火垂るの墓が伝えたかった、本当の問題提起について

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最近すっかり陽が落ちるのが早くなりましたね。

 

もう夏もおわりだなぁ、
と思っていたらジブリ映画の「蛍の墓」を思い出しました。

蛍の墓に感動する理由

 

戦争中、兄妹が必死に生きていく姿を描いた映画なのですが、
何度見ても悲しくなりますよね。

 

自分よりも妹にドロップをあげる姿に心が震えさせられます。

 

そして、そのドロップの缶に妹の遺骨を入れていた兄。

その死に絶えた兄から缶を取り上げ、無下に投げ捨てる掃除係。

 

この映画は本当に衝撃でした。

 

今にして思えば、残酷すぎる社会と人間を
忠実に描いた作品だったからだと思います。

 

要するに、主人公がピンチの時に
都合良くヒーローが現れる類のものではなかった、
ということです。

 

普通の人が感じること

おそらく、蛍の墓を見て多くの方が感じることは
「戦争とは、なんてひどいものなんだ」
ということなんだと思います。

 

それは蛍の墓の1つの側面であり、
制作関係者の全てが抱いていた思いであることもわかっています。

 

しかし、
「戦争がなくなればそれでいいのか」
というところまで考える人は少ないです。
 

「問題の本質はどこにあるのか」を考えることが、
これからの人生をより良くするためのヒントになります。

今回の記事では、色んな観点から考えて、
1段も2段も掘り下げて蛍の墓を読み解いていこうと思います。

それでは、一緒に考えていきましょう。

普通の人が感じること

正義とは何なのか

この映画の大部分は、疎開先の親戚から明らかな嫌がらせを受け、
虐げられるようになったところから急激な展開を見せます。

 

貧しくも幸せだった日々が戦争を皮切りに、
両親の死、兄妹と二人きりでの心寂しい疎開につながり、
親戚の嫌がらせを受けて家を出て、妹と2人で生きていくところから、
悲劇が加速します。

 

藤崎からすると、
兄が疎開先の親戚の家を出ると決めた決断力は素晴らしかった。

あんな環境では暮らしていけるわけがなかった。

 

しかしその後は、
空襲で火事になっている家に空き巣に入ったり、
妹のために必死で物を取ってきたり。

 

それでも、悪いことだとわかっていながら、
生きるため、妹に少しでも食べさせてやるために、
わが身を顧みず悪行を重ねる兄には心を動かされずにはいられません。

 

ここで問題となってくるのが
「何が正義で、何が悪なのか」
ということです。

 

兄にとっては生きることが正義であり、
妹を守ることが正義だった。

 
これはまぎれもなく真実であり、
見ている人も同様に感じる人が多いと思います。

 

ここでは、正義なんて人それぞれであり、
絶対的なものなどないということが訴えられていますね。

 

信用できる人間

また、あからさまにいじめてくる親戚がいる一方、
妹思いの兄の想いは妹が息絶えるまで変わりませんでした。

 

人間には信用できる人間と、
そうでない人間がいつことを学ぶことができます。

余裕がなくなった人間の本性

そして、親戚が露骨な嫌がらせをしるようになったのは、
自分たちに余裕がなくなったことが大きな要因だった、
ということも忘れてはいけません。

 

余裕があるうちは優しかったのですから。

 

人間は自分に余裕がなくなると他人に厳しくなり、
自分を大事にする傾向があるということも、
この映画から学べる重要な要素です。

 

余裕とはお金の有無である

生活に余裕があるかどうかといった話をする場合、
それは大抵、お金に余裕があるかどうかを意味します。

 

つまり、お金の有無が余裕の有無になるということです。

 

「命はお金にかえられない」

とよく言いますが、
そんなキレイごととは真逆の真実が蛍の墓では描かれているわけです。

 

実際にこういう状況は現在でもそこかしこで起こっているのですが、
学校の先生や大人は、子どもにきれいごとを教えることが多く、
藤崎もよくそんな風に教えられました。

 

もし、あの兄妹に莫大な遺産があったら、
2人が飢え死にしていたでしょうか。

 

もし、あの兄妹にお金を稼ぐ力があったら、
2人は飢え死にしたでしょうか。

 

結局、そういうことなんですよね。

 

なんだかんだ言っても。

 

今でもお金がないために、
病気の手術ができず死んでいく子どもはたくさんいます。

 

貧困な地域では、
今だに餓死で死んでいく子供が後を断ちません。

 

子どもをもつ親なら、ほとんどの方がわかると思うのですが、
目の前で子どもが苦しむ姿を見るというのは、
筆舌に尽くし難い感情にさいなまれ、
自分の無力さを嫌というほど感じて自己嫌悪に陥るんですね。

 

子どもが苦しむのを見ると、
できることなら自分が代わってやりたい、と思う親が大半で、
そう思わないのは少数でしょう。

 

それだけの苦しみにさいなまれます。

 

そして、そういう状況になる可能性というのは誰にでもあるもので、
運悪く子どもが難病にかかってしまったら、
最悪の場合、子どもを見殺しにしなければなりません。

 

こんな残酷な現実から目をそらしたい大人や先生達が
「命はお金にかえられない」などと言って、
子どもに夢や希望を与えようとするのですが、
ハッキリ言ってそれは間違っています。

 

間違った希望を抱いて大人になってしまうと、本当の困難に陥った後、
ようやく今までの教えが間違っていたことを知ることになります。

 

大人がしっかりと教えてくれていたら、前もって対策を立て、
問題を解決することができたかもしれません。

 

物事を楽観視したがためにできるはずだった準備を怠り、
回避できる危険に真正面からぶつかるようなことは、
失くしていくべきです。

 

苦しむのが自分の子どもなら、なおさらのこと。

 

本当に子どものことを想うなら、真実を教えるべきです。

 

大人が信じたくない真実も、
子どもは成長する中で経験していくでしょうし、
そこで学ぶこともできるでしょう。

 

しかし、間違った認識でいることに気付いた時には、
既に手遅れだったとしたら・・・

 

後悔してもしきれません。

 

「お金よりも大事なことがある」と言うのは簡単で、
自分の家にお金がないことを正当化する理由にはなりますが、
本当に家族や子どものことを考えるのなら、
できるだけお金を稼いでおくべきです。

 

日々の生活や食事の中に健康を損なうリスクがあるのですから、
できるだけ住環境や食べ物は身体に良いものを選ぶべきです。

 

そして、身体に良いものを選ぼうとすると、
それなりにお金がかかります。

 

キレイな家や身体に良い食べ物、バランスの良い生活・・・

 

これらのほとんどは、
お金で解決できるものだということを知るべきです。

 

藤崎がそのように考えた時、
サラリーマンや公務員の給料・生活スタイルでは、
満足できる健康状態・心理的安心を得ることは不可能だと気付きました。

 

しかも、家族の誰かが難病にかかったら、
その時点で人生がメチャクチャになります。

 

「命はお金に換えられない」
という言葉は、キレイ事という名の嘘です。

 

純粋無垢な子どもを相手に、
真剣な顔でこんな話をするのは間違っています。

 

それよりも
「お金で救える命がある」
という事実を教えことが、どれだけ有意義か。

 

「お金があればより良い人生が送れる」
と教えることが、どれだけ子どものためになるのかを
大人がしっかり考えてから教えるべきだと思っています。

 

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