷崩れの修復は運転席上で行う作業ではなく、フォークリフトを停止させたうえで実施する作業として位置づけられています。荷崩れ発生の前段階でのヒヤリハット事例の整理はフォークリフトのヒヤリハット事例と再発防止で扱っています。
荷崩れの原因を減らす現場運用の対策
荷崩れ対策の現場運用は、作業計画に荷崩れ防止措置を組み込む形で実装されます。本記事では荷崩れ固有の運用を扱い、共通の作業計画・作業指揮者・制限速度・接触防止措置の詳細は別記事を参照します。
作業計画に組み込む荷崩れ防止措置
荷崩れ防止措置は、フォークリフト作業の作業方法の一部として作業計画に組み込む対象となります。事例No.1036の対策欄も、荷役運搬作業について安全な作業を行うための作業計画の作成を挙げています。厚生労働省のガイドラインも、フォークリフトによる労働災害の防止対策の章で作業計画の作成を陸運事業者の実施事項として挙げています。
- ガイドラインの対策として、収縮性プラスチックフイルムでパレットの荷を覆う措置を実施する
- ガイドラインの対策として、荷の高さと大きさに応じた積み方を作業方法に明記する
- 労働安全衛生規則第151条の10第1号に基づき、偏荷重が生じない積載を作業方法として周知する
荷崩れ防止措置を組み込んだ作業計画は、関係労働者への周知が義務づけられている対象となります。始業前点検を作業手順書に織り込む具体例はフォークリフトの安全作業手順書の作り方で扱っています。
荷崩れが起きた場合の対応手順
荷崩れが発生した場合の対応は、労働安全衛生規則第151条の11の運転位置離脱時の措置と、厚生労働省のガイドラインが示す「運転席から身を乗り出さないこと」の遵守事項を組み合わせて実施することになります。事例No.1036の直接的な原因は、この2つの条文・ガイドラインの遵守が欠けていた点にあります。
- 労働安全衛生規則第151条の11第1号により、フォーク等の荷役装置を最低降下位置に置く
- 同条第2号により、原動機を止め、ブレーキを確実にかける
- ガイドラインの遵守事項に基づき、運転席から降りて修復作業を行う
- 事例No.1036の対策欄が示すとおり、収縮性プラスチックフイルムでパレットの荷を覆う措置等で再発を防ぐ
労働安全衛生規則第151条の26は、労働安全衛生規則第151条の21・第151条の22の自主検査または第151条の25の点検を行った場合において、異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じることを義務づけています。バックレストに変形や損傷が見つかった場合の補修義務も同条が定めています。
フォークリフトの荷崩れの原因と対策のよくある質問
フォークリフトの荷崩れの原因と対策について、条文・災害事例・作業計画・修復作業・バックレスト・制限速度の6系統で寄せられる疑問に回答しました。
フォークリフトの荷崩れ防止措置を義務づける条文はありますか?
労働安全衛生規則第151条の10第1号は、車両系荷役運搬機械等に荷を積載するときに「偏荷重が生じないように積載すること」を義務づけています。同条第2号は不整地運搬車・構内運搬車・貨物自動車について荷にロープまたはシートを掛ける等の措置を義務づけており、フォークリフト自体には直接適用されません。フォークリフトの荷崩れ防止措置は、厚生労働省のガイドラインが労働者の遵守事項として位置づけています。
荷崩れが起きたときフォークリフトの運転席で直してもよいですか?
厚生労働省の陸上貨物運送事業ガイドラインは、フォークリフトを用いて荷役作業を行う労働者に「マストとヘッドガードに挟まれる災害を防止するため、運転席から身を乗り出さないこと」を遵守させることを陸運事業者に求めています。労働安全衛生規則第151条の11は、運転位置から離れるときにフォーク等を最低降下位置に置き、原動機を止め、ブレーキを確実にかけることを義務づけています。
荷崩れ防止のために収縮性プラスチックフイルムを使う必要はありますか?
厚生労働省の職場のあんぜんサイト災害事例No.1036の対策欄は「荷の高さ及び大きさ、形状により、運搬中に荷崩れのおそれがある場合には、荷崩れ防止のため、収縮性プラスチックフイルムでパレットの荷を覆う措置等を行うこと」を挙げています。ストレッチフィルムの使用は同事例が対策として示している方法の1つで、荷の形状に応じて選択することになります。
バックレストは荷崩れ対策としてどのような役割がありますか?
労働安全衛生規則第151条の18は、フォークリフトにバックレストを備えたものでなければ使用してはならないと定めており、同条ただし書は「マストの後方に荷が落下することにより労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない」と規定しています。バックレストは、荷崩れによりマスト後方に荷が落下することを物理的に阻止する装備として位置づけられています。
荷崩れ防止のために制限速度を守る義務はありますか?
労働安全衛生規則第151条の5第1項は、最高速度が毎時10キロメートル以下のものを除く車両系荷役運搬機械等について、事業者が制限速度を定めることを義務づけ、同条第2項は運転者に制限速度を超えて運転してはならないことを定めています。厚生労働省のガイドラインは労働者に「荷役作業場の制限速度を遵守すること」「急停止、急旋回を行わないこと」を遵守させることを求めています。
荷崩れによる災害はどのような事故の型に分類されますか?
厚生労働省の職場のあんぜんサイト災害事例No.1036は、事故の型を「はさまれ、巻き込まれ」と記録しています。荷崩れそのものによる荷の落下災害は「飛来・落下」に分類され、荷崩れ修復中の運転席内でのはさまれは「はさまれ、巻き込まれ」に分類される整理です。花巻労働基準監督署のフォークリフト災害防止対策も「はさまれ・巻き込まれ」が最も多い型として管内5年24件中の型別を報告しています。
フォークリフトの荷崩れの原因と対策のまとめ
フォークリフトの荷崩れの原因と対策は、労働安全衛生規則第151条の10の積載義務、第151条の11の運転位置離脱時の措置、第151条の18のバックレストの装備義務の3条文と、厚生労働省の陸上貨物運送事業ガイドラインが示す11項目の遵守事項で整理される構造です。
本記事で整理してきた論点は、荷崩れの原因・バックレストと積載義務・災害事例No.1036・ガイドラインの遵守事項・運転位置離脱時の措置・現場運用の6系統です。要点を並べます。
- 荷崩れの原因は偏荷重・積み方の不安定・急停止急旋回の3系統
- 労働安全衛生規則第151条の10第1号が偏荷重を禁じ、同規則第151条の18がバックレストの装備を義務づけている
- 災害事例No.1036は運転席から身を乗り出しての荷崩れ修復中に発生した死亡災害
- 労働安全衛生規則第151条の11は運転位置離脱時にフォーク最低降下・原動機停止・ブレーキを義務づけている
- 厚生労働省の陸上貨物運送事業ガイドラインは労働者に11項目の遵守事項を求めている
荷崩れ対策は、装備(バックレスト)・積載(偏荷重禁止)・運転(急停止急旋回禁止)・修復(運転席から身を乗り出さない・運転位置離脱時の措置)の4層で構成されています。厚生労働省のガイドラインと災害事例No.1036の対策欄が示す具体的な対策項目を、労働安全衛生規則第151条の3の作業計画に組み込むことが実務の出発点となります。

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